【頑張れ北陸新幹線】昭和ノスタルジー『カフェかがやき』で鉄道愛を叫ぶ
全国に200万人いるといわれる鉄道ファン。鉄道撮影を趣味とする撮り鉄から、列車に乗ること自体を楽しむ乗り鉄、さらには鉄道模型のコレクターまで、楽しみ方はそれぞれ。最近ではモデルの市川紗椰やSKE48の松井玲奈をはじめ、女性の鉄オタ(通称:鉄子)も増えていて、数あるオタク文化の中でもすっかり市民権を得た印象がある。
カフェかがやきの入り口。
鉄道にまつわるアイテムや写真を展示するカフェ
金沢市東力で『カフェかがやき』を経営する西脇恵さんは、鉄ちゃん歴70年超の大ベテラン。全国規模の鉄道愛好家団体「鉄道友の会」の北陸支部長を歴任するなど、プロの鉄道業者からも信頼される筋金入りの鉄道マニアだ。
カフェでは、実際に使われていた列車のヘッドマークなど、数百点の鉄道グッズを展示。これらはすべて西脇さんのコレクション。駅の案内板だったり、切符ばさみだったり、廃線になった路線の記念品として配られたレール文鎮なんかも大切に飾られている。
時代を変遷を感じるアイテムの数々は、鉄道管理局や関係者から譲り受けたものばかり。一円もお金をかけていないのが自慢で「雷鳥のヘッドマークを譲り受けたときは公にしてはいけないって言うから、毛布にくるんで隠れるように持ち帰った」なんて逸話も残されている。展示は2ヶ月ごとに入れ替えるそうだ。
店主の西脇 恵さん。
使い込まれた車掌の道具。
雷鳥のヘッドマーク。
雨ニモマケズ、撮り貯めた写真は3万枚
壁に飾られた鉄道写真は西脇さん自身が撮り貯めたもの。なんと、これまで撮影した鉄道写真は3万枚以上。1967年に廃線になった市内電車など、子供の頃から大好きだった鉄道を長年かけてフィルムに納めてきた。なかには1962年の三八豪雪で立ち往生する金石線の車両など貴重な写真も。これらは昭和の鉄道史を語るための貴重な資料として、研究者からも注目されている。
懐かしい市電の写真。
リアルな鉄道模型も西脇さんが製作している。設計から完成まで数ヶ月。力作揃いの模型は実際に走らせることもできる。お店の中をぐるっと一周させるのが夢なんだそう。
リアルな鉄道模型。
テーブル席には名車「雷鳥」の座席を転用
カラフルな駅弁の包み紙も展示する。ひとくちに包み紙といっても、風合いのある紙に刷られた版画など、その土地の特色が表れているものばかり。パッケージだけ見てどこの駅の弁当か考えてみるのも面白い。コレクションは300枚以上。そのほとんどが実際に西脇さんが食べて持ち帰ったものなんだとか。
個性的な駅弁の包み紙。
自慢のコーヒーは、市内の焙煎所が特別にブレンドするオリジナルの味。手作りのブランデーケーキとの相性もばっちりだ。特急「雷鳥」で使われていた座席のフィット感もじつに心地が良い。狙いどきはランチタイムを外した午後のひととき。西脇さんの語録に耳を傾けながら、鉄道の魅力を存分に堪能してほしい。
カフェかがやき
石川県金沢市東力1-51
TEL.076-292-1414
営業時間/10:00~17:00
定休日/日曜、祝日
席数/カウンター4席、テーブル8席 ※全席禁煙
駐車場/5台
※こちらの情報は取材時のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)