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ふわとろ派の最終形「タンポポオムライス」

たまごとライス。
シンプルなふたつが融合するだけで、食べた瞬間にふわっと幸福感があふれてくる「オムライス」。卵の黄色とケチャップの赤色とのコントラストが食欲をそそり、思い出すだけで無性に食べたくなる。

 

オムライスは、ライスをたまごで包み込みこむ元祖「包む派」と、ライスの上をたまごのふわとろ部分で覆う「ふわとろ派」に分かれる。さて、今日のランチはどちらにしよう。

 

やってきたのは、金沢市鳴和町にある一軒家カフェ『トリプルアール グリルキッチン』。

 

鳴和交差点を越え、山側環状へ向かう道沿い。小高い丘の上にあるカフェ。

 

2階はフローリングの座り席になっていて家族づれ、子供づれのママ友会に人気。

 

ランチタイムのお客さん9割がオーダーするという看板メニュー「タンポポオムライス」。盛り付けたライスの上に半熟のプレーンオムレツを乗せて作る「タンポポオムライス」は、いわばふわとろ派の最終形態だ。

 

「タンポポオムライス」の通称が全国に知られるようになったのは、大の食通としても有名な映画界の鬼才・伊丹十三監督が「美味しいオムライスとは、オムレツとライスを分けて出すべき」という考えから考案し、1985年公開の映画「タンポポ」に登場させブレイクしたことに始まる。今では多くの洋食店で食べられるようになり、元祖オムライスを脅かすほど市民権を得ている。

 

『トリプルアール グリルキッチン』の「タンポポオムライス」もまた、オムレツとライスとが2層に美しく分けられ、その名に恥じない美しさを放っている。

 

「ふわふわタンポポオムライス」ランチは、前菜・サラダ・デザートつきで1,540円(税抜)。

 

オムレツは火加減次第。
絶妙な焼き加減で外側には焼き色一つなく、半熟とろとろの中身をなんとかせき止めている。

 

たまごはMサイズ3個分を使用。卵液には生クリームを加え、フライパンで絶えずかき混ぜながら形成。

 

プルンプルンのオムレツをライスにオン。これぞプロの技。

 

仕上げはケチャップではなく、フランス料理ではお肉とも相性が良いとされるマデラソースを使用。その上にグレープフルーツソースをかけ、酸味をプラス。

マデラソースでたまごにコクを足しながらも、グレープフルーツソースでさっぱりと。単調になりがちなオムライスを最後まで飽きずに食べ進められるという、ニクすぎる店主の演出が施されている。

 

これですよこれ。スプーンを入れた一投目のふわふわ感がたまらないのですよ。

 

「タンポポオムライス」といえば映画「タンポポ」でも、オムレツにナイフを入れ、半熟部分を開いて食べるのが醍醐味。それでも店主の浦井さんは「たまご、ソース、ライスの三位一体感を味わってもらいたいから、たまごを開かずにそのまま食べてみてほしい」とすすめる。食べ方によって、口に入れたときに感じる味のインパクトの違いもまた、オムライスの面白さだという。

 

ぜひ、店主おすすめの食べ方で食べてみよう。

 

「ふわふわタンポポオムライス」を始め「エビミソソースのオムライス」「贅沢うにクリームオムライス」「牛赤ワイン煮込みの贅沢オムライス」とタンポポ系オムライスは4種類。週末は人気のため、席の予約は必須。

一部テイクアウトもできるというので、4種類を早めにコンプリートするならテイクアウトという手段が有効だ。

 

 

RRR GRILL KITCHEN
トリプルアール グリルキッチン
石川県金沢市鳴和町イ10-3
TEL.076-218-9119
営業時間/11:30~16:00(L.I.15:00)(L.O.15:30)、17:45~22:00(L.I.21:00)(L.O.21:30)
定休日/火曜日のディナータイム
席数/テーブル12席、小上がり8席、座敷(フローリング)22席
駐車場/10台
※この情報は取材時のものです。

 

(取材・文/森内幸子、撮影/林 賢一郎)

 

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