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音声の見える空手道大会|DJ TOSHIKIのオトノイロ #06

「聴こえる」と「聴こえない」の垣根をエンターテインメントで結びたい!スポーツDJとして活躍するDJ TOSHIKIが、聴覚障害者への理解を深め、インクルーシブな社会実現を目指します。

 

スポーツをするうえで、音声の情報はとても重要です。試合中に審判のホイッスルやブザーの音が聞こえない、チームメイトとの試合中のコミュニケーションが取りづらいなど、聞こえないということで不利になることやパフォーマンスに支障をきたすことって意外とあるんです。

 

全日本ろう者空手道連盟が開催する「音声が見える空手道大会」では、子供から大人まで、聞こえる・聞こえないに関係なく出場できる空手大会として毎年行われています。

 

では、聞こえる方と聞こえない方が試合をするとき、何が問題になり、またどうやって解決しているのでしょうか?

 

空手は柔道などと同じように試合中に審判からの「ヤメ!」がかかると瞬時に競技を止めなければなりません。しかし、聞こえない・聞こえにくい選手にとっては、審判のコールに気付けなかったりするため、反則を取られたり不利になってしまうことがあります。

 

「音声が見える空手道大会」では、このような問題を解決するため、審判の「ヤメ!」がかかるとコーナーに設置された赤いライトやマットに設置されたLEDライトが瞬時に点滅するようになっていたり、審判が手話を使うことで、聞こえない選手も視覚的に情報を得ることができ、聞こえる選手ともハンディなしで安心して試合を行えるようになっています。

 

 

空手には形の競技もあります。形の競技では本来、大きな声で明確に形名を伝えなければならないのですが、この大会では手話や文字で、自分が演武する形名を申告することができます。
目に見える情報があることで、聞こえる方も聞こえない方も対等に競技を行えるような工夫がなされています。

 

聞こえる・聞こえないに関係なく、共通の「好きなこと」を一緒に楽しむことで、ろう者と聴者が相互の理解を深め、新しい友達ができたり、良い人間関係を築くきっかけになると思います。「音声が見える空手道大会」のような取り組みが増えていけば、社会全体でのろう者や難聴者への理解もより深まっていくと思っています。

 

 

そして、全日本ろう者空手道連盟から2022年5月にブラジルで開催されるデフリンピックの日本代表として4名の選手が選ばれたそうです。初めてこの大会を聞いた方もいると思いますが、”デフリンピック” (Deaf=デフは英語で耳が聞こえない人という意味)はろう者のオリンピックとも呼ばれ、世界中のろう者が集まって競い合うスポーツ大会です。(2025年には日本での開催も目指しているそうです!)

このデフリンピックでも、「音声が見える空手大会」のように、聞こえない選手のために視覚的な情報保障が行われているので、5月以降に改めて書きたいと思います。

 

 

また現在、5月のブラジルでのデフリンピックへ出場する4人の選手のためのクラウドファンディング が行われています。
まだ知名度としては低いデフリンピックの代表選手は遠征費や道具代などはほとんどが自己負担で賄っているそうです。選手が競技に集中し、世界の舞台で活躍できるようにこのクラウドファンディングを通して応援しましょう!!

 

クラウドファンディングサイト

https://readyfor.jp/projects/deafkaratedodeaflympic

 

 

この連載のバックナンバー

 

公式HP:一般社団法人NEIRO
Instagram:@djtoshiki
Twitter:@djtoshiki
Note:DJ TOSHIKI

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