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【名物誕生秘話】⑥ 亡き友の味を紡ぐ『TORRADO』の特製カルボナーラ

地元で愛される名店の逸品が、どうやって生まれたのかを検証する【名物誕生秘話】

 

今回は、つゆだくクリームソースが美味しい『TORRADO』の特製カルボナーラをご紹介します。

 

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金沢西インターのすぐ近く。

きっかけはとある料理人との出会い。

『TORRADO』がオープンしたのは15年前。長らく近江町エリアの人気店として繁盛してきましたが、建物の老朽化にともなって2019年に十間町から古府に移転してきました。

 

なみなみとソースが盛られた自慢のパスタのほか、ふんわりと焼き上げたクレープも「とろけるような美味しさ」と評判です。

 

心地よい日差しが降り注ぐ、ガラス張りのテーブル席。

 

ナチュラルインテリアで空間をさりげなく演出。

 

オーナーの山岸良行さん(営業時はマスクを着用しています)。

 

若かりし頃に岩手出身の料理人、中屋敷康弥氏(故人)と運命的な出会いをした山岸さん。ふたりはすぐに意気投合し、お互いの店を行き来する仲となります。

 

「彼のつくるカルボナーラが本当に好きでね。深いコクがあって、その美味しさは僕のパスタの概念を変えるほどでした」

 

何度も何度も通って、ようやく教わったレシピに改良を加えたのが、お店の看板メニューとなっている特製カルボナーラ。この味なら勝負ができると『TORRADO』を開業するきっかけにもなった、山岸さんにとって思い入れのあるパスタです。

 

『TORRADO』の特製カルボナーラ

特製カルボナーラ1,500円。サラダ、パン、ドリンク付き。

 

濃厚なカルボナーラソースの美味しさの秘密はいくつかあります。

 

まずはチーズ。一般的に使われるパルメザンチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)ではなく、上質なグラナ・パダーノを溶かし込むことで、コクがありながら重すぎないマイルドな口当たりを表現しています。

 

隠し味となる魚介ソースもポイント。山岸さん曰く、これを入れることで普通のカルボナーラにはない絶妙なコクが生まれるそうです。

 

さらには鹿児島からお取り寄せした卵黄をトッピング。見てもわかるように黄身が濃厚で、カルボナーラをさらにコク深いものに仕上げています。

 

生クリームも通常の倍以上たっぷりと使う。

 

ときおり現れるブラックペッパーの食感と風味も、ほどよいアクセントに。ちなみにブラックペッパーは石臼で挽いているそうで、かなりの粗挽きになっています。

 

パスタの歯応えもちょうど良い塩梅。アルデンテの持続が長いといわれる、バリラ社の最高級パスタ「セルシオーネ オロシェフ」が使われているのも納得です。

 

具材はベーコンのみ。シンプルにすることで濃厚なソースの風味が存分に発揮されている。

 

あまったソースをパンにつけて食べるのがTORRADO流。「ソースを残さず食べて欲しいから」と、パンのおかわり自由なのもうれしい。

 

大切な看板メニューでありながら、なにひとつ包み隠さずレシピを教えてくれた山岸さん。その理由をたずねてみると「若くして亡くなった友人のため」とひとこと。

 

特製カルボナーラを広めることで、中屋敷さんの料理人としての功績を世に残したい。そんな思いもあるのだそうです。

 

中屋敷さんは一時期『TORRADO』で働いていたことも。彼が考案したメニューは今でも大切に残されている。

 

 

TORRADO
トラド
石川県金沢市古府1-222
TEL.076-227-8956
営業時間/11:30~15:00、18:00〜22:00
定休日/日曜日
席数/テーブル25席
駐車場/7台
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

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