〆まで熱々!カリカリおこげが最高な石焼きカレー|煩悩を断ぜずして咖喱を得るなり #16
石川県にスパイスカレーの文化を広めた店といえば、石引の「ジョーハウス」が真っ先に思いつくけど、白山市にある『天然カレー市場 ヤムヤム』も忘れちゃいけない。
創業から27年、今でこそ主流になりつつある小麦粉不使用&油控えめなナチュラル系カレーを、四半世紀前から作り続けている。まさにレジェンドである。
そして最近、ここの「チーズキーマとキムチの石焼きカレー」にどハマりしている。
カレーの種類が豊富で面白い!
ラスタカラーに彩られたゴキゲンな店構え。駐車場まで鳴り響くReggaeの歌声に洗脳されて、柄にもなく「ヤーマン!」なんて、水槽で泳ぐ魚たちに挨拶してみたり。毎度のごとく、この店に来ると気分が上がる。
そういえば最近まで、寝転がったボブ・マーリーが「カレー食べる?」なんていう看板があったはずだけど、どこに行ってしまったんだろう。
場所は白山市安養寺。周りには田んぼしかないローカルな町だけど、意外とアクセスは便利。山環を使えば、金沢の街中から20分ちょいで辿り着く。
じつは10代の頃、愚妹がバイトをしていたこともあって、ここのカレーは結構な頻度で食べていた。いわゆる青春の味。引っ越してからしばらくご無沙汰だったけど、その記憶は少しも薄れることなく、カルダモンのように強烈かつ爽やかな印象として残っている。
ちなみに妹曰く、ヤムヤムはスラング(英語)で「うまい!」の意味らしい。
ピースフルなオーラ全開の殊才(ことさい)健さん。アルバイトとして働いていた学生時代からカレーの作り方を叩き込まれ、数年前に創業者の宮本氏から店を受け継いだ、若きマスター。
カレーだけでなく手作りケーキも評判で、名前の通り優れた才能を発揮している。これがまた美味いんだ。
メニューは定番のスパイスカレーをはじめ、マイルドココナッツ、スープカレー、キーマカレー、カレーうどん等ラインナップが豊富。
それではマスター、目移りする前にいつものやつをお願いしゃす!
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おこげってこんなに美味しかったっけ?
チーズキーマとキムチの石焼きカレー 1,390円
チゲのように見えなくもないけど正真正銘のスパイスカレー。元々はディナー限定のメニューだった所、あまりの人気でランチタイムにも解禁。今では看板メニューとして不動の地位を確立している。
石焼きカレーはもうひとつ「豚の角煮とキムチとチーズの石焼きカレー」も用意。ここの豚の角煮は格別なので迷うところではあるけど、筆者としてはおこげの旨さがより楽しめる”キーマ”を推したい。
テーブルに登場するや否や「ジュ〜!」と唸りを上げる石鍋。この瞬間、きっとジャマイカ人なら「ポウ!ポウ!」とか言って、ゴンフィンガーを突き上げるんだろうなぁ。
筆者がどハマりする理由としては、チンチンに焼かれた石鍋のおかげで最後まで熱々のカレーが食べられること。そしてスパイシーな”おこげ”を堪能できること。これに尽きる!
もちろんベースとなるカレーが美味しいのは大前提。玉ねぎとスパイスが主役のシンプルなカレーは、先述した通り小麦粉不使用で油は控えめ。胃もたれすることなく、身体の中にスッと入っていく。
ここで殊才さん直伝の食べ方を皆さんにも伝授。
① 半熟卵を割って全体をよくかき混ぜる
② 石鍋のふちにごはんを広げて、真ん中から食べる
③ 広げた部分がおこげになるので最後にいただく
石焼きによってカレーの水分が蒸発し、旨味が凝縮した状態が食べどき。これにチーズのコクとキムチの旨味が合わされば、そりゃ美味しいはず。後半はドライカレーのようになって、これもまた美味い。
ドリンクセットでジンジャーエールを頼むのがいつものパターン。カレーを食べた後はコーヒーでスパイスの余韻に浸るのが常だけど、熱々の石焼きカレーを食べた後はどうしてもジンジャーエールが飲みたくなる。それもそのはず、完食後はクールダウンが必要なくらい汗がダラダラ。食べるサウナ状態なのだ。
ちなみにこの石焼きカレー、激辛バージョンの「地獄カレー」なるものも存在する模様。あぁ、想像するだけで汗とヨダレが止まらない〜。
天然カレー市場 ヤムヤム
石川県白山市安養寺町ト3-1
TEL.076-272-0905
営業時間/11:00~15:00、17:30〜22:00(L.O.)※土日祝は11:00〜22:00(L.O.)
定休日/火曜日の夜
席数/カウンター7席、テーブル32席、座敷16席
駐車場/あり
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)