煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

まるで緑のカーペット!48種の”苔”が織りなす神秘の世界に迫る

さざれ石の巌となりて、苔のむすまで…。

 

日本文化を象徴する植物として国家「君が代」にも詠まれ、万人から愛されてきた苔。静かで、美しく、奥深い。そんな魅力に取り憑かれ、近年では苔玉やテラリウムなど、観賞用としてインテリアに取り入れる人も増えてきた。

 

小松市日用町は人口30人に満たない里山の集落。その昔からそれぞれの家の裏庭に苔が生えており、多様な苔が鑑賞できる日本有数の苔の聖地として知られるようになった。

 

銘木「日用杉」を中心とした木立てや古民家、小川、田園などの美しい景観と、日本古来の生活文化を継承する背景から、全国農村景観百選にも選ばれている。

 

オオシッポゴケで構成された苔庭。木漏れ日が織りなすグラデーションが美しい。

 

古民家交流体験施設「Wisdom House」から眺める景色もきれい。

 

北陸特有の環境と美意識が生んだ苔の庭。

日用町ではこの苔庭を鑑賞できるよう整備し『苔の里』として一般解放(環境整備協力金として入園には500円が必要)。北陸特有の高い湿度と山間の地形、地表の日照を穏やかにする杉林、そして住民の庭づくりにかける思いが作り上げた苔庭は、まるで緑色に染まった大海原のように美しく壮観。ウマスギゴケやシノブゴケなど、専門家の調査では町内で48種類の蘚苔類が確認されている。

 

日陰の環境を好むヒノキゴケ。自生する苔の種類を探し当てるのも楽しみのひとつ。

 

期間限定。夜はライトアップでより幻想的に。

そんな『苔の里』では、里山集落の自然や生活文化を現地ガイドの解説付きで鑑賞できるほか、苔について学べるゼミやジャズコンサートなどのイベントも随時開催。8月10日から13日までの4日間は、苔庭のライトアップも行われる。

 

闇の中に浮かび上がった苔庭と共に、夏の夜風と静けさを存分に堪能してみては?

 

集落を流れる日用川の水分によって苔の生育環境が保たれている。なお、私有地のため訪れるさいには住民の方々に迷惑にならないよう十分配慮して欲しい。

 

苔の里

コケノサト

石川県小松市日用町寅71

TEL. 090-7083-6969

開園時間/9:00~16:00

休園日/荒天時および12月中旬〜3月中旬

駐車場/あり

※この情報は取材時のものです。

 

※こちらの記事は、2018年7月末発行の『BonNo』vol.84を再編集したものです。

 

RECOMMEND ARTICLEおすすめの記事

WHAT’S NEW新着記事