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誰もがエンターテイメントを楽しむために|DJ TOSHIKIのオトノイロ #07

「聴こえる」と「聴こえない」の垣根をエンターテインメントで結びたい!スポーツDJとして活躍するDJ TOSHIKIが、聴覚障害者への理解を深め、インクルーシブな社会実現を目指します。

 

音が聞こえないと普段の生活において困ることや不便なことが数多くあります。

 

自転車のベルや車のクラクションに気づかなかったり、電車が止まっても車内アナウンスが聞こえない、電話での会話が出来ないなど。聞こえ方はそれぞれなのでもちろん個人差はありますが、聞こえる人が普通に行っていることも聞こえない人にとっては難しいことが結構あります。

 

こういうことって、聞こえる人にとっては言われないと意外と気づかないことが多いと思います。実際に自分も話を聞いてから「確かにそうだな」と気づくことがまだまだあったりします。

 

これは普段の生活だけでなく、エンターテイメントや遊びの場においても同様です。

演劇や映画ではストーリーを理解するためにセリフは必要不可欠です。テーマパークでもアトラクションをより楽しむためには説明や音の演出などの音声がかなり重要になります。

ではエンターテイメントの場ではどのように音声などの情報保証を行っているのでしょうか?

 

歌舞伎座や国立能楽堂では、聞こえない方も演目の内容を理解できるようにセリフなどをモニターで見られるような字幕システムが常設されていたりします。新国立劇場では聴覚の観劇サポートの日を設けて、手話通訳や要約筆記による案内係が常駐しています。また、手持ち型のポータブル字幕機の貸し出しも行なっています。帝国劇場では台本の貸し出しがあったり、宝塚歌劇では事前申請で台本タブレットを借りることが出来たりします。有名な劇場などでは外国の方も多く訪れるので、多言語対応も含め視覚での情報補償はいろんな方法で行われています。

 

出典:独立行政法人 日本芸術文化振興会HPより「字幕システムについて」

 

映画館では、洋画には字幕がつくものは多いですが、邦画に字幕がついているものはほとんどありません。なので聴覚に障害がある方はこれまで観たい邦画があるときはDVDが出るのを待ってから観ていたそうです。

 

そんな中、最近は聴覚に障害がある方や視覚に障害がある方のために、「ハロームービー」という、邦画でも映画館でスマートフォンなどを使って映画の字幕や音声ガイドが楽しめるアプリが使えるようになっています。このハロームービーは聴覚に障害がある方のために、「字幕メガネ」というスマートグラスが一部の映画館で貸し出しが始まっており、映画を見ながらリアルタイムでメガネに字幕が映される仕組みになっています。

 

参考記事:HELLO!MOVIE 音声ガイドと字幕で映画を楽しむサイト

 

その他、映画館では前後左右上下に動くモーションシートや水や風、香り、フラッシュなどのエフェクトを利用してシーンと連動した演出が楽しめる、4DXなどの体感型のシアターもあり、見えない方や聞こえない方もより臨場感を味わえるようになってきていると思います。

 

大型のテーマパークなどでは、アトラクションやエンターテイメント施設のセリフや歌詞を自動で字幕表示するハンディーガイドの貸し出しを行なっているところもあります。そのほか、事前に希望するとアトラクションによってはスタッフが手話通訳のサポートをしてくれるところもあるようです。

 

エンターテイメントの場においても、テクノロジーを使ったり、サポートする方がいたりと様々な方法で、誰もが楽しめるような工夫が段々となされてきています。

 

聞こえなくてもミュージカルが好きな人もいるし、見えなくても映画が好きな人はたくさんいるはずです。”誰もが同じように“というのは簡単なことではないですが、なるべく1人でも多くの人が楽しめるようなエンターテイメントが増えていくといいです。

 

 

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