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【喫茶店の特等席】レトロな空間がたまらない。居心地よすぎる金沢喫茶の名店

茶道が盛んな土地柄だからだろうか、金沢にはコーヒー好きが多い。昭和50年代には喫茶店が次々とオープンし、金沢に喫茶ブームが到来。そこかしこに、個性豊かな店があった。

そんな昭和の薫りを今に残すレトロでモダンな一軒を訪ねた。

 

浅野川大橋近くにある「珈琲館禁煙室」はかつて市内に10軒以上の店舗があった「禁煙室」の1号店を店主が譲り受けて、昭和55年にオープン。

茶屋街の芸妓さんや地元客のほか、観光客も旅の疲れを癒しに立ち寄る。

 

100年以上の古民家で30年以上にわたって営業している。

 

チェーン店当時のまま「禁煙室」の名が残っているものの、店内ではタバコが吸える。

入店の際「禁煙ですか?」と多くの客が尋ねたことから、20年くらい前に「タバコの吸える喫茶店」と看板を作り替えたというエピソードが残っている。

 

スモーカーにとってはありがたい。喫煙OKなので遠慮なく。

 

ドアを開けると「カランカラン」とどこか懐かしいドアベルが鳴り、カウンターのコーヒーサイフォンから、香ばしい薫りが漂ってくる。

店内には重厚感のあるテーブルや椅子、グリーンのステンドグラス、天井にはクラシカルな丸いスピーカーが下がり、創業当時と変わらない空間が広がる。

 

明治に建てられている趣のある店内。赤い絨毯にビロード張りの椅子、ステンドグラスと重厚感たっぷり。

 

コーヒーはサイフォン式。ブレンドから、ブルーマウンテンやサントスなどストレートコーヒーも用意。一杯400円〜。

 

入り口からの印象とは対照的に、店内はかなり広い。店内の奥までテーブル席が広がり、一度腰を落ち着かせるとついつい長居してしまう。

 

カウンター以外は全てソファ席。居心地がよく、薄明かりのランプの下でおしゃべりに花が咲く。

 

各テーブルに置かれたシュガーポットは、禁煙室オリジナルのカップ。N.S.R=NO SMOKING ROOMの文字が。カップとソーサがくっつけてあった。

 

「珈琲館禁煙室」の特等席でひと息をつくなら、おすすめはステンドグラス横の一席。

ステンドグラスの色がテーブルに反射し、幻想的。

また、カウンターからは入れたてコーヒーの良い薫りが漂ってくるのもポイント。

 

観光に来たお客からも人気が高いのが、こちらのテーブル席。

 

純喫茶の定番、メロンクリームソーダ、イチゴソーダ、ブルーハワイがなんとも涼しげ。一杯600

 

ドリンクだけでなくフードメニューもトーストやサンドイッチ、スパゲッティにカレーと豊富。

中でもホイップクリームとシロップをたっぷりとのせたホットケーキは、茶屋街で働く芸妓さんにも愛されるメニューのひとつ。

 

ホットケーキセット(コーヒーまたは紅茶付き)650円。程よい苦味のあるコーヒーとホットケーキは黄金のコンビ。歩き疲れた体に染みいるよう。

 

月日を重ねた喫茶店は懐が深い。一見さんも常連さんもコーヒーの薫りが全てを包みこんでくれる。

おしゃべりを楽しみたいとき、ひとり心を落ち着かせたいとき、訪れたい。

 

店オリジナルのマッチにコーヒーチケットもまた、レトロなデザインだった。

 

珈琲館禁煙室

コーヒーカンキンエンシツ

石川県金沢市尾張町2−14−21

TEL. 076-232-1466

営業時間/10:30~17:00

定休日/金曜日(不定休あり)

席数/カウンター9席、テーブル22席※全席喫煙可

駐車場/近隣にコインパーキングあり

※この情報は取材時のものです。

 

(取材・文/森内幸子、撮影/林 賢一郎)

 

◯石川県の古き良き喫茶店をフィーチャーするシリーズ企画【喫茶店の特等席】→そのほかの記事はこちら

 

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