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専門学校でDTMを学ぶ学生が卒業制作に想いを込める|Funa先生の音楽室 #06

ここは金沢市内にある隠れ家的音楽スタジオ「MAM」。音楽クリエイターFunaの作業部屋であり、DTM(デスクトップミュージック=パソコンで作曲すること)の教室も開かれているクリエイターの交流の場です。今日もまた「音楽の手作り」を楽しむ人が遊びにやってきました。

 

Funa先生(以下Funa):いつもは僕のスタジオにゲストを招いてお届けしている当コラムですが、今回は外に飛び出しまして金沢科学技術大学校に来ています。僕はこの学校でDTMの授業をしており、今回は学生の岡 大志(おかだいし)さんに登場していただきます。

 

岡 大志さん(以下岡):よろしくお願いします!

 

(写真左から)岡 大志さん、Funa先生

 

DTMを通じてかつての師弟が再会。

Funa:実は岡さんは中学生の頃に僕のDTMレッスンに通っていたことがあるんですよね。そこから数年経て、この学校で再会することになり驚きました。

 

岡:Funa先生のレッスンを受けていたのは中学生までで、高校に入ってからはお会いする機会がほとんどなかったですよね。

 

Funa:中学生のイメージで止まっていたことや、このご時世マスクをしていることもあって、初回の授業で会ってもすぐには気づかなかったんですよ。「岡さん…岡さん!?あの岡さん!!??ひさしぶりー!」って(笑)

 

岡:ご無沙汰しておりますってカンジで(笑)

 

Funa:金沢科学技術大学校を選んだのはDTMの授業があるからだったんですよね。

 

岡:そうなんです。高校の頃、次の進路を決めるときにDTMが学べる学校がないか探してみたところ、金沢科学技術大学校の存在を知りました。身近な金沢市内にある!しかも担当講師がFuna先生だ!ということで入学を決めました。

 

Funa:それはありがたいですね。DTMを始めた当時は中学生だった岡さんが今もDTMに関心があって、この学校に来てくれたことは嬉しいです。そもそも岡さんが音楽をはじめたのはいつ頃なんですか?

 

岡:小学1年のときです。ヤマハエレクトーン教室のCMをテレビで見て、楽しそう!と思ったんです。そこから4年間エレクトーン教室に通い、楽譜の読み方や鍵盤演奏の技術を身に付けました。

 

Funa:実際にやってみて楽しかったですか?

 

岡:はい。グループ教室で数名でレッスンを受けてまして、発表会の時にはステージにエレクトーンを並べて全員で合奏をしたんです。それがすごく楽しくて思い出に残っています。

 

Funa:みんなで演奏するというのは楽しいですよね。一人で完結できるDTMとはまた違った喜びがあります。

 

岡:はい、それで中学生になってからも合奏をやりたくて吹奏楽部に入りました。

 

Funa:合奏好きにはピッタリじゃないですか。エレクトーンによる合奏の場合は、全員の楽器がエレクトーンで、エレクトーンの中に入っているいろんな楽器の音で演奏するんですよね。一方、吹奏楽の場合は本当にいろんな楽器が集まるから新しい発見もあったんじゃないですか?

 

岡:そうなんです。楽器ごとに演奏方法、楽譜の書き方も違っていて。それまでエレクトーンしか知らなかったのでとても新鮮でした。僕が担当していたのはバリトンサックスだったので、特に管楽器の知識や低音パートの重要性についてたくさん知ることができました。

 

DTMはパソコン内での「ひとり合奏」。

Funa:そんな合奏派の岡さんが、基本は一人でやることが多いDTMをやりたいと思ったのは何故?

 

岡:フリーペーパーの広告でFuna先生がおこなっている初心者向けのDTM講座の存在を知ったのがきっかけです。

 

Funa:DTMというもの自体を知ったのもそのときだったんですか?

 

岡:そうなんです。その広告にパソコンで音楽を作ってみよう!といったことが書いてありました。それでDTMのことを知って、スゴイ!面白そう!と思い、講座の申し込みをしました。

 

Funa:実際にDTMをはじめてみてどうでしたか?

 

岡:エレクトーンをやっていたこともあり鍵盤を使った音の入力はわりとすぐできるようになりました。また、いろんな楽器のフレーズを重ねて作っていくということも合奏の経験からスムーズに理解できました。ただ、それまで打楽器をやってこなかったのでドラムには苦戦しましたね。

 

Funa:鍵盤から音楽に入った人でドラムパートの制作で苦労されるというのはわりとよくあります。音楽の大切な要素に「メロディー」と「リズム」がありますが、鍵盤育ちの人は「メロディー重視」に偏りがちなんです。良いメロディーは浮かぶんだけど、リズムは全く浮かばないってパターンです。もちろん、みんなそうというわけではありませんが。

 

岡:僕は正にソレでした。DTMを始めたことでリズムに関する意識も高まりました。

 

Funa:DTMはメロディーを考える作曲だけでなく、ドラムも含めたカラオケ部分の制作となる編曲を楽しめるのが醍醐味です。

 

岡:そうだと思います。僕はメロディーを作ることよりカラオケ部分を作る方が楽しくて。DTMでいろんな楽器を組み合わせていくことは、僕が好きな合奏をパソコン内で再現しているということなんですよね。

 

Funa:確かに!合奏好きの岡さんが何故一人でできるDTMにもハマったのか、謎が解けた(笑)!

 

 

岡:合奏の時もそうでしたが、自分で作曲するより既存曲の演奏をするのが楽しいんです。なので、DTMの場合もバンドスコア(楽譜)を見て、そのままDTMソフトに入力していくのが面白い。本物そっくりに仕上がった時にすごく達成感があります。

 

Funa:そうそう。DTMってどちらかというとオリジナル曲を作曲するイメージが強いんですが、それだけじゃないんです。バンドをしている人がコピーバンドをしたり、楽器を弾ける人が市販の楽譜を見て演奏を楽しんだりしているのと同じように、DTMで既存の好きな曲を作ってみるというのも全然アリ!楽しいですよね。

 

岡:はい。自分の好きな曲の楽器の音を一つ一つ入力していくことで、こんな風に作られていたんだ!といった発見がたくさんあるんです。普通に聞いていただけではわからなかったことにも気付いて、より一層その曲のことが好きになります。

 

Funa:音楽がどのように作られているのか、その仕組みを知ることで、音楽をより深く、楽しく聴くことができるようになりますよね!DTMに興味はあるけどオリジナルの作曲なんて無理って思っている人にもぜひコピーを楽しんでほしいです。

 

岡:本当にそうだと思います。DTMをやっているかいないかで音楽の聴こえ方は変わるのではないでしょうか。

 

Funa:コピーバンドならぬ、コピーDTMはオススメですね!

 

現在オリジナル曲「さくら」を制作中。

Funa:現在、岡さんは僕の授業でオリジナル曲の制作にチャレンジしていますよね。

 

岡:はい。卒業制作で「さくら」をテーマにしたオリジナル曲を作っています。もともとはコピーが好きなので、オリジナルを作るのは難しい部分もありますが、これまでのDTM経験を活かして良い曲になるようがんばりたいと思います。

 

Funa:仕上がった曲は最終的に提出してもらいますが、現時点で先生はまだ聴いていません。どんな雰囲気の曲になりそうですか?

 

岡:「さくら」をテーマにした曲は世の中にすでにたくさんあるので、最初はそういった曲を研究するところから始めました。いろいろ聴いてみるとバラード系が多かったのですが、僕は前向きで疾走感ある曲にしたいと思っています。そして、和風のテイストも入れられたらいいなと考えています。

 

Funa:和の雰囲気はテーマに合いそうですね。仕上がりが楽しみです。卒業生の作品が一般公開されるイベント「KIST金沢科学技術大学校 映像音響学科 卒業作品プレゼンテーション 2022」もあるのでいろんな人に聴いてもらえるかもしれません。

 

岡:成果物を人に発表するのは緊張しますが、やりがいもあります。音楽作品だけでなく映像作品も公開されるので、いろんな人に楽しんでもらえたら嬉しいです!

 

 

KIST金沢科学技術大学校 映像音響学科 卒業作品プレゼンテーション 2022
日時:2022年2月23日(水)10:00-16:00
場所:石川県女性センター ホール(石川県金沢市三社町1-44)
入場:無料
URL:https://www.kist.ac.jp

 

岡 大志’s 音楽室

 

■使用DTM機材

OS : Mac&Windows
DAWソフト : steinberg / CUBASE PRO 9
オーディオインターフェイス : steinberg / UR22 mk II
シンセサイザー : Roland / FA07
シンセサイザー : Roland / JD-Xi
ミキサー : Roland : GO:MIXER
ヘッドホン : audio-technical / ATH-M50
DJコントローラー : Pioneer / DDJ-400

 

 

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