煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

Funa先生の音楽室⑯|挫折を乗り越え。歌えなかった15年を経てもう一度音楽と向き合う!

集まれ次世代のDTMer!【Funa先生の音楽室】
ここは金沢市内にある隠れ家的音楽スタジオ「MAM」。
音楽クリエイターFunaの作業部屋であり、DTMの教室も開かれている、DTMクリエイター交流の場です。
今日もまた「音楽の手作り」を楽しむ人が遊びにやってきました。
※DTM…Desk Top Music(デスクトップミュージック)の略で、パソコンで音楽を作ることの総称。

 

Funa先生(以下Funa):今回は、当コラムの記念すべき第一回(2021年9月10日)ゲストにきていただいた、前川ヒロユキさんが二度目の登場です!同じゲストに出て頂くというのはこれまで例がなかったのですが、このたびアルバムをリリースされたということで、ぜひ色々お話を聞かせてもらおうと思っております。

 

前川ヒロユキさん(以下敬称略):よろしくお願いします。二度も呼んで頂き光栄です。

 

Funa:第一回でも聞いているのですが、あらためて簡単にプロフィールを教えていただけますか?

 

前川:はい。大学在学中に「サンフラワーズガーデン」というバンドを結成しまして、ポニーキャニオンよりメジャーデビューしました。アニメ「HUNTER×HUNTER」の主題歌を手がけるなど、9年間の活動を経て解散。29歳で石川県に帰省し、一旦は音楽から離れてしまいました。しかしながら、やはり音楽がやりたいと思うようになり、2020年9月、一人でも音楽が作れるという理由からDTMを始めたことを皮切りに音楽活動を再開しています。

 

Funa:この辺りの詳しい話は第一回にも掲載していますので、ぜひチェックして頂ければと思います。というわけで、この度はアルバムリリース!おめでとうございます!

 

前川:ありがとうございます!DTMを始めてから約2年、Funaさんのサポートも受けつつ、作詞、作曲、編曲、レコーディング、全てを自力で仕上げたアルバムが完成したことをとても嬉しく思っています。

 

 

Funa:元々メジャーデビューするほどの音楽スキル、経験があったとはいうものの、DTMを始めてたったの2年でここまでできるようになったのはスゴイです。本当に努力の賜物だと思います!

 

前川:いやあ、大変でした(笑)。

 

Funa:でしたね(笑)。僕は制作をサポートしていたということもあり、その裏側を知っています。前川さんが何度も何度もトライ&エラーを繰り返し、苦悩する姿を側で見てきました。

 

前川:自分が納得できる基準や譲れない部分があるにも関わらず、DTMスキルが追いついていないことでなかなか到達できないという苦しみが、一番しんどかったですね。

 

Funa:なるほど。合格ラインがしっかり見えていたわけですね。作曲にチャレンジしている人の中にはそもそも合格ラインがわからないという人も少なくないと思うので、そこが見えているというのは良い点でもあるのですが・・・それが自分を苦しめたと。

 

前川:はい・・・Funaさんだったら15分でできることが、自分だと3時間かかる(笑)。

 

Funa:笑。

 

前川:例えばボーカルのボリュームはどれくらいが適正か、細かい調整をしながら何度も同じ曲を聞き返します。答えに行き着くのに本当に時間がかかる。

 

Funa:作品を形にしていくのは小さな決断の繰り返しですからね。1つ1つの答えに時間がかかってしまうとなると大変だと思います。

 

前川:曲を作って、レコーディングするだけでも大変なのに、その後にミックスなどの編集がまだまだ残っているんです!

 

Funa:その気持ちわかります。編集は地道な作業が続くんですよね。

 

前川:果てしない道のりでした。どれだけ行けば頂上に辿り着くのかわからないので、ペース配分がわからないんです。体力、気力をかなり消耗しました。

 

Funa:ペース配分は経験が浅いうちは難しいですよね。確か、まだまだ曲が仕上がっていない時点で、アルバムを作ることはもちろん、発売時期まで決めてましたよね?発売日が決まると必然的に締め切りができるので焦りもあったんでしょうか?

 

前川:そうなんです。ただ、締め切りを作って奮い立たせようと決断したのは自分自身。望んで始めたことです。

息子に気付かされた本当の気持ち

Funa:どうしてそこまで厳しい状況を自分に課したんですか?

 

前川:DTMを始めた当初は、曲ができたら発信するというのんびりとした活動でした。趣味の場合ならそれで十分、楽しくやれる範囲で無理なくやることも素敵だと思います。ただ、僕の場合は違いました。このままではいけない、「本気の勝負」をしたいと思ったんです。

 

Funa:「本気の勝負」・・・というのは?

 

前川:メジャーデビューするも思うような結果が出せず・・・地元に帰り、歌を歌ってこなかった15年間。バンド解散の挫折感がずっと心の片隅にありました。

 

Funa:長い間引きずる想いがあったんですね。

 

前川:ずっと歌う勇気が持てませんでした。ラジオから流れる歌で思わず泣いてしまったり、くすぶっていたんです。そんなある日、当時3歳だった息子に将来何になりたい?って聞いたら「歌手になりたい」と言うんです。

 

Funa:おお!きっとお父さんが元バンドマンということで影響を受けたんでしょうね。

 

前川:いえ、それが違ってて。僕は、息子には自分が音楽をやっていたことを話していませんでした。

 

Funa:そうなんですか!?

 

前川:はい。自分のバンド時代の音源を聴かせたり、見せたりしておらず、僕のミュージシャン時代を知りません。それなのに生まれた頃から音楽が大好きで。

 

Funa:自然と受け継いでいるんでしょうね。

 

前川:そうなんですかね?息子からその夢を聞かされたとき、その頃の自分は歌手を辞めていたのでドキッとしました。このままくすぶっていていいのか!?と。自分の歌への想いを子どもに気付かされました。

 

Funa:うわー、いい話だ(泣)!そういった背景と、そこから生まれた強い想いがあったからこそ、大変な状況を乗り越え、アルバム完成、リリースに至るまで頑張れたのですね。

 

前川:今はシンガー、アーティストとして再びスタートラインに立てたような気がしていて、とても充実しています。

 

Funa:アルバムはどんな作品に仕上がりましたか?

 

前川:リード曲が「春夏秋冬」という曲なのですが、この曲ができた時にアルバムをリリースしようという思いに至りました。冬に土の中でうずくまっていたとしても、春には葉をつけ、のちに花を咲かせる。そんな自然の摂理を歌にしました。

 

前川ヒロユキ 春夏秋冬

 

Funa:冬から春へ。前川さんの現在の音楽活動にも繋がりますね。

 

前川:はい。どんな人にも冬の時代はあるのではないかと思います。ただ、自然の摂理で冬が来たら春が来るということは決まっている。僕の音楽人生にはとても長い冬となる15年がありましたが、春はきっと来る。ここからまた花を咲かせることができるのではないかと思っています。今はもう46歳なのですが、ネバーギブアップです!

 

Funa:前川さんの実体験が元となっている曲「春夏秋冬」を聴くと、勇気がもらえそうですね!たくさんの人に届くことを願っています。

 

 

前川ヒロユキ

1stアルバム「春夏秋冬」

2,000円(税込)

購入方法など詳細はホームページをチェック

 

 

◯集まれ次世代のDTMer!【Funa先生の音楽室】

→バックナンバーが読める記事一覧はこちら

 

執筆者プロフィール

Funa先生(舟崎康介)

金沢市在住。作詞、作曲、編曲からレコーディングまで、音楽制作全般をマルチにこなす音楽クリエイター。TV、CM、WEB、配信、CDなど、様々なコンテンツの音楽を数多く手がける。また、パソコンで音楽を作る「DTM」の専門家として、国内最大手の楽器メーカー「ヤマハ・スタインバーグ」公式YouTube内の作曲講座に出演したり、自身のスタジオや専門学校、オンラインによる指導、育成にも力を入れている。オンラインレッスンでは北海道、沖縄にも受講生がおり、全国展開している。

公式HP:音楽スタジオMAM music and more-
Facebook:舟崎康介
Twitter:Funa🎹毎日DTM(@funa_man)
Instagram:funa_music_and_more
YouTube:音楽クリエイターFunaのDTMチャンネル

RECOMMEND ARTICLEおすすめの記事

WHAT’S NEW新着記事