北陸最大級の科学館『サイエンスヒルズこまつ』で、ものづくりの楽しさを体験する
世界的にその名が知られる建機メーカー「小松製作所」の企業城下町として知られ、独自の発展を遂げてきた石川県小松市。その中心地である駅前エリアに北陸最大規模ともいわれる科学館がある。
2014年「小松製作所」の工場跡地に建てられた『サイエンスヒルズこまつ・ひととものづくり科学館』は「未来を創るひとづくり、ものづくり」をテーマにした公共施設。施設には、ものづくりの現場と科学の原理を融合した体験型展示場「ワンダーランド」など、子供から大人まで科学の魅力を身をもって体感できるアトラクションが数多く用意されている。
身の回りにある不思議や疑問を驚きに変えてくれる「ワンダーランド」。
人型ロボットのNAOくんがお出迎え。お願いすると太極拳を見せてくれる。
科学の原理とものづくりの技が学べる。
なかでも注目なのが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の実験棟を用いた「宇宙ステーションこまつ」。ここでは日本の実験棟「きぼう」の実験装置や生活ゾーンを再現し、実物大モデルのトイレや寝室などを展示。宇宙飛行士の仕事とはなにかを学び、食事、睡眠、トイレなどの日常生活も体感できるようになっている。
宇宙ステーションの内部風景。床には若干の角度が付いており、ちょっとした無重力感も味わえる。
そのほかにも、気象や光、電気、音といった科学の原理が学べるコーナーや、ものづくりの現場で科学技術がどのように使われているのかを紹介する展示が満載。これらの展示は、専用タブレットを使ったミッション形式のクイズに挑戦することで、さらにわかりやすく見学することができる。
歯車を使った科学体験展示。回転する歯車の動きが変化して、人形たちの競技が始まる。
止まっても倒れない自転車型ロボット「ムラタセイサク君」を使って、電子部品の役割や機能を紹介する。
日本最大級のドーム型3Dシアターを完備。
『サイエンスヒルズこまつ』のもうひとつの目玉となっているのが、立体視映像システムを取り入れたドーム型3Dシアターで、宇宙に関する番組やプラネタリウム番組を上映する「3Dスタジオ」。ドームには高性能の4Kプロジェクターを搭載。これまでにない圧倒的な臨場感と美しい映像を体験することができる。
宇宙をテーマとしたプログラムは1日6〜7回、約1時間おきに上映される。
また、身の回りの不思議な現象を、実験や観察を通してひも解いていく「ミラクルラボ」や、電子工作や木工などのものづくりを通して科学技術を学ぶ「フューチャーラボ」といった体験教室も用意。次世代の科学者や技術者、研究者を育成する場としても期待されている。
科学やものづくりをテーマとした体験教室も随時開催されている。
自然と同化した建物、その景色にも注目。
科学館を満喫した後は、ぜひ屋上からの景色を堪能して欲しい。芝生に覆われた丘が地面からせりあがる不思議な建築。その奥には小松市の街並みと白山連峰が広がっている。
屋上からの景色。敷地内には科学に関するたくさんの仕掛けが隠されている。
観覧料は「ワンダーランド」と「3Dスタジオ(上映1回)」の利用で500円(高校生以下250円)とお手頃。レストランや宇宙や科学にまつわるグッズを販売する「ヒルズショップ」なども併設されているので、一日かけてゆっくり満喫できそうだ。
サイエンスヒルズこまつ ひととものづくり科学館
石川県小松市こまつの杜2
TEL.0761-22-8610
開館時間/9:30~18:00(10/1〜3/31は〜17:00)
休館日/月曜日、年末年始
駐車場/近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)