対人スキルが身につくかも?「北陸人狼村」のゲーム会に参加してみた
こんにちは、ヨシヲカです。
ガキの頃からファミコンよりもボードゲーム派。大人になった今でも仕事をサボってはボドゲアプリで一喜一憂しているわけですが、ここ10年来ハマっている物のひとつに「人狼ゲーム」というのがあります。
人狼ゲームとは、村人陣営と人狼陣営に分かれたプレイヤー達が、それぞれの陣営の勝利を目指して戦うテーブルトークRPGのこと。村人陣営は議論を通してだれが人狼なのかを推理し、人狼陣営は正体を隠しながら巧みな嘘によって村人を追い詰めていきます。
今回は、そんな人狼ゲームがワイワイ楽しめる『北陸人狼村』に参加してきました。
北陸3県から人狼ファンが集結!
というわけで、さっそく会場の「白山市労働会館」に到着。JR松任駅から徒歩圏にあるので、車を持っていない人でもアクセスしやすいのがいいですね。参加費は1,000円でした、安っす。
ちなみに先ほどハマっているとは言いましたが、もっぱらの見る専で実際にプレイするのは今回で2回目。果たしてゲーム会に参加するような猛者たちの思考についていけるのか、若干の緊張と不安を感じています。
こちらは村長の小川誠さん。おもにゲームマスターとしてルールの説明やゲームの進行などを行いながら、ときには一緒に遊び、盛り上げ、参加者に人狼ゲームの魅力を伝えています。
『北陸人狼村』が開催されるのは今回で75回目。コロナ禍でしばらく開催できない期間はありましたが、現在は月イチペースで行われているそうです。
ゲームを始める前に、14名の参加者がそれぞれ自己紹介を行います。富山から参加した”おむらいす”さん(写真左)をはじめ、県外から駆けつけた人狼ファンもチラホラ。親子連れで訪れる人もいて、会場には和気あいあいとした雰囲気が漂っています。ちょっとひと安心。
自己紹介が終わったらさっそくゲーム開始! 常連さんを中心に議論が進められていきます。ちなみにこのとき僕が引いたのは「恋人」というカード。もうひとりの恋人と力を合わせて村人陣営を勝利に導くというミッションが課されています。
細かいルールは割愛しますが、人狼ゲームは昼と夜の2つのターンが繰り返され、最終的に狼が全滅する(村人陣営の勝ち)か、村人と狼の数が同数になった(狼陣営の勝ち)時点でゲームが終了します。
村人に加えて占い師、霊媒師、狩人などの役職者の力を借りながら村人は推理を進めていくのですが、狼陣営も「自分が本当の占い師だ」なんて嘘をつくもんだから、だれが本当のこと言っているのか村人たちは常に疑心暗鬼の状態。そうしたなかで自分が疑われないように潔白を証明しながら、狼を投票によって処刑しなければいけないのです。
こちらは投票の様子。議論がめまぐるしく展開されるため、僕のような初心者はすぐに頭の中が混乱してしまいますが、正しい推理に辿り着いたときの爽快感は格別。ドーパミンが脳内を駆け巡り、ドヤ顔が止まりません。
さて、このゲームですが、僕は初日の夜に狼陣営から襲撃されてしまい、残念ながら村から早々に離脱。結果は村人陣営の負けでした。その後4戦して、約4時間におよぶゲーム会は終了。最初は上手くプレイできるか不安でしたが、上級者の人たちがフォローしてくれたおかげで楽しく遊ぶことができました。
【広告】ボンノに広告を出してみませんか?ただいまキャンペーン実施中!
「北陸人狼村」の村長さんにインタビュー!
舞台に立つ13名の俳優が言葉を尽くし、千変万化の物語をアドリブで紡ぐ「人狼TLPT」。様々なステージがDVD化されている。
TLPT面白いですよね〜。ちなみにそれまでにも人狼ゲームをプレイする機会はあったんですか?
小川さん
いいえ。人狼TLPTにハマったのと同じ時期に「人狼ルーム」というお店が東京の渋谷にオープンしたんです。そこに人狼TLPTの役者さんがプライベートで遊びに来ると聞きつけて、参加したのが初めてでした。
そのときに実際にプレイする面白さを知ったわけですね。
小川さん
そうですね。ミーハー心で役者さんと遊びたいと思って足を運んだ結果、まんまと人狼ゲームにハマってしまいました。
小川さんってどこに住んでいるんですか?
小川さん
えっと、魚沼市です。
魚沼市って、新潟県の!?
小川さん
そうです。
新潟から渋谷まで通っていたんですか…。
小川さん
人狼ゲームをプレイしていると時間が過ぎるのがあっという間なんですよ。本当はもっと通いたかったんですけど仕事もしているので。
それにしても新潟に住みながら、どうして石川県で人狼会を開催するようになったんですか?
小川さん
もともと北陸で人狼ゲームを広めたいという方いらっしゃって、僕はその方のお手伝いをしていたんです。
それを今現在も受け継いでいると。
小川さん
そうですね。北陸人狼村が始まってもう10年になるけど、いろんな人たちの支えがあってここまで続けて来られたと思っています。
そうなんですね。
小川さん
とくに人狼ルーム代表の児玉健さんには色々と助けていただきました。
児玉さんって、けん玉パフォーマスコンビの「ず〜まだんけ」のコダマンのことですよね?僕も大好きなんですよ。
小川さん
そうなんですか。児玉さんは北陸に人狼ゲームを普及させるために、コロナ前までは定期的に北陸人狼村に足を運んでくれていたんです。
コダマンと一緒に人狼できるとか最高ッスね。
小川さん
児玉さんがゲストに来られたときは参加者も多くて、100人以上集まったときもありましたね。
児玉氏が主宰する「ドイツゲームスペース@Shibuya」の人狼カード。様々な役職が描かれたこのカードを参加者に配るところから人狼ゲームが始まる。
小川さんは人狼ゲームのどこが好きですか?
小川さん
う〜ん、たくさんあるけど非日常的な所ですかね。
ふむふむ。
小川さん
リアルな世界では、嘘をついたら怒られるじゃないですか。でも人狼ゲームでは上手に嘘をつくと褒められるんですよ。自分の嘘によって狼陣営を勝利に導いたり、嘘を見抜いて狼を全滅させたりしたときの楽しさは、日常では味わえませんからね。
騙す側と推理する側で楽しさも違いますよね。
小川さん
僕が人狼TLPTにハマったのは、舞台でありながらそれぞれの役者さんの人間性が垣間見えたからなんです。それくらい真剣にプレイされているのが伝わってきて。人間性が露わになるのも人狼の面白い所ですね。
人狼ゲームをやっていて良かったと思うことはありますか?
小川さん
会話をしなければ成立しないゲームなので、昔よりもコミュニケーション能力が身についた気がします。
たしかに人狼って、論理的思考に長けているだけじゃダメで、相手に分かりやすく伝えるスキルも求められますもんね。
小川さん
それにプラスして、聞く力も試されます。
たしかに。僕はそのへんが苦手で、どうしても「自分は怪しくない!」って感情が抑えられず、ついつい弁明したくなってしまいます。
小川さん
普段物静かな方がゲームが始まると感情を表に出して議論されたするのも、真剣にゲームを楽しんでいるからこそ。必要に応じて終わった後にフォローをすれば、なにも問題ないと思っています。
人狼ゲームをコミュニケーションや心理学の観点から紐解いたトレーニング本。小川さんお気に入りの一冊。
人狼ゲームってどうしたら上手くなるんですか?
小川さん
う〜ん、正直僕はそこまで上手くないんですけど、とにかく遊び倒していろんな経験をするのが一番ですね。上手くいかなかったことに腐らず、一人だけでなく遊んだ人ともゲームを振り返って、次の機会に違った方法を試すトライアンドエラーを楽しめたら、自然と上手くなってるかもしれませんね。
最後に今後の予定を聞かせてください!
小川さん
3月はどうしても都合がつかなくて、直近のゲーム会は4月30日となっています。それと5月20日にはゲストをお招きしたイベントも予定しています。そのほか福井でも北陸人狼村Rとして月イチペースでゲーム会を開催しているので、興味のある方はぜひ遊びに来てくださいね!
コミュニケーション能力や論理的思考が養えるツールとして、ビジネスシーンでも注目されている人狼ゲーム。実際に僕自身も参加してみて、自分の意思を相手に伝えることの難しさを実感したと同時に、相手の話に耳を傾ける大切さも再確認することができました。
いつか石川県に人狼ルームのようなスペースができることを願って、これからも北陸人狼村の動向を見守っていきたいと思います。
(撮影/林 賢一郎)
いや〜、楽しかったッス!
小川さん
良かったです。今日は初めての方が何名かいらっしゃって、こちらも見ていて面白かったです。
状況がつかめなかった時も、上級者の方たちが分かりやすく説明してくれたので助かりました。
小川さん
そうですね。そこは一番こだわっている所で、人狼ゲームに精通している常連さんたちの間でも、参加者全体のレベルに合わせて「楽しくゲームをする」というのが共通認識としてあるんですよ。
初心者でも失敗を恐れることなく、気軽に参加できるのはうれしいですね。
小川さん
僕は人狼ゲームに上手下手はないと思っていて、経験の有無に関わらずそれぞれの推理によって導き出された結論は尊重されるべきだと思っているんです。
ふむふむ。
小川さん
それが当たったり外れたりというのは経験の差が出るけど、そもそも人狼は味方同士が協力し合うゲームなので、慣れている人が自分のレベルを下げてでも初心者に寄り添うべきなんですよ。
小川さんが人狼ゲームにハマったのはいつ頃ですか?
小川さん
今から10年ほど前に、東京にいる友人から「人狼ゲームを題材にした演劇があるから一緒に舞台を観に行こう」って誘われて。それがものすごく面白くて、一気にハマっちゃいました。
もしかして「人狼TLPT」ですか?
小川さん
そうです。こんな風に推理できたら気持ち良いだろうなと思って。演劇といってもゲームの部分には台本がないので、役者さんは真剣に推理されているんですよ。