燻製マニアの接骨院院長が作る〈骨のあるチーズ〉が旨すぎる。
今、県内の料理人やグルメニスタから密かに注目を集めている〈骨のあるチーズ〉。
香林坊大和や小松空港でも販売しているので、知ってる人も多いかもしれません。
先にネタバレすると実際に骨が入っているわけではないんですが、どうやらこれが骨抜きにされてしまうほど美味しいと評判らしいんです。
うまいものに対して妥協はしない
作っているのは小松市で接骨院を営む、百井和浩さん。患者さんにもらった自家製スモークチーズの香りの豊かさに感動して、燻製づくりに目覚めたんだとか。
チップの配合やチーズの種類などを試行錯誤しながら、スモークチーズを作り続けること8年。飲食店を経営する友人らの後押しもあって、2019年に商品化されました。
柔道整復師の資格を取得後、金沢市内の病院に長年勤めていた百井さん。手技にこだわる方針で患者からの信頼も厚い。
骨や関節の専門家として接骨院を経営する百井さん。〈骨のあるチーズ〉というエッジの効いたネーミングには、うまいものには少しの妥協もしないという、スモークチーズへの姿勢が表れています。
百井さん
一番難しいのは温度管理。温度が低すぎると香りがつかないし、高すぎるとチーズが溶けてしまう。燻製をする日は5時間ほぼ付きっきりなんです。
ふっくらとした柔らかな食感は、この温度管理があってこそ。今でも失敗することは多く「趣味だからできた」と百井さんは笑いますが、商品化されてもそこらへんの軸はブレていないのは、しっかりと味覚に伝わってきます。
国産原木のみを使用したスモークチップ。
小松市の山里にある小さな燻製所で、もくもくとスモークチーズづくりに没頭する百井さん。
チーズの表面に浮き出た水滴をこまめに拭き取ることで、形の整ったスモークチーズができあがる。
ガツンと鼻に抜けるスモークの香り
まるでチョコレートのように、しっかりと色のついたスモークチーズ。
たっぷりと煙が入った奥深い香りと味わいは、たしかに衝撃的なものがあります。
ラインナップはプレーン、山椒、胡椒、カマンベールの4種類。山椒はホール状のものをミルで粉砕し、胡椒も数種類をブレンドして手挽きするなど、スパイス作りにもこだわっています。
1/6サイズ 各594円
よくあるスモークチーズは皮の部分が固くて、それが苦手という人も多いけど、骨のあるチーズの皮は絶妙な厚さと食感で、食べにくさや臭いのキツさは感じませんでした。
むしろ、カマンベールは厚い皮に煙がたっぷり入って、とにかく美味しい…。
食ってみな、飛ぶぞぉ。
そんなフレーズが自然と出るほど。これとワインがあれば、一発で嫌なことを忘れられそうな気がします。
カマンベール1,296円
ギフトセット(3,240円〜)も販売。お歳暮や年末年始のおもたせに。
〈骨のあるチーズ〉の販売店は以下の通り。
・ももい接骨院
・香林坊大和
・空の駅こまつ(小松空港内)
・うみのえき安宅
・辻酒販
・フルーツショップたちばな
オンラインショップでも購入することができます。
本当に美味しいものを食べたときは、だれかに食べさせたいという感情が湧き出るというのが僕の持論。年末年始に集まる家族や友人のために、たっぷり買っておきたいと思います。
骨のあるチーズ屋さん(ももい接骨院内)
石川県小松市津波倉町ヲ1-1
TEL.0761-58-1326
営業時間/8:00~13:00、15:00〜20:00
定休日/水曜の午後、日曜日
駐車場/5台
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)
百井さん
試しに市販の燻製器とチップでやってみたら、これが大失敗。何度やっても煙は上手く立たないし、これは弟子入りしなきゃいけないと思って、正しい作り方を教わったんです。