おねがい神様。北陸最強のパワスポ『白山比咩神社』でプチみそぎ体験
「みそぎは済んだのか?」
某芸能事務所の闇営業問題が発覚してから、やたらと耳にするようになった禊(みそぎ)というワード。みそぎとはなにか。Wikipedia先生によると、罪や穢れを落とし自らを清らかにすることを目的とした、神道における水浴儀式のことをいうらしい。
黄泉の国から帰ったイザナギノミコト(日本を創ったすごい神様)が、死の世界の穢れにまみれた身体を川の水で清めたときに、天照大神(日本で一番えらい神様)をはじめとする、多くの神々が生まれたという神話が起源になっているそうだ。
神聖なる禊場。
昇殿参拝もできちゃう、みそぎ体験ツアーに参加
今回、みそぎ体験をするのは、霊峰白山を御神体とし、全国に3,000社ある白山神社の総本宮に位置づけられる『白山比咩(ひめ)神社』。縁結びをはじめ、数々のご利益がある神社として全国から参拝客が訪れる、北陸最強のパワースポットだ。
この由緒正しき神社では、神職の指導によるみそぎ体験を月2回実施。しかも昇殿参拝までできるそうだ。
表参道の大鳥居。
雨上がりの日曜日。約20名の参加者が、表参道の鳥居前に集まった。女性の姿もちらほら。学生さんからナイスミドルまで年齢層も幅広い。先導するのは白山市観光連盟のガイドさん。和やかな雰囲気の中、ツアーは始まった。
『白山比咩神社』の由緒を聞きながら、108段ある石段をゆっくりと登る。樹齢800年ともいわれる御神木、表参道に流れる琵琶滝。樹木に覆われた参道で深呼吸をするたびに、身体の中が浄化されている気がした。
ガイドさんが案内。
表参道の景色。
手水舎で手を清め、神門をくぐったら、お次は昇殿参拝。厳かな雰囲気の中、神職さんが祝詞をあげ、巫女さんが御神楽を舞う。普段なかなか目にすることのない光景にテンションがあがる。
ちなみに『白山比咩神社』の祭神である菊理媛神は、日本書紀に一度しか登場していない超レアキャラ。縁結びの神や水の神として知られている。みそぎをするにはぴったりの場所なのかもしれない。
御神楽を奉納。
昇殿参拝が終わると、みそぎに向けた座学がはじまる。事前に配られた資料や神拝詞を読みながら、行法の由来やその意味、作法などを神職さんがレクチャー。神事だけに難しい言葉ばかりだが、ざっくりとした流れさえ頭に入れておけばOK。それよりも身を清めるという意識が大切だ。
所作を実演する神職さん。
高まる緊張感。そして、感動の拍手
いよいよ本番。ふんどし(女性は白装束)に着替えたら、禊場まで「エッホ、エッホ」と掛け声をあげながら小走りで向かう。
ここからは神聖な時間。和歌に合わせながら船を漕ぐ動作をする「鳥船」で身体の緊張をほぐし、「エーイッ!」と叫びながら手刀を振りかざす「雄詰」で気合を注入。「息吹」では自然の空気を吸うことで自己の体内を清浄にする。
小走りで禊場へ。
鳥船で身体をほぐす。
ひと通りの所作が完了したら、いよいよ水の中へ。ハチマキに挟んでおいた神拝詞を取り出し、手を合わせながら大祝詞を奏上する。水の中にいるのは5分ほど。滝行ではないので初めて体験するには丁度いい感じ。大祝詞をあげることに没頭すると、あっという間に時間が過ぎてしまう。
陸に上がったら、鳥船から息吹までの所作をもう一度繰り返す。最後は「おめでとうございます」の言葉と共に、参加者全員でお祝いの一本締め。これでみそぎは終了する。
大祝詞を奏上。
ミソギニストへの第一歩。
新たなステージに進むために心を整える
みそぎというと悪いことをした人がするものという印象が強いけど、果たしてそうなのだろうか。現代人にとってのみそぎは、日々のストレスを解除したり、気持ちをリセットさせるもの。というのが体験した正直な感想。ちょっと立ち止まりたいとき、なにかにつまずいたとき、新たな気持ちで前に進みたいと感じたときは、ぜひ『白山比咩神社』のみそぎ体験を思い出して欲しい。
ツアーの参加料は3,000円(ふんどし1,500円、白装束貸出1,000円)。年内の開催は10月12日(土)、27日(日)、11月9日(土)、30日(土)の残り4回となっている。白山市観光連盟のホームページに詳細が掲載されているので、気になった人は見てみよう。
白山比咩神社
ハクサンヒメジンジャ
石川県白山市三宮105-1
TEL.076-259-5893(白山市観光連盟)
開催時間/13:10~15:45
開催日/月2回
料金/3,000円
駐車場/あり
※こちらの情報は取材時のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)