
オトノイロ|vol.3:振動と光で感じる音楽
「聴こえる」と「聴こえない」の垣根をエンターテインメントで結びたい!石川県出身のスポーツDJ・TOSHIKIが、聴覚障害者への理解を深め、インクルーシブな社会実現を目指すコラムです。
第3回目となる今回は、私が運営している一般社団法人NEIROが進める〈ふるえるスポーツ観戦プロジェクト〉について書いていきます。
プロジェクトの内容を簡単に説明すると、スポーツの試合会場で流れるBGMやアナウンスを振動や視覚効果で表現することで、聞こえない・聞こえにくい方にもスポーツ観戦や応援をより楽しんでもらおうというプロジェクトです。
では振動でどのようにBGM(音楽)を表現するのか?
今回のプロジェクトでは、音を振動と光に変換するデバイス〈Ontenna(オンテナ)〉 という物を使用しています。
現在は私がDJをしているプロバスケットボールチーム〈アースフレンズ東京Z〉のホームゲームでプロジェクトを進めていますが、バスケットボールの応援BGMに合わせてOntennaを振動させ、直感的に音楽のリズムが伝わるようにしています。
また、リズムだけではなく、映像モニターを使って応援のフレーズも視覚的に表現することで、より試合の臨場感や会場の雰囲気を楽しめるよう工夫しています。
まだまだ、完成されたプロジェクトではないですが、今は会場アナウンスの視覚化も実験中です。
私たちの団体の本来の目的は「聴こえる・聴こえない関係なく、同じ空間を楽しむ」場所をつくっていくこと。
このプロジェクトを通して、聞こえない・聞こえにくい方が聞こえる方と一緒になって応援やスポーツ観戦を楽しんでもらえると良いなと思っています。
◯DJ TOSHIKIが「聴く」を考える【オトノイロ】
執筆者プロフィール
DJ TOSHIKI
石川県出身。プロバスケットボールBリーグ「アースフレンズ東京Z」オフィシャルDJのほか、スポーツクライミング、スケートボード、BMX、ボッチャ、パラスポーツのシーンなどでSPORTS DJとして活動。また、聴覚障害を持つ人にも音楽を楽しんでもらいたいと2021年一般社団法人「NEIRO(ネイロ)」を設立。