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生きるのにお金なんていらないの?|裕子の艶言葉 #88

酒が入れば心も開く。金沢屈指の名門クラブに在籍し、現在は木倉町でワインバーを経営する裕子さんの酸いも甘いも知り尽くした人生談義。酒席で老若男女の心の声に耳を傾けてきた夜の蝶ならではの言葉は、まるで美酒のごとく身体の奥まで沁みわたります。

 

「生きるのにお金なんて要らない」という発言を、時おりチラホラと耳にします。

 

何度かコラムでも書いておりますが、自分自身お金の事はとてもよく考えてきたし、低過ぎるマネーリテラシーなりに、自分がどうしたらお金をちゃんと把握できるのか、工夫して生きてきた感覚があります。

 

その中で、ひとつ確信している事があります。

 

「幸せ=お金がある」ではない。

 

ただし、「生活をするにはお金は必要」です。そして「お金があることで、幸せな気持ちになれるものは、確かに買えます」。

 

お金って、何なんでしょう。

 

硬貨や紙幣としての形はあるけれど、「お金そのものの価値」としては概念的です。あたしの感覚では、「何かを得るためのアイテム」に近い。あるいは「何かを生み出す錬金術」。だからこそ、能力を発揮できる人には、お金も巡ってきます。

 

もちろん、能力が使えない人には巡ってきません。「お金なんていらない」と言い切れる人にも、本当にやって来ないのでしょう。

 

ただし、その言葉がグリム童話の「すっぱい葡萄」になっていないかは、大事なポイントだと思っています。本当はお金が欲しい。でも手に入らないから、僻んで妬んで「お金なんていらない」と言っていないか。

 

みなさんは、お金を使って何をしたいですか?

 

美味しいものを食べたい?
旅行に行きたい?
良いバッグや時計が欲しい?
誰かにご馳走したい?
良い車に乗りたい?
もっと広い家に住みたい?

 

それらの欲求は誰のためのものでしょう。

 

本当に自分のため?それとも、誰かへの見栄でしょうか。SNSに載せなくても。誰に自慢しなくても。それでも欲しいものですか?今あるもので、生活できませんか?

 

きっと、多くの人はできます。もちろん、心身の不調などで働けない方もいると思います。そういう時のために、生活保護を含め、いろんな制度があります。ただ実際には、「周りからどう見られるか」が邪魔をして、助けを求められない人もたくさんいます。

 

結局、「お金が欲しい」の根っこには、「安心したい」があるのです。

 

「豊かである」ということに、必ずしも大量のお金は必要ありません。でも、真の豊かさを知っている人のところには、お金も巡ってくる。豊かさが循環していく。

 

あたしは「不安が解消されている状態」が、豊かな状態なのだと思っています。

 

「自分だけが欲しい!もっと欲しい!」。その気持ちが強すぎると、不安や劣等感を埋めるための欲になります。すると、いろんなものが逆に遠のいていく。前回コラムに書いた、「水を自分の方へかこうとすると、逆に向こうへ逃げていく」という話と同じです。

 

幸せでいるために、お金は絶対条件ではない。でも、生活を送るためには必要。昔は米を納めていたものが、今はお金に変わっただけ。そう考えると、お金はやはり便利な“道具”として捉えるのが自然なのかもしれません。

 

あたしは、「目的がお金」ではなく、「手段と結果がお金」だと思って生きています。目的がお金になると、人は強欲になります。そして、それは必ず漏れる。隠せません。バレてます。

 

結果として、お金より大切なものが離れていく。家族だったり。恋人だったり。本当に信頼できる友人だったり。経済や性的なつながりだけで成り立っている関係は、とても脆いものです。

 

快楽や依存だけで繋がる関係は、誰かを深く傷つけることがある。お金と性には、強いドーパミンが伴います。だからこそ、本当に気をつけなければいけない。

 

夜職の世界でも、高級なシャンパンを開けてもらって嬉しい理由は、「それだけの価値がある自分」でいられることにあると思います。

 

歩合のお給料。プレゼント。同伴。それらすべてが、「自分の価値」と結びついていく。本当に大変なお仕事です。そして、その価値基準を一度手に入れると、手放すのは簡単ではない。辞めるにも、とてつもない勇気が必要になります。

 

もちろん、その売上を会社や従業員、社会のために循環させている素晴らしい経営者の方々もいます。そこまでいけば、大きな社会貢献です。まだまだ個人で小さく商売している自分からすると、本当に尊敬する存在です。

 

以前、会社を経営している友人が、こんなことを言っていました。「会社や組織は、私腹を肥やすために存在するんじゃない。税金を納めて、社会に貢献するためにあるんだ」。すごく力強い言葉でした。

 

貯め込むより、水のように循環。循環しながら、気づけば美しい池になっている。そんな状態が理想です。

 

喉が渇いている人がいたら、その水を飲んでもらえたらいい。たとえ「その水を盗んで売ろう」とする人がいたとしても、どうぞ、と渡せるくらいでいたい。

 

ただ、太陽も月も、ちゃんと見ています。

欲が深すぎると、地獄に堕ちるわよ。

 

艶小噺

と言うわけで、観ました。Netflixドラマ「地獄に堕ちるわよ」。

 

我々は細木数子さんがテレビに出ている姿をよく観ておりました。まさしくズバリ‼と斬り込む相手への発言は、何だか恐ろしくもあり、何だか茶番のような気もしていたり。

 

無知と孤独と劣等感を強く持っていると、騙されるし、カモになるなぁ。 地獄の餓鬼のようだなぁ。

 

でも、戦後の地獄を生き延びてきたのならば、仕方ないのかもしれない。 そんな感想でした。

 

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