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【名物誕生秘話】町中華最強丼との呼び声が高い『珉来 若宮店』の珉来飯

地元民に愛され続けるあの看板メニューは、一体どのようにして生まれたのか…。

 

今回は、サラリーマンの心と胃袋を満たす『珉来 若宮店』の珉来飯の魅力に迫ります!

 

白山方面から若宮大橋を渡ってすぐ。

サラリーマンの強い味方。

『珉来 若宮店』といえば、金沢駅周辺における「町中華」の代表格。コロナ禍でもその人気ぶりは衰えることなく、地元のサラリーマンなどで連日にぎわっています。

 

時短営業のあおりで昼の営業が長め(月水金は16:30、火木土は15:30まで)に設定されているので、時間に余裕のある人はランチタイムをずらして入店するのがおすすめ。昼どきに訪れる場合は、行列防止の呼び出しブザーが鳴るのをひたすら待ちましょう。

 

町中華らしい赤を基調とした店内。なぜだか、お腹がすいてくる。

 

メニュー縮小中の現在でも、丼だけで15品、麺が20品と種類が豊富。セットメニューも充実している。

 

店主の前田圭佑さんが『珉来 若宮店』をオープンしたのは15年前。16歳からアルバイトとして内灘の本店に勤務し、高校卒業後にそのまま入店。師匠のもとで6年間修行を積んだ後、25歳の若さで独立しました。

 

じつは金沢市内には6店舗ほど「珉来」があるのですが、どのお店もルーツは同じ。とはいっても、それぞれお店ごとに味が違ったりして、これも町中華の面白いところだったりします。

 

金沢の町中華文化を支える店主の前田さん。大の相撲ファン(実際の営業中はマスクを着用しています)

 

ちなみに前田さんは、お師匠さんである内灘本店の甲部さんに「毎日でも食べられるような、シンプルな味付け」を叩き込まれたそう。

 

さて、そんな教えを受け継いだ「珉来飯」とは、一体どんな味なんでしょうか。

 

『珉来 若宮店』の珉来飯

珉来飯 スープと香物付き850円。

 

「珉来飯」を考案したのは師匠の甲部さん。青椒肉絲(チンジャオロース)という、昭和時代の田舎町ではまだなじみの薄かった料理を「それなら食べやすく丼にしてみよう」と、ごはんの上に乗せたのが誕生のきっかけだそうです。

 

作り方はというと、まず素揚げした豚肩ロースの細切り肉と一緒に、中華鍋でピーマン、ザーサイ、玉ねぎ、人参、ニラ、竹の子を炒めます。そこに合わせ醤油を鍋肌からジャーッと回しかけて、香りを引き出しながら味付け。さらに香りのアクセントとしてネギ油を加えたら、清湯(チンタン)で味を整えて、片栗粉でとろみを付けて完成です。

 

この間、約1〜2分。素早く火を通すことで素材の旨味や食感を最大限に生かす、これぞ中華ならではの技。忙しいサラリーマンにとっても、注文してすぐに提供されるのはうれしい話です。

 

強い火力で一気に調理!ムラにならないように味付けするのがポイントなんだとか。

シンプルながら奥深さのある味。

スピードだけでなく、下ごしらえや材料にもひと工夫。

 

たとえば細切り肉を素揚げするさいは100%ラードを使用。それによって肉にコクと旨味が増して、食べ応えのある味わいとなります。

 

師匠から受け継いだという秘伝の合わせ醤油も、オイスターソースなどいくつもの調味料を独自の黄金比で味付け。クドすぎず、パンチがある。そんなバランス感覚に長けた味にこそ『珉来』が繁盛する理由が隠されているのだと感じます。

 

豚骨とひねガラ(親鶏のガラ)をゆっくり火にかけてとった清湯を合わせダレで味付けし、刻んだネギと焼豚を入れたスープ。すっきりとしたクリアな味わい。

 

シャキッとした野菜の歯応えと、肉の旨味がつまった逸品。毎日でも食べたくなる味だ。

 

お店の中でも人気は横綱級という珉来飯は、テイクアウトも可能とのこと。

 

中華ファンも納得のガチンコな美味しさに、みなさんも打ちしがれてみてはいかがでしょうか。

 

 

珉来 若宮店
ミンライ ワカミヤテン
石川県金沢市若宮2-37
TEL.076-231-1775
営業時間/月水金11:00~16:30、火木土11:00〜15:30、17:00〜20:00
定休日/日曜日
席数/カウンター7席、テーブル24席
駐車場/13台
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

撮影/林 賢一郎

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