木倉町ワインバーの美人ママに聞く、ちょっぴり大人なワインの嗜み方
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おうちイタリアンに激ハマりして以降、ワインを飲む機会が増えた筆者。でも、ワインの世界は奥が深すぎて、まだまだ半分も楽しめていない気がするんですよね。そこで今回は、BONNO連載コラム「艶言葉」でお馴染みの裕子さんが経営する金沢木倉町のワインバーを突撃。ちょっぴり大人なワインの嗜み方を教えてもらいました。
ホスピタリティあふれる武家屋敷近くのワインバー
訪れたのは金沢市木倉町にある「Sankaku」。今年初めにオープンしたワインとおばんざいのお店です。経営するのはソムリエの資格も持つ裕子さんと、その裕子さんが敬愛するあきさん。ともに片町の老舗クラブでホステスとしてしのぎを削り合った仲。息のあったコンビネーションときめ細やかなホスピタリティには定評があります。
ワインは品種や産地を問わず、幅広くセレクト。ときには希少性の高いワインが限定入荷されることもあります。
ワイン以外ではビールや焼酎、ジン、ハブ酒なども取り揃えている(写真提供:Sankaku)。
ソムリエの資格をとったのはいつ頃ですか?
裕子さん
2021年。コロナ禍の真っ只中ですね
どうして取ろうと思ったんですか?
裕子さん
コロナの影響で自宅で過ごす時間が増えて、今なら勉強できるかもと思ったんです
なるほど
裕子さん
それまでもソムリエの友達に勧められてはいたんですけど、以前産業カウンセラーの資格を取ったときにすごく大変な思いをして。もう勉強はしたくないと思っていました
どれくらい勉強をしたんですか?
裕子さん
とにかく朝起きたら教本を開いて、お風呂では過去問を解き、運転中は過去問をリスニングして、トイレには暗記用の紙を貼って。もう夢にまでワインが出てくるくらい勉強しました(笑)
実際に資格を取ると何が変わりましたか?
裕子さん
やっぱり勉強したことで知識は身についたし、自信にもなりました。でも、今まではただ美味しく飲んでいれば良かったものを、プロとして向き合わなくてはいけないようになって。そういったプレッシャーを感じることはありますね
裕子さんがこれまで飲んだワインの中で、一番美味しいと思ったのは何ですか?
裕子さん
ブルゴーニュのブドウ畑の中で飲んだ、クレマン・ド・ブルゴーニュというスパークリングワインが最高に美味しかったですね
どういう美味しさなんですか?
裕子さん
とてもフレッシュで感動的な味。もちろんブルゴーニュに足を運んで飲んだという気持ちの面もプラスされていますが、ワインはその土地で作られたものを、その土地で飲むのが一番だと思うんです
たしかに沖縄で泡盛を飲むといつもより美味しく感じますもんね
裕子さん
ワインはその土地の気候風土によって造られるもの。同じ地域で造られたワインと食べ物でマリアージュが生まれやすいのもそうした理由があるからなんです
フランス東部に位置するブルゴーニュ地方。ロマネコンティなどを生産する、世界有数のワインの聖地としても知られている(写真
提供:Sankaku)。
それではここからは、ワインの時間をランクアップさせる「ちょっぴり大人なワインの嗜み方」を聞いていきましょう!
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裕子さん推薦!ちょっぴり大人なワインの嗜み方
① 自分のペースでゆっくり飲む
裕子さん
ワインが苦手という方、ビールのようにガブガブ飲んだりしていませんか?ワインはアルコール度数が12〜14%と、ビールの倍以上あります。しっかりお水をチェイサーにしながら、ゆっくりと自分のペースで飲んでみてください
② 食事とのペアリングを考える
裕子さん
好きなワインと相性の良い食べもの、いわゆるペアリングを探してみるのもおすすめです。たとえばブルーチーズと超甘口なデザートワインの相性の良さは有名ですが、そうしたお互いに足りない味覚を補うような組み合わせが意外なペアリングを生むかもしれません。おばんざいなどの家庭料理と「これにはどんなワインが合うかな」といった感じで、気軽に楽しんでみてください
「sankaku」では10種類前後の手作りおばんざいを堪能することができる(写真提供:Sankaku)。
③ 人もワインも個性が大事
裕子さん
よくワインを語るときに「当たり年」などと言うことがありますが、私はこれをその年の個性として捉えています。日照、雨量、収穫時の条件など、さまざまな要素が重なって出来上がるのがワインの味。人間も世代によって雰囲気の違いがあるように、ワインもそれぞれの年代ならではの個性があります。そういった楽しみ方ができるのもワインの面白さですね
④ ワイン本来の熟成を楽しむ
裕子さん
年月を重ねて熟成していくのもワインの魅力のひとつ。決して古ければ良いわけではなく、悪い環境で寝かせれば腐っていくし、良い環境であれば熟成していきます。これも人間の世界と似ていますね。熟成による香りや味の複雑さがわかるようになると、よりワインが楽しくなるはずですよ
⑤ 好きなように楽しむこと
裕子さん
じつはこれが一番大事。所詮ワインは嗜好品。人生を輝かせるためのものなので、それぞれが好きに楽しめばいいんです。氷を入れて飲んでも、赤ワインとお寿司をペアリングしても全然OK。むしろ好きに楽しむことで新たな気づきも生まれます。もちろんワインによって一番美味しく飲める温度や適したグラスはあるので、一番美味しい状態で飲みたい時はソムリエに相談してみてくださいね
以上、裕子さんの「ちょっぴり大人なワインの嗜み方」講座でした。こうやって見ると、今まで敷居の高さを感じていたワインの世界が、グッと近くなった気がしますよね。皆さんもぜひお試しください!
sankaku(さんかく)
住所:石川県金沢市木倉町7-6マルヨシビル1F [地図]
TEL:050-8883-8762
営業時間:18:00〜24:00(月曜は20:00〜)
定休日:日曜、祝日、隔月曜日
Instagram:@sankakukanazawa
撮影:林 賢一郎
裕子さんお久しぶりです。すごく雰囲気があって素敵なお店ですね
裕子さん
ありがとうございます。じつはここ昔は洋服屋さんで、子どもの頃はよく遊びに来てたんですよ
そうだったんですか
裕子さん
思い入れのある場所で好きなものと好きな人たちに囲まれて仕事ができるのって、本当に恵まれてるなって思います
セカンドキャリアの滑り出しも順調そうでなによりです。それはそうと裕子さんはいつ頃からワインに興味を持ったんですか?
裕子さん
20代の後半です。それまでどちらかというとワインは苦手な方だったんですけど、とあるレストランで劇的に美味しいワインと出会ったんです
どんなワインですか?
裕子さん
モンテプルチアーノ・ダブルッツォというイタリア・アブルッツォ州で造られているワインです。すごく美味しくてワインに対するイメージがガラッと変わりました
それくらいのワインだと、やっぱりお高いんですかね…
裕子さん
それが意外とリーズナブルで、お店でも2,000円前後で売られているような銘柄なんですよ
そうなんですか!出会いって大切ですね
裕子さん
そうなんです。自分に合ったワインがどんなものかを知っておくだけでも楽しみ方は広がるので、ぜひ色んな種類のワインに挑戦してみてください