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「ととのう」の向こう側へ。一里野温泉のテントサウナでウィスキング初体験!

こんにちは、ライターの吉岡です。秋も深まり、食欲ともにサウナ欲が旺盛な今日この頃。なんたってこの時期は、外気浴が最高に気持ちイイですからね。

 

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さて、昨今のサウナブームもあり、精力的にサ活に励んでいる読者の方々も多いかと思いますがウィスキングは体験済でしょうか?

 

ウィスキングとは?
発祥地のリトアニアを含むバルト三国やロシアを中心に広がるサウナ文化。ウィスキングマスターと呼ばれる専門の施術師が、白樺やナラなどの葉っぱを束ねた「ヴィヒタ(ウィスク)」を使って、蒸気と共に身体に押し当てたり、軽く叩いたりするなどの施術を行う。

 

「ととのう」の向こう側が体験できるなんて評判もあるアクティビティ。これがなんと、石川県に全国でも珍しい貸し切りでウィスキング体験ができるサウナ施設があるんです。

 

 

というわけでやってきたのは、白山スーパー林道入口の温泉地にある『一里野高原ホテルろあん(以下ホテルろあん)』。金沢から車で1時間ほどかかりますが、ウィスキングが体験できるなら近いものです。

 

 

サクッと受付を済ませて、向かったのは2階にある大浴場。

 

じつは『ホテルろあん』はもともと源泉掛け流しの湯が自慢の宿だったのですが、2021年に発生した山の大崩落によって温泉が一滴も来ない状況に。そこで「なんとか温泉に変わる施設を」と考えたのが、白山サウナ「山紫水明」なのだそうです。

 

 

もともと露天風呂があった場所に建っているのがこちらのテントサウナ。マイナス20℃以下の環境下で熱々のサウナに入るため開発されたロシア製のモルジュです。「テントサウナってヌルいんじゃないの?」という先入観を持っている人は、ぜひ一度試してみてください。冬でも80〜90℃は、余裕で超えてきます。

 

 

幕の素材はサーモスティックと呼ばれるキルティング生地。高密度の幕内部には断熱材が入っていて、冷たい外気をシャットアウト。内部の熱も逃がしません。スペースも広々としていて、大人5〜6名でもゆったり楽しめます。

 

 

熱源となるのは本場フィンランド製のハルビア。世界で最も売れているサウナ用薪ストーブの名機です。ストーブの上部に置かれたサウナストーンに水をかければ、ロウリュを楽しむこともできます。

 

 

ロウリュウォーターは、白山麓にあるハーブ園「ミントレイノ」が製造する、ろあんオリジナルのハイロゾル(芳香蒸留水)を使用。クロモジとスギの2種類が用意されていたのですが、どちらも天然の良い香りがテント内にふわりと広がって、いい塩梅でリラックスできました。

 

ちなみに筆者が着ているポンチョやサウナハットはすべて無料でレンタルできます。

 

 

蒸気を浴びてからものの数分でこの汗の量。ロウリュには発汗によって自律神経を整え、心を落ち着かせるほか、血流の改善やデトックスの効果があるとも言われています。

 

 

たっぷりと汗をかいた後は、白山の伏流水が流れ込む水風呂へ。水温は自然の温度そのままで、取材当日は16〜17度前後と標準的。元の内湯を活用しているだけあって広さも十分です。冬場はキンキンに冷えた水と、お湯で埋めた適温水との二段体制でふるまうほか、積雪具合によってはスノーダイブなんかも楽しめるそうです。

 

 

最強のととのい椅子との呼び声も高い、コールマンのインフィニティチェアで外気浴。「雲の上に寝転んでるような座り心地」との噂は聞いてましたが、たしかにすごい。絶妙な浮遊感が、無我の境地へと誘ってくれます。

 

 

そして、見上げればこんな景色が。都会のサウナでは体験できない非日常感も、白山サウナ「山紫水明」の魅力です。

 

 

サウナに水分補給は必須ということで、館内の売店で見つけた「QINO SODA」なる、クロモジの蒸留水を使った炭酸水を飲んでみました。ロウリュで樹木の蒸気を浴び、森林浴とクロモジ炭酸水で体の内外を整える。これって最高のペアリングなのではないでしょうか。

 

通常、サウナで「ととのう」ためには、サウナ→水風呂→休憩(外気浴)のセットを2〜3回繰り返すのが良いとされていますが、今回のメインディッシュはウィスキング。1セットで切り上げて、次のフェーズへと向かいます。

 

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ととのいの境地へ。ウィスキング初体験!

 

こちらは今回施術してくれるカズさん。日本におけるウィスキングの第一人者として知られるネバーニャ氏に師事し、現在は石川県を中心に活躍の場を広げている新進気鋭のウィスキング師です。

吉岡

よろしくお願いします!

カズさん

こちらこそお願いします!

吉岡

えっと、僕はどうしたら良いですか?

カズさん

まずは最初に水分補給を。こちらのお水をどうぞ

吉岡

(ごくごく)飲みました!

カズさん

では、そちらに敷いたマットに、うつ伏せに寝転がってみてください

吉岡

あっ、これがヴィヒタですか。なんの木を使っているんですか?

カズさん

オークと白樺です。たまにユーカリとかも使うけど、基本的にはこのふたつですね

吉岡

このふたつを使うのはなにか理由があるんですか?

カズさん

白樺にはミネラルやフラボノイド、肌の引き締め効果があるタンニン、殺菌効果の高いサポニンといった成分が豊富に含まれていて、毛穴にそれらが浸透することで、皮膚の新陳代謝や血行を促進する効果があると言われているんですよ

吉岡

ふむふむ

カズさん

オークは鎮痛効果が期待できます。どこかヨモギと似た匂いでリラックスできるし、葉っぱの感触がモチモチしていて肌当たりが良いのも特徴ですね

吉岡

たしかに素肌に直接当たるものだし、感触は大事ですよね

カズさん

では、頭にヴィヒタを被せていきますね〜

吉岡

うわ〜、いい匂い!

カズさん

ウィスキングはいかに良い香りに包まれるかによって、癒しのレベルが変わってくるんです。あとは顔に熱気を伝わりにくくするという効果もありますね

吉岡

なんかもう森の中にいるみたいです

カズさん

ちょっと水をかけますね

吉岡

あっ、冷たっ…くはない。これ水ですか?

カズさん

はい、ちょっとずつ水かけることで、ヴィヒタが体に馴染みやすくしているんです

吉岡

なんというか、水をかけられてる感覚がないですね。なんらかの液体が体をコーティングしてるような。すごく気持ち良いです

カズさん

それではロウリュいきま〜す

吉岡

あ〜、どんどん温度が上がっていく。でも、ヴィヒタのおかげでいつもより息苦しさは感じませんね

カズさん

ウィスキングはそこにずっと居られる、心地よい状態をつくるのが大事。だから施術を受けている人が息苦しさを感じないように、サウナ内の定期的な空気の入れ替えも重要になってくるんです

カズさん

今から葉っぱで体を叩いていくので、痛かったら教えてくださいね

吉岡

はい!

カズさん

ゆっくりと息を吸って、ゆっくりと息を吐く。このふたつを意識してみてください

吉岡

(すぅ〜、はぁ〜)あぁ、木の枝にシバかれるのが、こんなに気持ちイイなんて…

 

このあとはクールダウンを挟んでから仰向けの施術、座り、水分補給と続いて、最後はシャワーを浴びて終了。今回は時間の都合で30分ほどの体験となりましたが、60分コースではヘッドマッサージやシンギングボールなどが追加されるそうです。

 

とはいえウィスキングの魅力は十分に堪能。まさに「ととのう」の向こう側を体験できた気がします。

 

ウィスキングの料金は一室あたり約10,000円。4人ならひとり2,500円で利用できる計算になります。

 

テントサウナの料金と時間についてはこちらをチェック!

 

 

余談ですが、取材後にホテルの代表が「いつか一里野高原にサウナビレッジを作りたい」「北陸三県のサウナと連携してサ巡りができる環境を整えたい」と、熱く語っていたのが印象的でした。そんな思いを聞いては、サウナ好きとしても応援せずにはいられないですよね。

 

追記:

一里野高原ホテルろあんでは、12月3日(土)と4日(日)の二日間にわたって、北陸最大級のイベント「風林火山」を開催する予定だそうです。これは楽しみですね〜。

 

個性あふれる7〜9種のサウナが楽しめる「風林火山」の詳細はこちら!

 

白山サウナ 山紫水明
住所/石川県白山市尾添70-4(一里野高原ホテルろあん内)
TEL.076-256-7141
営業時間/9:00〜19:30(前日15:00までの予約制)
定休日/不定休
駐車場/30台
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

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