【まとめ】自家焙煎にこだわる北陸のコーヒー屋8選・後編
目次
前回に引き続いて、自家焙煎にこだわる北陸のコーヒーショップを厳選してご紹介。好奇心が挽きたての豆のように膨らみそうな、個性的なお店を集めてみました。
田んぼの真ん中、コンテナから発信『FLAT COFFEE』[富山県・立山町]
富山県中新川郡ののどかな田園風景の中に佇む『FLAT COFFEE』。隠れ家的などこかワクワクさせるコンテナの中に入ると、焙煎機の中でコーヒー豆がシャンシャンシャンと音を立てて回りながら、香ばしい匂いを外まで立ち上らせている。
ブラジルやコロンビアなど7種類の豆と、2種類のオリジナルブレンドから、店主の清田さんがひとりひとりの好みに合わせて焙煎するこだわり。メニューからは同じ豆でも浅煎、中煎、深煎と選べるようになっており、焙煎時間でテイストが変わる豆の個性を楽しむことができる。
立山連峰が望めるのどかな場所にある焙煎所。
現役のミシンやギターが並ぶ、隠れ家チックな焙煎所。
焙煎に使用するのは直火式と、熱風式の間となるタイプの小型焙煎機。一度に作れるのは500グラムまでと少量だが、そのぶん豆の味をダイレクトに出しやすいのだそう。
店主の清田真吾さんが目指すのは、頭で考えずに毎日気軽に飲めるコーヒー作り。敷居の高さを感じないコーヒーをこの場所から発信していきたいという。
豆の回る音や香り、色味など五感をフル稼働して、煎り上がりのタイミングを見計らう。
店主の清田さん。古道具屋で出会った銀杏入りが、自家焙煎を始めるきっかけとなったそう。
客のおよそ7割が注文するという「メガネブレンド」は、まさしくその思いで作った飲みやすい味。オーダーはおもに電話で受付。店内では試飲をすることができ、富山県の滑川市から旧富山市までなら配達もしてくれるそうだ。
焙煎した豆は200グラムと500グラムから選べる。
FLAT COFFEE
フラットコーヒー
富山県中新川郡立山町米沢283
TEL.080-4252-7351
営業時間/8:00~18:00
定休日/不定休
席数/なし
駐車場/あり
※この情報は取材時のものです。
手間を惜しまない正統派コーヒー『チャペック』[金沢市]
金沢でも一二の人気を争う自家焙煎珈琲店『チャペック』。店主の松永茂さんは、焙煎の名匠「カフェ・バッハ」の田口護氏にも従事した経歴の持ち主。
「美味しいコーヒーの前に、良いコーヒーであること」と、いつでも新鮮な豆が提供できるよう世界各国から厳選した生豆を毎日少量ずつ焙煎。ハンドピックによる欠点豆の除去といった細かい作業も1985年の開業以来、欠かさず続けている。
石川県庁の近く。可愛いイラストが描かれた看板が目印。
お湯の温度から淹れるタイミングまで熟練の技が光る。
自家製のスイーツも人気で、とくにクリームブリュレは絶品。注文を受けてからカソナード(赤砂糖)を焼き上げるため表面はカリっ。ほどよい香ばしさとほろ苦さが自家製クリームの上質な甘さを引き立てている。
フランス語で焦がしたクリームを意味するクリームブリュレ。苦味と甘さが相まった奥行きのある味。
チャペック
石川県金沢市西都1-217
TEL.076-266-3133
営業時間/10:00~19:00
定休日/火曜日
席数/カウンター7席、テーブル16席 ※全席喫煙可能
駐車場/7台
※この情報は取材時のものです。
自家焙煎珈琲店と私設図書館が合体!『Chomsky coffee&library』[金沢市]
こちらは日々の読書をライフワークとする店主の林さんが経営する、金沢石引のコーヒーショップ『Chomsky coffee&library』。「じつは本屋をやりたかったんです」。そう話す林さんの真後ろの本棚には、サブカルから専門書まであらゆるジャンルの本が2000冊ほど収まっている。
店主の林さん。ノンフィクション系の著書が好きなんだとか。
金沢の名店「チャペック」で修行を積んだ林さんが大切にするのはライブ感。味や香り、会話など、その瞬間のベストをカウンター越しに伝えるのがモットー。コーヒーは丹念なハンドピックと超ミニサイズの焙煎機を使用した少量焙煎により、雑味のないすっきりとした味わいを実現している。
現在はリニューアルのため休業中。9月3日より夜の業務形態を変えて再スタートするそうなので乞うご期待。
心を弾ませるカラフルなコーヒーカップ。ちょっとした計らいがうれしい。
Chomsky coffee & library
チョムスキー コーヒーアンドライブラリー
石川県金沢市石引2-7-2 1F
営業時間/12:00~18:00
定休日/日曜、月曜日
席数/カウンター4席 ※全席禁煙
駐車場/1台
※この情報は取材時のものです。
コーヒーをこよなく愛する工学博士の大発明『ビタルコーヒー』[金沢市]
金沢医王山の麓にある山小屋風の建物が目印。『ビタルコーヒー』は、コーヒー博士として知られる金沢大学名誉教授・廣瀬幸雄氏が開発した水素コーヒーが飲める店。
水素コーヒーとは、焙煎時の熱源に火を使用せず、約500度の加熱水蒸気と水素で焙煎したもの。コーヒー豆の中に水素をたっぷり封じ込めることで、豆が酸化しにくく「冷めても美味しく飲める」のが最大の特徴。酸味が和らいだことで、甘みと苦味がプラスされた「すっきり系」とも称される。
山々に囲まれたのどかな場所。ドライブがてらに立ち寄る人も多い。
ちなみに開発者の廣瀬氏は、破壊力学を専門とする工学博士でありながら、コーヒーにまつわる著書をいくつも執筆。イグノーベル賞を授与した経歴も持つ著名な学者さんだ。
店頭では水素焙煎コーヒー以外にも、こだわりの遠赤外線焙煎豆をいくつも販売している。
こちらが水素焙煎機。ここからコーヒー豆が出てくるのが想像できるだろうか。
ビタルコーヒー
石川県金沢市俵町サ甲8番地
TEL.076-229-0910
営業時間/10:30~16:30
定休日/月曜日
席数/カウンター3席、テーブル14席 ※全席禁煙
駐車場/10台
※この情報は取材時のものです。
※こちらの記事は、2017年11月末発行の『BonNo』vol.64を再編集したものです。増税前の記事により、価格が変動していることがございます。