なんでもハコべる話題のエコバッグ〈haco bag〉が便利すぎる
「ハレとケ」は、暮らしの区切りを表した日本古来の言葉。ハレ(晴れ)は冠婚葬祭や年中行事などの特別な日を指し、ケ(褻)はそのほかの日常生活のことを指しています。
そんな日本独自の世界観を反映した「haco bag」。もともと結婚式場の引き出物袋として製造していたものを、エンドユーザー向けにデザインを改良。収納力と丈夫なつくりから、普段使いに便利な「なんでもハコべる」エコバッグとして注目を集めています。
引き出物袋から生まれた箱型バッグ「haco bag」。
箱ものを生業とする老舗問屋の挑戦。
開発・製造するのは小松市問屋町にある『三輪』。明治24年の創業以来、木箱や折箱、食品包装資材などの製造を生業としてきた老舗問屋です。
なぜ、バッグを作ろうと思ったのか。
また、バッグにはどんな思いが込められているのか。
代表の三輪毅さんに「haco bag」の誕生秘話をうかがいました。
台湾への留学経験もある代表の三輪毅さん。2014年に父の後を継ぎ、代表に就任した。
新郎新婦、新郎家、新婦家をつなぐ3つの輪が印象的な「トレアネッリ」(写真提供:三輪さん)
江戸時代より桶屋を営んでいた技術を生かし、木箱や折箱を製造販売するようになったそう。
「haco bag」が誕生したのは?
三輪さん
かねてから「トレアネッリを一般向けに販売して欲しい」というご要望があり、県の産業支援機関に相談したところ、石川県内で活動する女性グラフィックデザイナー集団の「金澤女子店舗」さんとコラボするお話をいただきました。そこから試行錯誤を重ねて、2016年に「haco bag」の第1弾が完成しました。
商品化に向けて、どんなことを考えましたか?
三輪さん
これまでのシンプルな形状と丈夫なつくりを保ちながら、全体的なサイズ感やポケットの大きさ、持ち手の長さなど、普段使いしやすいバッグとしての機能性を重視しました。
「金澤女子店舗」とのコラボバッグ。本家とはまた違ったオリジナルなデザインが楽しめる。
そのなかでも一番こだわった部分はどこですか?
三輪さん
持ち運ぶことに特化した、無駄のない形状です。シンプルなので使い手を選ばず、アウトドアやショッピング、ビジネスなど、幅広いシーンで使っていただきたいという思いがあります。
ちなみに「haco bag」はどこで購入できますか?
三輪さん
県内では「名鉄エムザ 黒門小路」や「[g]ift金沢広坂店」を中心に、さまざまな店舗でお取り扱いいただいています。オンラインですとAmazonでも購入することができます。
「ロフト」や「高島屋」など全国の店舗でも販売中。写真は梅田ロフトの様子(写真提供:三輪さん)
老舗問屋の思いが詰まった「haco bag」。どれだけ使いやすいかを確かめるため、いくつかのポイントをBONNO編集部独自の目線でまとめてみました。
リンゴ50個分の収納力!
なんといっても一番の魅力はモノがたくさん入ること。カタログやお菓子などたくさんの品物を入れる引き出物袋がルーツだけあって、その収納力たるや目を見張るものがあります。
容量はなんとリンゴ50個分。20.5cmというマチの広さ(Mサイズの場合)によって、シューズボックスを2個重ねて入れることもできるそうです。さらに口が広いのでモノを出し入れしやすい点もポイント。底深なのでSサイズでもノートパソコンがすっぽり入ります。
使わないときはパタっと畳めるので、それほど収納場所にも困ることはなさそうです。
口が広いだけでなく、立ったままキープするのでモノが入れやすい。
2リットルのペットボトルを6本入れてもまだ余裕がある。
重たい荷物でもへっちゃら!
丈夫なつくりも特徴的。分厚いナイロン生地としっかりと縫製された持ち手によって、工業試験場での実験では20kgの負荷にも耐えたんだとか。20kgというと缶ビール36本分。バッグどうこう以前に、人間の方が根を上げそうです。
底板が入っているので安定して持ち運びできるのもポイント。オードブルなどの料理をそのまま入れても、こぼれたりする心配が少ないのはうれしいところです。また、持ち手に丸みをもたせることで、重たい荷物でも手や肩が痛くならないよう工夫されています。
持ち手が丈夫なので重いモノでも安心して持つことができる。
底板が入ってるので、型崩れして欲しくないものでもまっすぐ運べる。
気分が高まるデザイン!
デザインの素地にあるのは結婚式すなわちハレの日。持ったときに目立つよう大胆に配置された柄は、縁起が良いとされる動植物などを描いた、日本古来の吉祥文様がモチーフになっています。
普段からハレの日の気分が味わえる、そんなデザインも魅力的です。
レモンフラワー、ビーチストライプ、モノクロームドット、七宝ツナギの4色展開。
普段使いがしやすい!
片手で簡単に着脱できるマグネットや、ちょっとした物を入れる内ポケットなど、普段使いしやすいアイデアも満載。裏生地にはナイロンを使用しているので、濡れてもサッと拭くだけ。なので、保冷剤を入れることもできます。ちなみにバッグの生地は100%ポリエステル。シワになりにくく、防水性にも優れています。
エコバッグとして使う場合は、内ポケットにポイントカードなどを入れておくと便利。
値段はMサイズ2,860円、Sサイズ2,420円。
エコバッグの購入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
新作もリリース!花菱、麻の葉(ともに2,420円)。
株式会社 三輪
石川県小松市問屋町30
TEL.0761-22-0811
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)
なぜ、バッグを作るようになったんですか?
三輪さん
ひ祖父の代からおもに食品にまつわる箱ものを作ってきましたが、父の代から冠婚葬祭に関わる商品も企画提案するようになりました。そこで引き出物を入れる袋として誕生したのが「トレアネッリ」です。
引き出物袋といえば普通は紙製ですよね?
三輪さん
使い捨てではなく、結婚式や披露宴に出席された方たちが普段使いできるよう、丈夫なポリエステル素材を採用しました。頑丈なだけでなく収納力の高さ、持ちやすさもこだわったポイント。おかげさまで参列された方々の評判も良かったそうです。