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六畳一間の小さなレコ屋『MOJA RECORDS』西田圭吾さんが考えること

ダウンロードやストリーミングでの音楽視聴が主流となった現代。その一方で、デジタル世代の若者を中心にアナログレコードの人気が再燃中だという。

2019年5月に能美市にオープンした『MOJA RECORDS』は、そんな時代を象徴するかのようなレコード店。セルフビルドで建てられた六畳一間の空間には、革作家として活動する店主の西田圭吾さんがこれまで集めた約7,000枚のレコードが敷き詰められている。

 

西田圭吾(にしだ・けいご)
石川県白山市生まれ。革作家。バックパッカーとしてアジアを放浪。そのときに出会った民族衣装の美しさに魅了され、本革と布を組み合わせた革小物を製作し始める。2019年より、中古レコード屋『MOJA RECORDS』を開業。

だれにも邪魔されずディグれる。これが自分の理想です。

なんでまた、レコード屋をやろうと思ったんですか?

 

昔からアナログ盤を聴くのが好きで、レコード屋によく通っていました。ただ、最近は仕事の都合で工房に入り浸ることが多くて。近くにレコード屋があったら息抜きにもなるし、いいかなぁと。趣味と実益を兼ねて、はじめてみました。お店の営業は基本的にフリースタイル。本業をおろそかにしたくないので、面倒な業務は一切やりません。

 

フリースタイルとは?

 

ひと通りのルールを説明したら、あとは自由に選んでもらっています。ルールといっても、どの棚からレコードを抜いたかメモってね〜とか、試聴用のターンテーブルの使い方とかそれくらい。僕自身があまり話しかけられたくないタイプなので、一人きりの空間で試聴しながらゆっくりディグれる。そんな場所にしたかったんです。あ、貸切制ではないんですけどね(笑)

 

ジャンルと値段ごとに仕分け。

 

『MOJA RECORDS』のモジャとは?

 

ブラックミュージックによく登場するスラング「MOJO」と、しばらくアフロのようなモジャモジャな髪型をしていたので、そのふたつを合わせて名付けました。

 

店舗はセルフビルドで建てたそうですね。

 

学生時代に実家で使っていたプレハブを移築しました。レコードラックは自作。入り口のペイントも妻が描いてくれました。田んぼの真ん中にあるので、田園風景を眺めながら試聴できるところがお気に入りです。

 

田んぼの真ん中から。

 

ソウルフルなペイント。

 

ざっくりしてる分、発掘する楽しさが味わえるかも

どんなジャンルのレコードを置いていますか?

 

お店に置いてある7,000〜8,000枚のレコードの半分以上が自分のもの。ブラックミュージックを中心に、日本の歌謡曲なんかも揃っています。あと、最近は7インチにも力を入れていますね。値段は100円から。値札はつけずに、ざっくりと並べています。相場も調べていません。ちゃんとしたレコード屋ではまずないことだけど、その代わり「レコードを掘る楽しさ」が味わえると思います。

 

すごくラフな感じ。でも、大丈夫なんですか?

 

相場を調べてひとつひとつ値札を付けるのって、かなり労力のいる作業なんです。ダブルワークでやっている僕にはそれができない。それよりもたくさん買ってもらって、いらなくなったものは下取りに出してもらって、それをまた他の人が買うといったサイクルで、レコードを循環させることを目指しました。自分はこの空間を管理するだけ。そうすることで利益が少しずつ生まれたらと思っています。ちなみに『MOJA RECORDS』で購入したレコードに関しては、購入価格の半額で下取り中。処分に困ったレコードの寄贈も随時受付しています。

 

7インチのレコードも充実。

 

とはいっても、レコードを売るのって勇気がいりますよね。

 

僕も若い頃は「あれも欲しい、これも欲しい」と、レコードを買い集めるだけで、売ることはしませんでした。でもよく考えてみると、人間が一生に聴ける音楽は限られている。レコードを収集することに無意味さを感じました。聴かないレコードはどんどん売って、新しい人と出会った方が何倍も価値がある。僕自身、自分のコレクションを整理する場としてこの店を活用しています。

 

営業日や時間とかは決まっているんですか?

 

ごめんなさい。基本的にオープンは僕が工房で作業をしているときだけです。直接、連絡をしてもらえればなるべく開けるつもりですが、本業を優先しているので期待に応えられないときもあります。お店に来るときは電話をしてもらえると間違いないです。レコード屋の方には誰もいないので、チャイムを鳴らしてください。僕が迎えに行きます。

 

レコードは全盤試聴可。

若い人たちがレコードの魅力を知るきっかけになれば

どんな人たちに来て欲しいですか?

 

なんとなくレコードに興味があるけど聞いたことがない。そういった若い人たちの登竜門的なレコ屋として認知されたらと思っています。だれも監視する人はいないし、全盤試聴もできる。周りの目を気にすることなく、レコードの魅力をたっぷり堪能していって欲しいですね。もちろんDJやガチのレコ好きも大歓迎。そういった人たちとの出会いは自分にとっても良い刺激になります。初心者の方もマニアの方も、レコードに興味のある人は、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。

 

民族衣装などの鮮やかな布と、厳選されたタンニンレザーを組み合わせた革小物。西田さん作。

 

MOJA RECORDS
モジャ レコード

石川県能美市北市町ロ5−3
TEL.080-6352-2782
営業時間・定休日/要TEL
駐車場/2台

※こちらの情報は取材時のものです。

 

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