これからが旬!冬の低山ハイクの楽しみ方。inモルゲンロート金沢店
石川県の自然をとことん満喫するべく始まったシリーズ「野外部」。
今回のテーマは「冬の低山ハイク」。金沢市近岡町にある『モルゲンロート金沢店』にお邪魔して、冬の山歩きに必要な装備や注意点などを聞いてきました!
モルゲンロート金沢店
金沢市と富山市に店舗を構える『モルゲンロート』は、登山用品を中心としたアウトドアギアの専門店。広々とした店内にはこだわりのアイテムがずらり。ユーザー目線に立ったセレクトで、筆者のような登山初心者から縦走よろしくのガチ勢まで、幅広い層に人気のお店なんです。
こちらはスタッフの大平健太さん。高校、大学と学生時代は山岳部に所属し、アウトドア用品店でアルバイトをしながら登山活動を行ってきた本格派。今年は月1〜2回のペースで登っているのだとか。
それではさっそく冬の低山ハイクに必要なアイテムから聞いてみましょう!
温めるよりも、冷やさないこと。
「アークテリクス」をはじめ、機能性に優れたさまざまなウェアを取り揃えている。
登山靴はどんなものがおすすめですか?
大平さん
初心者の方におすすめなのが、軽くて柔らかいスニーカーの延長線上にあるような登山靴。その中でもとくに防水性に優れているものが理想です。
たしかに靴下までぐしょぐしょに濡れてしまうと、せっかくの楽しい登山も台無しですもんね。
大平さん
そうなんです。さらにいえばローカットよりもくるぶしが隠れる程度のミッドカットタイプの方が、雪や雨の侵入を防げます。
登山靴の価格帯は2万円前後。実際に山道を歩いている感覚でフィッティングすることができる。
冬山歩きに必須の軽アイゼン。
大平さん
それと冬山ハイクに必須なのが、軽アイゼンやチェーンスパイクなどの登山靴に装着する滑り止め。たとえ雪が降っていなくても、冬の山道は滑りやすいのでかならずリュックに入れておきましょう。
そう考えると結構リュックに入れるものは多そうですね。
大平さん
アイゼン、水、食料、防寒具、ストック、防水のレインウェア、余裕があれば替えの下着。そして万が一の装備としてヘッドライトにエマージェンシーキット。これらを携帯すると20〜30ℓのデイパックが一杯になりますね。
リュックの選び方で気をつけることはありますか?
大平さん
じつはリュックには男性用と女性用があって、それぞれの体型に合わせて設計されているんです。なので、まずは自分の性別(体型)にあったものを選ぶこと。汗ムレを防ぐためには、背中と本体の間に空間があるものも良いですね。
軽アイゼンは冬の山歩きに欠かせないアイテムのひとつ。
リュック選びに迷ったら大平さんに相談すれば間違いなし。ブランドの背景から機能面までしっかりと説明してくれる。
そのほかに装備した方が良いものはありますか?
大平さん
僕はいつもサーモボトルにお湯を入れて持っていきます。身体を冷やさずに水分補給ができて、場合によっては調理にも使える。スタイルによっては、コンロなどの火器を携帯する人もいますね。
いいなぁ〜。山頂で豆を挽いて、コーヒーを淹れるのとか憧れます。
大平さん
ぜひ、やりましょう!
大平さんがおすすめする「MiiR」の真空耐熱ボトル。シンプルでデザイン製にも優れているので日常的にも使えそう。5,280円
食料はコンビニのパンやお菓子などでOK。効率を求める場合は、写真のような高カロリーで軽量タイプの行動食を装備しても。
「早出早着」は登山の基本!
今さらなんですけど、僕みたいな初心者が冬山に登っても大丈夫なんですか?
大平さん
しっかりと装備をして、行き先を適切に選べば大丈夫です。むしろ天気さえ良ければ、汗だくになる夏よりも冬山の方が登りやすかったりするんですよ。
そうなんですか!ちなみに石川県で言うとどのへんがおすすめですか?
大平さん
医王山や獅子吼高原といった標高1,000m前後の低山。まずは地元から近い場所から始めるのが良いと思います。
そのほかに心がけておいた方が良いことはありますか?
大平さん
季節に関わらず「早出早着」が登山の原則。低山であれば朝一番に出発して、途中で休憩を挟んだり、頂上付近でゆっくりしても、お昼すぎには戻って来られます。
天候の悪化や怪我など、予期せぬことが起こる可能性もあります。予定よりも早め早めに行動することで、少しでもリスクを減らすというわけですね。
大平さん
はい。とくに積雪がある場合は、人の通過や気温の上昇によって道がどんどん悪くなるので、なおさら「早出早着」を心がけたいところですね。
モルゲンロートでは、講習会やツアーなども定期的に実施している(提供:モルゲンロート金沢店)
それでは最後に大平さんが考える、冬の低山ハイクの魅力を教えてください!
大平さん
四季折々の景色が楽しめるのが登山の醍醐味。とくに北陸は雪が降るので同じ山とは思えないくらい表情がガラリと変わります。これは雪の降らない地域では味わうことのできない、北陸ならではの魅力。春や秋と比べて人も少ないので、静かな山歩きをしたい人にもおすすめですね。
目の前に広がる白銀の世界。想像するだけでテンションが上がりますね〜。本日はありがとうございました。
大平さん
ありがとうございました!
石川県の自然を満喫するにはもってこいの冬山ハイク。必要なものをしっかりと揃えて注意事項を守れば初心者でも問題なし、とのことでまずはひと安心。せっかくなので正月休みはご来光を浴びに、低山ハイクに挑戦してみたいと思います!
モルゲンロート金沢店
金沢市近岡町358
TEL. 076-214-8461
営業時間/12:00~20:00(土日祝は〜19:00)
定休日/火曜日
駐車場/あり
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)
よろしくお願いします!まずは服装から。なにを着ていけば良いですか?
大平さん
一番下に着るベースレイヤーは、吸水性と速乾性に優れたものがおすすめ。寒さ対策として保温性が必要なのはもちろんですが、動いている間に汗をかくので速乾性がないと、生地に付着した汗が体を冷やしてしまうんです。
なるほど〜。
大平さん
2番目に着るウェアのおすすめは、化学繊維を中綿に使った「アークテリクス」のアトムシリーズ。保温性だけでなく汗抜けも良いので、行動中に着るウェアとして最適なんです。
デザインも良いので普段使いできそうですね。
大平さん
汎用性の高さも魅力で、アウトドアシーンやデイリーユース、登山ではミッドレイヤーから単体までマルチに使えます。ちなみに低山でも風が吹くと相当寒いので、薄手のダウンや防水のレインウェアなども携帯しておくと安心ですよ。