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ひとつの手話から変わること|DJ TOSHIKIのオトノイロ #15

「聴こえる」と「聴こえない」の垣根をエンターテインメントで結びたい!スポーツDJとして活躍するDJ TOSHIKIが、聴覚障害者への理解を深め、インクルーシブな社会実現を目指します。

 

最近はドラマなどの影響で「手話」を学ぶ人が増えているそうです。

 

自分が子どもの頃は学校で手話を習うことはなかったし、ろう者と接することもほとんどありませんでした。記憶にある限りでは、手話で会話している人を見かけたことはありません。なので、子どもが生まれて手話に興味を持つまでは「ありがとう」の手話すら知りませんでした。

 

ドラマの影響で手話が社会現象のように話題になると、SNSなどでも様々な意見が出てきます。

 

「たくさんの人が手話に興味を持ってくれてうれしい」

「ブームになることで金儲けに手話を利用する人が増える」

 

などなど、賛否いろんな意見が聞こえてきます。

 

自分個人としては、一時の流行だとしても一人でも多くの人が手話に興味をもったり、手話を覚えたりすることは良いことだし、手話を覚えないとしても、聴覚障害に対しての理解が少しでも深まることは大きなことだと思っています。

 

自分の娘は先天性難聴で今は手話を使ってコミュニケーションをとっていますが、まだ幼いので「聞こえる・聞こえない」ということ自体を完全には理解しておらず、周りに手話が通じないことを疑問に感じたりしていると思います。

 

難聴児にとっては自分のコミュニケーション方法が通じないことで、周りに対してストレスや寂しさを感じてしまう場合もあるかもしれません。でも逆に友達や身の回りの人がひとつだけでも手話を覚えてコミュニケーションをとれたら、とてもうれしく感じるのではないかと思います。

 

YouTubeでとても素敵な動画を発見しました。

 

 

某有名テーマパークのキャラクターが、近寄ってきた子どもが難聴児だと知り、手話で「会えて嬉しいよ」「君のことが好き」と伝えています。

 

実際は子供の後ろにいる手話通訳キャストがその場でキャラクター達に手話を教えているそうですが、大好きなキャラクターに自分のコミュニケーション方法である手話で話しかけられたことは、とてもうれしかったでしょう。こういう経験は子どもにとって良い記憶として残るだろうし、手話に対しても前向きに考えられるようになるのではないかと思います。それは両親や家族との手話でのコミュニケーションとはまた違う特別な瞬間になるのではないでしょうか。

 

たったひとつの手話が、その人の良い思い出になったり、何かのきっかけになったり、もしかすると人生を変える大切な瞬間になったりするかもしれません。

 

今こうやってドラマなどで取り上げられ、ひとりでも多くの人が手話を使えるようになったり、簡単な挨拶ひとつでも手話を覚えるようになれば、このような瞬間がいろんなところで見られるようになるのではないでしょうか。

 

もちろん、通訳や講師の方など、しっかりと正しい手話を伝えないといけない場合はありますが、英語で誰でも”Thank you” が言えるように、手話で誰でも「ありがとう」が伝えられるような社会になれば、手話を使う人もより生活しやすくなり、仕事など活躍出来る場所も増えていくのではないかと思います。

 

たくさんの方に、まずは “ひとつの手話” を覚えてほしいです。

 

 

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Note:DJ TOSHIKI

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