BMX動画に見るストリートカルチャーの広がり|YORK UNOのFree Style & JAM #10
今回は、BMX動画に見るストリートカルチャーの広がりと言うテーマで描かせていただきます。
まず1990年代後半から、ビデオカメラをGETしてよく映像を撮っていました。当時は、Youtubeや他のSNSも無かったので、VHSビデオ1本にまとめていました。編集ソフトなども無く、モニターひとつにビデオデッキ2台とカメラを繋いで録画して、アナログで映像と映像を重ねて録画して1本のビデオを作るという、現在から考えたら意味不明の編集です。金沢の街中を走りまくってストリートで撮影して、それを自分達で編集って(笑)。全部、観ていないのに予想や、ほんのひと握りの正確な情報だけで…。
その頃に一番影響を受けた映像は、1994年にMark Eatonが制作した「WHEELIES (Dorkin’ 8)」のJesse Puente & Edgar Plascenciaというパートです。この映像を何百回、何千回と観てきました。FLATLANDのSTYLEが超絶かっこ良すぎて、それまでフリースタイルに色々なBMXの乗り方をしていたのですが、一気にFLATLANDのみに自分のライディングスタイルも変化しました。そして、この映像にやられた理由のひとつにRUN DMCの「Beats To The Rhyme」という曲の存在があります。
やはりFLATLANDは、HIP HOPなんだと思います。自分が初めてGETしたCDは RUN-DMCの「Back From Hell」というアルバムでした。正真正銘にRAPもHIP HOPも知らない中学生の頃に、ジャケを見てGETしてしまいました(笑)。その当時の金沢は、洋楽だとマドンナとかが流行っていて、スポットライトってアルバムかな!?と、迷いながらRUN-DMCをGETしたの覚えています。ジャケ買いしないと視聴も出来ない時代でしたから。 その流れから、海外から輸入されたBMXのビデオの1本に自分が求めてる全てが詰まっていました。その映像が「WHEELIES (Dorkin’ 8)」に収録されたJesse Puente & Edgar Plascenciaのパートだったんです。
めちゃくちゃ、Jesse Puenteに憧れていました。あまりに憧れて、アメリカであった時に絶対日本に呼ぶから!と約束し、実際に来日してもらったり。その後もアメリカで遊んだり、トリニダートトバコにツアーに行ったり超刺激的でした。本場のHIP HOPアーティストや曲なども色々と教えてくれました。香港ポリスストーリーでもBMXを使ったアクションでジャッキーチェンのスタント役もこなしたりと、いつでもTHINK ORIGINだった Jesse。映像で憧れていたライダーやクリエイターと遊んできたことが、BMXをやってきた中でも最高の出来事だと感じています。
この映像は、オランダで開催された2005年の世界大会です。ここで自分はトーナメントを1STYLEで勝ち上がり準優勝したのですが、映像はHIP HOPレジェンドTalib Kweli “Who Got It” のライブ映像も手がけた、BMXライダーのChad Johnstonが担当しています。当時HIP HOP×BMX FLATLANDの映像が、大会終了後にオランダのTVで流れまくってたのが凄く印象的でした。全てがリアルで起きた出来事が、曲になって、映像になっていく。 BMX動画に見るストリートカルチャーの広がりは、どんどん拡大してて世界中のストリートが繋がってる様に感じる現代です。
このコラムでは、ストリートカルチャーのこれまでとこれから、日々の気づきをFreeStyleで綴っていきます。JAMのように、気ままにいきましょう。 そんなFree Style & JAMは、Vol.11へ続く…。