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世界で最も有名なろう者ラッパー|DJ TOSHIKIのオトノイロ #13

「聴こえる」と「聴こえない」の垣根をエンターテインメントで結びたい!スポーツDJとして活躍するDJ TOSHIKIが、聴覚障害者への理解を深め、インクルーシブな社会実現を目指します。

 

”聴覚障害と音楽” と聞いてどのように感じますか?

 

耳が聞こえないと音楽を楽しんだり、ミュージシャンになるのは難しいのでしょうか?

今回は、聴覚に障害をもって生まれた子どもが、小さい頃から音楽が好きでアーティストになる夢を叶えたひとりのラッパーについて書きたいと思います。

 

フィンランドの人気ラッパー “Signmark(サインマーク)”は、子どもの頃にMTVでミュージックビデオを観ていて、手話で音楽をつくることを思いついたそうです。

では、いったい手話でどのようにして音楽をつくるのでしょうか?

 

 

動画では、歌い手の横でSignmarkが歌詞の内容を手話で表現しています。Signmarkは手話から詩をつくり、その歌詞を聴者である歌い手が声として表現することで楽曲を完成させるんです。

 

そして、歌詞の内容や曲の抑揚などにも合わせて手話で感情を表現しています。

以前にこのコラムでも紹介しましたが、アメリカなどでは有名アーティストのライブに手話通訳者が同行し、ステージでパフォーマンスのように手話通訳を行う事があります。

 

しかし、Signmarkはあくまで手話をメインとして楽曲を発表し、国際的なワーナーミュージックとの契約や世界40ヶ国でライブを行うなど”聴覚障害を持つラッパー”として世界で認められています。

そんな、Signmarkが今年9月19日から25日までの「国際ろう者週間」に合わせて、フィンランドのマクドナルドとコラボし『Yhdessä jotain suurempaa(共に大きなものを目指して)』という楽曲を発表しました。

 

 

日本でもよく大手企業などが障害をもつアスリートやアーティストとコラボしているのをよく見ますが、Signmark × マクドナルドのように1人のアーティストをピックアップしてコラボするのは、珍しいように思います。そして、手話をラップと捉えて、Signmarkがラップアーティストとして認められている、フィンランドという国が障害への理解がかなり進んでいるように感じます。

 

Signmarkも子どもの頃に音楽をやる事を家族や周りの人に「難しいだろう」と止められた事もあるそうです。しかし、夢を諦めず音楽をつくり続けることで他にはないスタイルが注目され、世界で認められ、唯一無二の存在になれたのだと思います。

 

「聞こえないと音楽を楽しめないのか?」

「ミュージシャンになるのは難しいのか?」

 

誰もが音楽が好きなわけではないですが、好きなことを楽しもうとする大切さはSignmarkを知って改めて感じることが出来ます。

 

近い未来、日本でもSignmarkのようなアーティストが現れることを期待したいですね。

 

 

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Note:DJ TOSHIKI

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