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海が見える醸造所『ハイディワイナリー』へ大人旅行。醸造所見学ツアー & 試飲を体験

週末、大人が楽しめるちょうど良い出かけ先はないかな?

と探していたところ、奥能登・輪島市門前町にある『ハイディワイナリー』を見つけた。

 

ここは、2012年にできた新鋭のワイナリー。高台の丘の上に醸造所とカフェレストランがあり、丘の斜面に沿ってぶどう畑が一面に広がっている。

 

どこかヨーロッパの趣を感じさせるワイナリー。目前には水平線が広がる。

 

オレンジ屋根の建物には、カフェレストランとワインショップがあり、能登の海の幸、山の幸とともに醸造ワインが楽しめる。

また、訪れる前日まで予約をすると、ぶどう畑と醸造所の見学ツアーと、試飲体験ができるというので、参加することに。

ワイン作りを醸造家に聞く

 

案内してくれたのは、ワイナリーの代表で醸造家の高作正樹さん。この海の風が吹き抜けるワイナリーの発起人と一緒に、ぶどう畑と醸造所を巡っていく。

 

風通しの良いぶどう畑。こちらでは除草剤や化学肥料を使わず栽培。苗木を植えてから収穫までは2年半の歳月がかかるという。

 

現在、こちらのワイナリーで栽培している品種は、メルロー、カベルネソーヴィニョン、プティヴェルド、ソーヴィニョンブラン、シャルドネ、セミヨン、アルバリーニョの7品種。

 

ツアーは、参加者との対話形式。

「せっかくこの場所まで足を運んでいただいたので、参加された方からの質問にはすべてお答えするようにしています」と高作さん。

 

ちなみに『ハイディワイナリー』のハイディとは、高作さん自身が醸造家としての出発点となったスイスに関連。作家ヨハンナ・ シュピリの児童文学「アルプスの少女ハイジ」がもとになっている。

赤ワイン、白ワインができるまで

 

醸造所へ入ると11基のタンクがあり、辺りにふんわりとワインが香る。10月に収穫を終えたばかりで発酵中というワインが並んでいた。

 

白ワインになるぶどうは、果汁だけを絞り出しタンク内で発酵。赤ワイン用のぶどうは、果皮や種ごとタンクの中で発酵させたのち、沈殿した澱を取り除いて、料理と相性の良い辛口ワインに仕上げていく。

 

仕込みの作業は12月くらいまで続けられ、ぶどう本来の味わいをひき出した芳醇なワインになる。

 

醸造所の奥には樽が並び、ここで室内の温度管理をしながら樽熟成が行われる。

 

ツアーの案内をする高作さん。国内のぶどう農家とワイナリーで栽培を学び、フランスブルゴーニュのワイナリーで醸造を学んだ若き醸造家。

 

また、スパークリングワインは北陸で唯一という「瓶内2次発酵」という伝統的な手法で製造。瓶の中でおよそ45日間かけて発酵を促すことで、炭酸ガスが少しずつワインへと溶け込んでいく。手間も時間もかかる方法だが、グラスへと注いだ瞬間に、細かくエレガントな泡が立ち上がるのだとか。

 

瓶を逆さにして発酵。泡の持続力も長く、口当たりの良いワインに仕上がる。

 

訪れる時期によって醸造所の作業内容が違うため、その時々で異なるワイナリーの風景を目にすることができるこの見学ツアー。

ここまでの所要時間は、およそ30分。

知識を深めたところでそろそろ、美味しいワインを味わってみたくなってきた。

ツアーの最後にテイスティング

 

ツアー終了後は、カフェレストラン内のカウンターで試飲。

フルーティで飲み心地の良い「禅の里スパークリングわいん」スパイシーでふくよかな味わいの「相承」重厚的でありながらバランスに優れた「千里」など、気になる銘柄をテイスティング。

 

海を眺めながらワインを楽しむ贅沢な時間をすごす。

 

先ほど醸造所で出会ったスパークリングワイン。グラスの中でシュワシュワと泡が弾ける。

 

ツアー参加者は気になる2種類のワインが試飲でき、そのほか1杯250円というワイナリー価格で追加オーダーが可能。気軽に飲み比べられる。

 

カフェレストランでは、クロワッサンサンドやラクレットのカジュアルなランチプレート、前菜に始まるランチ、ディナーコースなど、地の食材を盛り込んだ料理とワインとのマリアージュが楽しめる。

 

レストランからはこの眺望。能登の自然、料理、ワインが調和する空間。

お気に入りをお土産に

 

冬は能登の厳しい寒さに耐えながら、春夏になると太陽の光をたっぷりと浴び、潮風に心地よく揺れて育つぶどう。そこから作り出されたワインは、赤ワイン、白ワイン、ロゼ、スパークリングと全部で18銘柄。

 

時期によって多少の変動があるものの、カフェ内にある販売コーナーには『ハイディワイナリー』の全ての種類が揃う。こちらでも、気になるものがあれば1杯250円で試飲することができるので、お気に入りを発掘してみよう。

 

お土産や自宅用にワイン選び。2,420円〜。

 

磯の香りや塩分、海のミネラルを含んだ奥能登らしいワイン「千里」3,500円。

 

お隣には、ホテル「ビュー・サンセット」や温泉施設「じんのびの湯」周辺には「まれ」の舞台になった「間垣の里」もあり、能登を満喫。

非日常的で、旅行気分に浸れる大人の休日。一度足を伸ばしてみてはいかがでしょう。

 

ハイディワイナリー

石川県輪島市門前町千代31-21-1

TEL.0768-42-2622

営業時間/10:00-17:00(ワインショップ)

11:30〜16:30、17:30〜19:30(レストラン)

見学と試飲/開催時間11:00、12:30、14:00、16:30

所要時間/30分

料金/1,000円(見学と試飲)、500円(見学のみ)

定休日/火曜日

席数/カウンター8席、テーブル48席、テラス4席

駐車場/15台

※この情報は取材時のものです。

 

(取材・文/森内幸子、撮影/林 賢一郎)

 

 

 

 

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