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おうちで科学。〈銀河通信社の結晶育成キット〉を作ってみた

こんにちは。ライターの吉岡です。

 

石川県内の緊急事態宣言が解除されて約1ヶ月。みなさんはどう過ごしていますか?

 

ようやくあの息苦しい自粛生活から解放されたとはいえ、まだまだパーっと遊びに出るには気が引ける。という人は多いかと思います。

 

ボクもそのうちのひとり。自宅にいながら楽しめる遊びはないものかと、暇さえあればネットサーフィンをしながら面白そうなものを物色しています。

 

そんなときに思い出したのが、以前取材で小立野の雑貨店『Lykkelig』に訪れたときに目に止まった〈銀河通信社〉の結晶育成キット。気になってはいたけど、手間がかかりそうでなかなか手を出せなかった代物。でも、今なら時間はあるしチャレンジできるかも。

 

とりあえず、お店に電話をしてみました。

 

手しごと系を中心に理系雑貨も販売する雑貨店『Lykkelig』

吉岡

「トゥルルル…カチャ!あ、もしもし。宮島さんですか?BONNO編集部の吉岡です」

宮島さん

「ごぶさたしてます〜。どうしましたか?」

吉岡

「あの〜。ちょっと前にお邪魔したときに結晶育成キットというのが置いてあったと思うんですけど、まだありますか?」

宮島さん

「ありますよ。これからの時期、いいですよね」

吉岡

「え?結晶の育成に時期とかあるんすか?」

宮島さん

「ありますよ。結晶の種類にもよるんですけど、気温の変化の少ない今くらいの時期が作りやすいですね」

吉岡

「ほえ〜。ちなみに素人でも簡単に作れるものなんですか?」

宮島さん

「説明書どおりに育てれば、よっぽど失敗することないですね。子どもでも作れます」

吉岡

「こ、子どもでも?」

宮島さん

「夏休みの自由研究として買われる親御さんが結構多いんですよ。大体1〜2週間で完成する結晶の成長過程を日記に付けていくみたいです」

吉岡

「そうなんですね。なんとなくボクにもできそうな気がしてきました。ありがとうございます!」

宮島さん

「がんばってくださいね〜」

 

 

というわけで、早速『リュケリ』のオンラインショップで結晶育成キットを取り寄せてみました。選んだのは〈硝子結晶育成キット〉。上手くいけば緑がかった透明な結晶ができる予定です。

 

用意するものはお湯とタオルと情熱

結晶育成キットを販売するのは、現代アーティスト・小林健二監修のもと、科学と融合したアイテムを製作する〈銀河通信社〉。今回購入した〈硝子結晶育成キット〉以外にも、様々な結晶育成キットや鉱石ラジオなどをリリースしています。

 

値段は2,500円(税抜)。希少なものはもうちょっと高かったりもします。

 

 

イラスト付きの説明書が付属されているので、ボクみたいに科学の知識にうとい人間でも安心して作ることができそうです。

 

 

箱の中身はこんな感じ。

 

・硝子結晶の素(白い粉)
・硝子結晶の素(緑色の液体)
・母岩
・育成容器
・スプーン
・ポリエチレン手袋

 

スプーンはお湯に溶かした結晶の素をかき混ぜるために、手袋は母岩を溶液から取り出すときに使うみたいです。

 

 

これが結晶育成のカギとなる素と石。

 

詳しいことは分からないけど、これだけで結晶が作れるなんて不思議。

 

本当に上手く作ることができるのか。ドキドキしてきました。

 

 

用意するものは沸騰したお湯と、タオル2〜3枚だけ。

 

育成容器を洗剤できれいに洗って、保温のためにタオルをぐるぐる巻けば準備完了です。

 

温度差が少なく、振動のない場所の方が育成しやすいので、あらかじめそういった場所にセットしておくのがベスト。ボクの家には猫がいるのでクローゼットを改造して、結晶育成用スペースを設けました。

 

 

準備が整ったら沸騰したお湯を容器の線のところまで注ぎます。

 

 

そのあとすぐに硝子結晶の素1を全量注ぎ入れて

 

 

スプーンでよくかきまぜて白い粉を溶かしていきます。全部溶けるまでにちょっと時間がかかるけど、根気よく混ぜていればそのうち完全に溶けます。

 

容器から漂うのは「科学してるぜ!」って感じの、独特な匂い。少年時代に好きだった科学実験のワクワクが蘇ってきました。

 

 

完全に溶けたら今度は硝子結晶の素2を入れて、スプーンでよく混ぜます。

 

 

こっちも完全に溶けたら母岩となる黒い石を育成容器のほぼ中央に置きます。

 

 

母岩を入れたらすばやくフタをして、残しておいた保温用のタオルをかぶせます。

 

ひとまず今日のところは作業終了。

 

ここから1週間から10日の間、どういった感じで結晶が育成されていくのか。期待と不安を胸に、眠ります。

 

 

……

 

翌日。

 

説明書に「一日経ったら保温用のタオルを取り除き、フタを外してみます。すると黒い石の上に薄緑色の小さな結晶が付いているはずです」と書いてあるので、容器を開封することにしました。

 

すると…

 

個人撮影

 

なんもできてないやないか!!

 

最悪だ。子どもでも作れるって言われたのに。わしゃ子ども以下か!

 

心配になってネットで調べてみると「お湯を入れ過ぎた」「急激な気温変化」などが原因の模様。うん、たしかに今日の昼は暑かったかも。

 

騒いでも仕方ないので、もう一日様子を見ることにします。

 

 

セーフ!セーフ、セーフ!

 

二日越しで種結晶らしきものを発見できました。あとはこの結晶が育っていくのを見守るだけ…。

 

ではなく、石以外の部分に付着した迷子の結晶を取り除いてあげます。

 

これをお湯に溶かして一日置いたら、次の日に上澄み溶液のみを育成中の容器に足す。そうすることで少しずつ結晶が成長していくようです。

 

 

3日目はこんな感じ。ニョキニョキと結晶が伸びています。これでひと安心。なんとか育成できそうです。

 

 

5日目ともなるとこれだけ伸びてきました。

 

美しい結晶を作るには、毎日観察することが大切。盆栽を養生するように気持ちを注ぐことで、それに応えるように結晶も美しく成長していく」

 

という小林氏の言葉を噛みしめながら、作業を進めます。

 

この日は母石を一旦取り出して容器をきれいにし、溶液の上澄みだけを新たに注いで育成を促しました。

 

そして、さらに3日後。ついに完成したのがコチラ!

 

 

どうでしょう。この神秘的で煌びやかな群晶たち。

 

科学の力が生んだ、世界にひとつだけのデザインのオブジェが完成しました。

 

もっとも長い部分で5センチくらい。縦方向に伸ばしたいときは、途中から細長の容器で育成するといいらしいけど、これでも十分きれいです。

 

 

乱暴に扱うと結晶がパキッと折れてしまうので、取り扱いには注意。

 

100円ショップなどに売ってる透明なコレクションケースに入れて飾ると、ホコリも被らずいつまでも美しい姿をとどめることができます。

 

 

ほかにもこんな宝石みたいな結晶だったり。

 

 

暗い場所で発光する結晶だったり(光ってなくてごめんなさい)。さまざまな種類の結晶を育成することができます。

 

最初は不安だった結晶育成も、終わってみればなんとか成功。作業自体は簡単だけど、毎日目をかけてあげることが大切なんですね。育てるとはなにか、ちょっと分かった気がします。今度は盆栽にでもチャレンジしてみようかなぁ。

 

 

Lykkelig
リュケリ
石川県金沢市小立野1-6-22 メゾンノア1F
TEL.076-262-4511
営業時間/11:00~20:00
定休日/水曜日
駐車場/1台
※こちらの情報は取材時のものです。

 

(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)

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