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リピーターがリピーターを呼ぶ『パン工房Babylon』の看板メニュー

金沢港へと向かう金石街道沿いにある小さなパン屋『パン工房Babylon』は、

親子二代にわたって続く人気のベーカリー。

木の温かみを感じる店の扉を開けると、焼きたてパンのなんとも幸せな香りに包まれる。

 

名店が多い金石街道沿い。藤江西交差点すぐそばに店がある。

創業は1978年。40年以上愛されている人気店

 

現店主、中田武良さんと妻の江津子さんが夫婦で営む『パン工房Babylon』。

朝7時のオープン時には、まずはサンドイッチやおやつパンから棚に並びはじめる。そのあとは「特食」「上食」「パン・ド・ミー」など6種類の食パン。お昼をすぎたあたりからフランスパンなどのハード系が焼き上がってくる。

 

店主の中田武良さん。美味しい瞬間を食べてもらいたいと、時間差で少しずつ焼き、焼きたてを提供する。

 

パンの種類はおよそ60種類。

 

そのため予約や取り置きの電話も多く、なかには先代が店に立つ頃から変わらず同じ食パンを注文する常連さんも多いそう。

 

なかでも看板メニューになっているのは、豆パンとクロワッサン。豆パンは金沢で元祖の店として知られている。

その始まりは1978年にさかのぼり、和菓子職人だった先々代が戦後、食糧難の時代に「なんとかお腹が膨れるものを」と当時手に入りやすかった小麦と煮豆のおかずを使って考え出したのが豆パンだったとか。

元祖豆パンは、武良さんがその味を引き継いで、今でも幅広い年齢層から支持されている。

 

豆大福を包む要領で、金時豆がパンの表面に薄皮をかぶるように手包みして作る「豆ぱん」。パン作りに和菓子職人の技が残っている。一個160円。

 

そしてもうひとつ、お客さんの口コミでリピーターを呼んでいるのがクロワッサン。

2002年に武良さんが店を継いだとき、新しいメインメニューを作ろうと考案した。

 

プレーンのほか、クリーム、チョコ、抹茶、アールグレイなどクリームを挟んだものも。220円〜。

 

美味しいクロワッサンの食感を表現する言葉が「パリパリ」だとすると、バビロンのクロワッサンは「パリッ・サクッ・フワ」の三段階。

幾重にも折り重ねられた生地が口の中で感動的な食感を作り出している。

 

クロワッサンはなるべく切らさないよう、なくなり具合を見ながら都度、145回焼く。

毎日の食卓に上がるものだから丁寧に

 

店に立つ江津子さんやスタッフの元には、アレルギーを持つ子供の母親や持病を持っているお客さんからさまざまな声が寄せられるそう。

「そういった相談を聞くと、なんとかできないかと考えるんです。できるだけのことはしたいなって」と江津子さん。

実際に、お客さんからの声から卵不使用のおやつパンや全粒粉を使った食パンを提案。店の定番になっている商品も多い。

 

江津子さんをはじめスタッフも気さく。何気ない会話から街の声が聞こえてくる。

 

パンは毎日の食卓に上がるものだから、素材も価格も健康面でも、毎日食べてもらえるものにしたいと乳化剤やイースト菌は使わず、材料はシンプル。

「お母さんが自宅で作れる範囲の材料を使って、手をかければ作れる。そんなパン作りをしているんですよ」と江津子さん。忙しいお母さんの代わりに愛情たっぷりのパンを焼く。

だから『パン工房Babylon』のパンはどれも特別すぎることなく、どこか特別。

お客さん思いの温かさを感じさせてくれる。

 

パン工房Babylon

パンコウボウバビロン

石川県金沢市藤江南3-168-17

TEL. 076-268-6779

営業時間/7:00~19:00

定休日/日曜日

駐車場/3台

※こちらの情報は取材時のものです。

 

(取材・文/森内幸子、撮影/林 賢一郎)

 

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