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新しい音の体験|DJ TOSHIKIのオトノイロ #11

「聴こえる」と「聴こえない」の垣根をエンターテインメントで結びたい!スポーツDJとして活躍するDJ TOSHIKIが、聴覚障害者への理解を深め、インクルーシブな社会実現を目指します。

 

自分たちの団体 一般社団法人 NEIROでは、”誰もが楽しめる新しい音楽体験” をテーマに様々なことにチャレンジしています。今回はその中からいくつかご紹介していきます。

 

8月に行われた、ボルダリングコンペティション”THE3”の会場では、DJスクール「Pioneer DJ 横浜DJ Lab」さんと共同で「Ontenna × DJ体験ブース」を設置し、来場者に新しいカタチのDJ体験をしていただきました。

 

 

 

このDJ体験、何が新しいかというと、本来DJは音を頼りに曲を繋げたり、曲と曲を同時にプレイしてMIXしたりと主に聴覚を使って行いますが、このDJ体験では聴覚に加えて視覚(光)と触覚(振動)でも音を楽しめるようにしました。音を光と振動に変換するデバイス”Ontenna(オンテナ)”を使っています。

 

 

ただ音に反応させるのではなく、しっかりと曲のテンポに合わせて振動させることで、触覚でも直感的にリズムを感じることができます。

この取り組みを始めたきっかけには「耳が聞こえない方にも音楽やリズムを楽しんでほしい」という思いがありました。

 

 

 

”THE3”では、DJ体験とは別にボルダリング会場で”ふるえるスポーツ観戦プロジェクト”という取り組みにもチャレンジ。これは音が聞こえない方にも、スポーツ観戦の応援や会場の臨場感をより楽しんでもらうことを目的としたプロジェクトで、これまでプロバスケットボール・Bリーグの会場でも行ってきました。

 

今回のボルダリング会場でも、DJがプレイする音楽に合わせて観客が身に付けたOntennaが振動する事で、手拍子の応援や会場の雰囲気をより感覚的に感じられるようにしました。会場の照明もまた、振動のリズムに合わせことによって、よりリズムを体感できるよう演出。

 

スポーツ観戦を楽しむ上では、会場のMCや解説は欠かせません。今回のボルダリングコンペでは手話通訳を依頼し、聴覚に障がいがある方にもMCや解説の音声情報を伝えられるようにして頂きました。会場に手話通訳がいることによって、現在の競技の状況把握やコーチからのアドバイス、ポイントの発表など、普段なら得られない大切な情報を知ることができます。

 

 

 

最近のプロスポーツの会場では、映像を使った演出や視覚的な情報保障がなされている所も多くなってきています。聴覚や視覚に障害がある方にとっては、得られる情報が増えることによって、スポーツ観戦がより楽しめる環境になると思います。テクノロジーの進化が著しい今、様々な方法での情報保障が可能になってきました。より楽しく・面白く伝えることで、これまで興味の無かったスポーツの会場にも、足を運ぶ方が増えていくと思っています。

 

「聞こえなくても・見えなくても誰だって楽しめる」そんな場所をつくっていくことが、これからのエンターテイメントの大切な役目になってきます。

 

 

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公式HP:一般社団法人NEIRO
Instagram:@djtoshiki
Twitter:@djtoshiki
Note:DJ TOSHIKI

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