子供にウケる、大人もハマる。マアサの紙芝居、はじまるよ〜！

いえ、全然。最初の頃は赤面しながら棒読み状態でした

もともと人前に出るのが得意ではなくて。でも慣れていくうちに、抑揚をつけたり、感情を入れたり、工夫するようになって。今はもう紙芝居をしながら子供たちと会話したり、台本にはないようなことも話したりできるようになりました

見ている子どもたちが楽しければ、すべてを読まなくてもいいと思っているんですよ。嫌なものを無理やり読み聞かせても、どうにもなりませんからね

ありがとうございます。自分では子供の頃からイガイガな声がコンプレックスだったんですけど、おばあさんとか魔女の声を出すときにそれが生かされてるので、今ではすごく助かってますね

もともと長女が通っていた学校で、子どもたちに読み聞かせをしてたんです

それが、そういうわけでも

じつは長女が小学生のとき、ちょっとしたケンカをきっかけに同じ学校の生徒からイジメを受けるようになって。先生には「学校でなんとかしますから」って言われたけど、ずっとヤキモキしながら生活していたんです

そんな矢先に、学校が子どもたちに本の読み聞かせをする図書ボランティアを募集していることを知って。「私が学校にいる時間だけでも娘が安心して過ごせれば」と思って、すぐに応募したんです

そのときは娘を守るのに必死で。娘がいじめられていないかを監視しに、週に何回も学校に本を読みに行ってたんですよ

学校側の配慮もあって、いじめ自体はボランティア活動の間に改善されて、ホッとしました

はい、今ではみなさんと学びの時を過ごせて良かったなぁと思ってます

能登半島沖地震が起こった後ですね

はい。その頃には娘も小学校を卒業して、図書ボランティアはしていなかったんですけど、当時通っていた図書館の館長さんが「好きな時間でボランティアしてみませんか？」と声をかけてくださって。お話し会や手遊び、絵本の読み聞かせと色々するなかで、なぜか紙芝居をいいねって言ってくれる人が多かったんです

そうですね。読み聞かせは「抑揚をつけずに読むのがセオリー」らしくて、図書ボランティア時代は先生方に「もっと淡々と読んでほしい」と注意されることもありました。紙芝居はそういった抑揚や調子によって、聞き手の感覚を刺激する演出が大事。私はそういったところで紙芝居が合ってたのかもしれませんね

既製品の紙芝居はもちろん素晴らしいけど、自分の考えとは違う部分もあったりします。それに違和感を覚えるようになってしまったというか。自分なりのメッセージを伝えたいと思い始めたんです。

それが自分でも不思議で。まず「こんなことを伝えたい」というのがテーマとしてあると、頭の中に絵が浮かんでくるんです。それを描いていくと絵が語ってくれるというか、どんどんセリフが浮かんできて、そこから具体的な話ができあがっていくんです

そうなんですよ。だから舞台となる場所や登場人物の名前や性格も、紙芝居が出来上がったあと。絵から始まる物語も楽しいもんですよ〜

いえ、最初の頃は頭の中のイメージを絵で表せないジレンマがありました

自分の思った通りにメッセージを絵で表現できるようになったのは、画家の中西真三さんに絵を習うようになってからですね。先生のアドバイスによって気づくことが多くて、絵を描くことが楽しくなっていったんです。その頃から、文字にこだわったり、音楽をつけたり、自分ならではの見せ方を考えるようになりました

たくさんの人が同じ空間で物語を共有できることですね。現実の空間に私の作品が広がって、みなさんの共感によって、物語が育まれていく。そんなところに魅力を感じます

一方通行ではない会話ができるのもライブの良い所。機会がありましたらぜひ遊びに来てくださいね