20種類のスパイスが香るバターチキンカレー|煩悩を断ぜずして咖喱を得るなり #14
辛さを抑えたマイルドな味わいが人気のバターチキンカレー。スパイスで煮込んだチキンとトマトの旨味が相まった、豊かな風味がクセになるスパイスカレーの定番です。
インドの首都デリーでは「ムルグマカニ」とも呼ばれるこのカレー。なんでもタンドリーチキン発祥の店として知られる「モティ・マハル」の創業者が、あまった鶏肉をバターたっぷりのトマトソースと混ぜてみたら奇跡的に生まれたという、東郷平八郎の肉じゃが(※)みたいな逸話が残されているそうですよ。
というわけで今回は、昨年10月に金沢市平和町にオープンした『恵kitchen』のバターチキンカレーを実食してきました!
※ 肉じゃがは、日本の海軍軍人・東郷平八郎がイギリスで食べたビーフシチューを「日本じゃ赤ワインもバターも手に入らんし、醤油と砂糖で再現してみてや」と、部下に無茶ぶり作らせた料理が原型とされている。
恵kitchen
スパイスカレーをもっと身近に!
昨年秋にオープンした『恵kitchen』。場所は、平和町のテナント「ニューアルコ」のすぐ隣。駐車場は目の前に1台分のスペースがありますが、ニューアルコの駐車場を使っても良いそうです。
外壁からも想像できるように、お店の中は白を基調とした清潔感あふれる空間に。カウンター4席の奥に、テーブル卓が3つといったレイアウトになっています。
地域の人が安心して通えるようにと、店内は常に清潔感を保ちながらコロナ感染対策もしっかりと行っている。
「もっと気軽にスパイスカレーを楽しめるお店を目指しています」と話すのは、店主の中山恵太さん。
カレーの味わい、店内の雰囲気、中山さんの人柄など、気軽に楽しめる要素はいくつかありますが、なかでも目を引くのがその価格帯。定番のチキンカレーが580円、それ以外のメニューもほとんどが600円台と、一般的なスパイスカレーと比べてかなりリーズナブルな設定となっています。
そこで気になるのは味の方。それではさっそくバターチキンカレーを注文してみましょう!
毎日でも飽きない美味しさ
バターチキンカレー 680円
いいですね〜。シンプルでてらいのないこの感じ。
カレールウの上にかけられているのはバターソースとミルクソース。ターメリックライスのお米は、日本人の味覚に合わせて石川県産のゆめみづほを使用しているそうです。
さてさて、お味の方は?
うん、美味しい!
気軽に楽しめるスパイスカレーとはいっても、味はしっかり本格派。なんと20種類ものスパイスを配合しているそうで、バター、ナッツ、トマト、チキンなどの旨味が一体となった濃厚な味わいの中にも、スパイスの複雑かつ奥深い風味をしっかりと感じとることができます。
ライスは普通盛り220gとなかなかのボリューム。少食の方やダイエット中の方には小盛り(180g・50円引き)がおすすめかも?
糖質オフで体にも優しい!
ポイントは小麦粉を一切使用していないこと。そのためサラりとした舌触りで、とにかく食べやすい!グルテン化した小麦粉による胃もたれを防いだり、糖質オフでヘルシーだったりといったメリットもあります。
サラりとしながらもとろみを感じる理由は、一皿あたり丸々1個の玉ねぎを使っているから。原型を失うほどじっくり炒めた玉ねぎの風味を余韻として残しつつ、バターやナッツのそれとは違った優しい甘さを感じさせてくれます。
3時間ほど煮込んだチキンは、軽くスプーンを入れただけでほろっと崩れるやわらかさ。
味に変化を加えたいときは卓上のフライドオニオンやチリペッパーを。
どこか懐かしい味のする自家製ラッシー。セット200円。
バターチキンカレーのほかにも、定番のチキンカレー、トマトカレー、ほうれん草カレー、チキンと根菜のカレー、さらに期間限定メニューが楽しめる『恵kitchen』。
ちなみにこちらはカレー専門店ではなく、ほかにも熟成肉ステーキやハワイアンポキなども提供。全品テイクアウトに対応しているそうなので、巣ごもりランチに活用してみてはいかがでしょうか。
恵kitchen
ケイキッチン
石川県金沢市平和町2-13-10
TEL.076-227-8075
営業時間/11:00〜22:00
定休日/不定休
席数/カウンター4席、テーブル6席
駐車場/あり(1台+共用)
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため2月20日まで時短営業を実施中
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)