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ジャンピングってなに?紅茶専門店のマスターが教える美味しい紅茶の淹れ方。

「Life is like a cup of tea(人生は一杯の紅茶のようなもの)」

 

紅茶の本場イギリスには、そんな言葉があります。カップに注がれた紅茶には、淹れる人のふるまいすべてが詰まっている。つまりは、人のふるまい次第で、人生も紅茶も「味」が変わるというわけです。

 

喧騒とは無縁の住宅地にひっそり。

夫婦で営む、紅茶のおいしい喫茶店。

自分の生き方に不満があるわけじゃないけど、できることなら濃い味の人生をまっとうしたい。そんなことをふんわりと考えながら訪れたのは、小松市国府台の閑静な住宅街にある『イーストリバー』。安田良寛さんと香織さん夫妻が営む、小さな紅茶専門店です。

 

キレイに手入れされた緑豊かな庭と、季節感あふれるウェルカムリース。そして、余計な装飾を控えたシンプルなデザインの店内。そこには「日常をひとたび忘れて、のんびりと過ごして欲しい」という夫婦の気遣いがうかがえます。

 

無駄な装飾は一切せず、居心地の良さを重視した店内。高台に位置する立地ならではのうららかな光が降り注ぐ。

 

ストレートティーからフレーバーティーまでメニューの数は50種類以上。好みの紅茶が詰め込める茶缶などのオリジナルギフトも販売している。

 

ご主人の良寛さんが紅茶と出会ったのは学生時代。富山大学の大学院生として研究室に入り浸る生活の中、リフレッシュのために仲間たちと紅茶を淹れて飲むのがお決まりだったそう。

 

卒業後は「地元にも紅茶を飲みながら、気の合う人同士が集える場所が欲しい」と、紅茶コーディネーターの資格を取得。2004年の独立から現在にいたるまで、よりすぐりの茶葉と独自のブレンド技術を駆使しながら、訪れる人たちに紅茶の美味しさを伝えています。

 

「滞在時間は気になさらず、どれだけ長居してもらっても構いません」と良寛さん。つかず離れずの接客も心地よく、おひとりさまが多いのもうなずける。

 

こちらは香織さんお手製のチーズケーキ(380円)。上品な甘さが紅茶の香りを引き立てる。

 

これまでにもワークショップを開いたり、Twitter上で「イーストリバー流・ロイヤルミルクティーの淹れ方」を投稿するなど、さまざまな紅茶の抽出方法をレクチャーしてきた安田さん。

 

そこで今回はそんな安田さんの力を借りて、ゴールデンルールとも呼ばれる「自宅で簡単にできる美味しい紅茶の淹れ方」を教えてもらいました。

 

イーストリバー流 美味しい紅茶の淹れ方

① 良質な茶葉を使用する

まずは茶葉えらび。好みの味や香りは、お店の人や実際に飲んで試してみるとして、どの茶葉も鮮度をしっかりと見極めるのが大切。古くなると紅茶特有の香りが飛んで、どんな淹れ方をしても美味しい紅茶にはならないそうです。

 

また、茶葉の大きさ(細かさ)が小さいものほど、味が濃く抽出される傾向にあるので、濃いめの味が好きな人は茶葉の細かいものを選ぶと良いのだとか。

 

茶葉の種類によって細かさが大きく変わってくる。

安田さん

湿気と日光は茶葉の天敵。できるだけ密閉性の高い容器を使って、光の当たらない涼しい場所で保管してください。美味しく飲める期間は、開封から2ヶ月が目安です。

② ティーポットを事前に温めておく

紅茶の成分をしっかりと抽出するためには、沸騰直前の熱湯が必要。ティーポットが冷たいままだとお湯が冷めてしまい、ジャンピングが起こりづらくなるそうです。そのためにも事前にティーポットにお湯を注いで、しっかりと温めておきましょう。

 

ジャンピングとは?
ポットにお湯を注いだ際に、お湯の対流によって茶葉が水中で上下に動く現象のこと。これによって茶葉がよく開き、紅茶本来の味わいや香りが引き出されると言われている。

 

ポットはなるべく丸型のものを、カップは内側が白いものを選ぶのが好ましい。

安田さん

ティーポットは鉄分を含んだ素材は避けて、ジャンピングが起こりやすい丸型のものを。カップは紅茶の色を楽しむために内側が白く、香りが引き立つ浅くてふちの薄いものがおすすめです。

③ 汲みたての水道水を沸騰させる

きれいにジャンピングを起こすためには、空気をたくさん含んだ水を使うのがポイント。やかんに勢いよく水道水を注いで、より空気を含んだ状態にしてあげます。ミネラルウォーターを使う場合は、ペットボトルを上下左右に振って空気を入れると良いそうです。

 

また、硬水のミネラルウォーターを使用する場合は、茶葉の量にも留意。日本の軟水の場合は一人あたりティースプーン1杯の茶葉が基本ですが、硬水で入れる際は紅茶の味が柔らかく入るため、人数分+ポットのためにもう一杯の茶葉を意識して入れると美味しく楽しめます。

 

お湯の表面をよく観察して、温度を見極めるのが大事。

 

風味豊かな紅茶を抽出するためには、お湯の温度も重要だそう。目安は95〜98℃。表面に五円玉ほどの泡がボコボコと上がってきたら、やかんの火を止めます。

 

100℃まで沸騰したお湯を95〜98℃に冷ますと、お湯の中に十分な空気が含まれていない状態になってしまうため「あまりおすすめできません」とのこと。

 

やけどに注意しながら、空気と一緒に注ぐことを意識して。

安田さん

ポットにお湯を注ぐときは、なるべく高い位置から。そうすることで茶葉がジャンプして、より美味しく抽出されます。

④ 時間を計り、茶葉はきちんと蒸らす

ティーポットにお湯を注いだら、ふたをしてじっくりと蒸らします。目安は3分〜3分半。細かい茶葉はもう少し短くても良いそうです。

 

また、カップに注ぐときは最後の一滴までしっかりと。この滴はゴールデンドロップと呼ばれ、紅茶の成分や香味が凝縮された、もっとも美味しい一滴ともいわれています。

 

紅茶好きが「もっとも癒される」というのがこの蒸らしの時間。まずは茶葉に応じた抽出時間をしっかりと掴みたい。

安田さん

一杯目、二杯目、三杯目と、違った味が楽しめるのも紅茶の醍醐味。ずっと同じ濃さで飲みたい場合は、抽出後にポットをスプーンでひと混ぜして、別のポットに注いでおくという方法もあります。

ちなみに…

アイスティーを作る場合は、水出しが簡単でおすすめ。

 

冷水用のポットに水道水と茶葉を入れて、5〜6時間放置するだけ。ポイントはちょっと濃いめにつくること。そうすることで氷で割っても、風味や香りを存分に感じられるのだとか。

 

茶葉の量はホットの3倍ほど。ティーカップ1杯分で茶葉3〜4g(およそティースプーン1杯)がホットの適量なので、あとは水の量によって調整してみてください。

 

筆者のお気に入りは、紅茶と日本茶をブレンドした安田さんオリジナルの「ウインドオブリバー(写真左)」。ぶどうやライチなどのフルーティーな香りが特徴で、まさにこれからの季節にぴったりの味。

 

以上、イーストリバー流・美味しい紅茶の淹れ方でした!

 

 

イーストリバー
石川県小松市国府台2-45
TEL.0761-47-0809
営業時間/10:30~19:00(土曜は〜17:00)
定休日/金曜、第4木曜日
席数/テーブル9席
駐車場/5台
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

 

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

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