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虫注意!未来の食糧危機に備えて「スーパーコオロギおつまみ」を試食してみた

今、ハリウッドセレブの間で「昆虫食」が流行っているらしい。ニコール・キッドマンは生きている虫をフルコースで味わい、アンジェリーナ・ジョリーは息子たちとタランチュラにかぶりつく。「金持ちの悪趣味」と訝しむ人もいるけど、彼女たちは決してゲテモノ志向があるわけでない。養殖しやすく貴重なタンパク源となる昆虫は、深刻な食糧危機が予測される未来のスーパーフードとして世界中で注目されているのだから。

 

フタホシコオロギ。食用ではない。

肉がなければ虫を食べればいいじゃない!

そんなわけで向かったのが、白山市にある『石川県ふれあい昆虫館』。どうやらここでは「スーパーコオロギおつまみ」という、謎のスナックが売られているらしい。

 

コオロギといえばグラム当たりのタンパク質の含有量が牛肉以上とも言われ、必須アミノ酸やオメガ3などの栄養素も豊富。同量の牛肉生産時に比べて、コオロギは4分の1の飼料で飼育が可能で、CO2の排出や水の使用量が軽減できる環境に優しい食材として、国連からも推奨されているそう。

 

まさに昆虫食デビューにぴったりの食材。アンジェリーナ・ジョリーが「まずはコオロギから始めるの。コオロギとビールね。そうしたらタランチュラもいけるわよ」と子供たちを励ましていたから間違いないはず。

 

というわけで『石川県ふれあい昆虫館』に到着した。

 

ちなみにここ『ふれあい昆虫館』は、金運神社で有名な「金劔宮」と目と鼻の先。ついでに足を伸ばすのもおすすめ。

「金劔宮」の記事も読んでみる。

ナッツや甲殻類に似た味と食感。星ひとつです!

館内にある物販コーナーで「スーパーコオロギおつまみ」を販売するようになったのは7月中旬のこと。最初の仕入れ分はあっという間に売り切れ、夏休み中に300個以上も販売したという。味付けはガーリック、ピザ、カレー、ワサビの4種類。おつまみというだけあって、ビールとのペアリングを意識しているようだ。

 

ちなみに筆者は大の虫嫌い。「世界人口の3分の1の人たちは昆虫を食べる習慣があるんだ」「日本にだってイナゴの佃煮や蜂の子があるじゃないか」「こんなとこで躓いていたらベア・グリルスに笑われる」と自己暗示をかけることで、ようやく実食することができた。

 

物販コーナー。

 

スーパーコオロギおつまみ各350円。

 

味の感想はずばり「美味しくはないけど、食べられないこともない」

 

形容するなら揚げすぎたエビフライの尻尾といった感じ。しっかりとローストしているので臭み自体は少ないけど、それでも独特の後味が口の中に残ってしまうのが難点。

 

旨味成分のグルタミン酸が昆布の33倍も含まれているそうだけど、やっぱり虫は虫。かろうじてワサビ味だけは美味しく食べられたけど、苦くて臭いつまみを食べながら苦いビールを飲んでいると、なんだか泣けてきた。想像していたよりコオロギのサイズが小さかったのが唯一の救いだったかもしれない。

 

もちろんこの苦味と風味が良いんだという人もいるので、食べる人を選ぶおつまみだということだけ付け加えておく。

 

直径は1センチほど。

ガチの昆虫マニアも納得する本格的な昆虫博物館。

今回、訪れた『石川ふれあい昆虫館』をちょっとおさらい。日本海側最大級ともいわれるこの本格的な昆虫館では、世界中から集めた昆虫標本を公開するほか、実際に生きている昆虫を間近で観察できる「むしむしハウス」や、約1,000匹の蝶を一年中観察できる「チョウの園」など、さまざまな角度から昆虫を展示。昆虫運動会などのユニークな企画展も人気を集めている。

 

約1,600種類の標本がずらり。

 

石川線鶴来駅から徒歩15分。白山麓の自然を感じながら、ハイキングがてらに足を運ぶのもありかもしれない。

 

 

石川県ふれあい昆虫館
石川県白山市八幡町戌3
TEL.076-272-3417
営業時間/9:30~17:00(11〜3月は16:30閉館)
定休日/火曜日(祝日の場合は翌休)
駐車場/72台

※こちらの情報は取材時のものです。

 

(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)

 

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