【爆裂地方都市】第3話:NO SMOKING
JO-HOUSEも来年で48年目。あと2年で50周年、僕らが2代目となって20周年です。昨今では「起業5年以内に8割が廃業、10年続く店は1割」というデータもあるので続けていけてるのは本当みなさんのおかげです。一説によると創業50年から「老舗」らしいのでそろそろ僕にも威厳や貫禄が必要になってきましたが、JO-HOUSEの所属する石引商店街を見渡したら隣の「おでん若葉」が創業84年!婦人服「フワ」さんが72年!和菓子の「高砂屋」さんが大正7年創業!「大鋸(おが)豆腐店」は何と天保元(1830)年!江戸!日本酒の「福光屋」さんに至っては寛永2年!1625年!創業394年!徳川家光の時代!あと少しで400年!というガチガチの老舗だらけなのでJO-HOUSEなんて何年たっても永遠の少年。
うえだ[呉服](昭和8年)/若葉[おでん](昭和10年)/あけぼの[美容室](昭和23年)/荒間[毛糸](昭和27年)/てらち[電気](昭和28年)/三幸堂[漆器](昭和38年)/大吉[お好み焼き・焼肉](昭和47年)/すぎの実[洋食](昭和53年)/フワ[婦人服](昭和22年)/高砂屋[和菓子](大正7年)/コウダ[布団](大正12年)/田矢[靴](大正12年)/ひがし[洋傘](大正)/ひらい[床屋](明治)/平野屋[生菓子](明治35年)/片岡[薬局](万延元年)/おが[豆腐](天保元年)/福光屋[酒造](寛永2年)
といってもお店も世の中の常識やモラルの変化に対応しなければなりません。2020年4月から飲食店など全ての施設が「原則屋内禁煙」になります。
「屋内は原則禁煙に!受動喫煙をなくすための取組が変わる!」(外部リンク:政府広報オンライン)
うちの店も今では店内禁煙ですがほんの3年前くらいまでは喫煙可能で15年前なら団体の飲み会でもあれば店内が煙でモクモクでそれが普通の光景で彫刻科や工芸科の美大生が飲めば灰皿に吸い殻が山のようになりました。禁煙が当たり前の今ではホント考えられないですね。飲み会で酔っ払ったら裸になる男子学生もいましたが今やセクシャルハラスメント、いや犯罪です。この10年くらいで喫煙者も激減したし喫煙者のマナーも格段に良くなりましたが逆に言えばタバコの存在・評価はすっかり地に落ちました。いや落ちればいいんです。身体に悪いし、臭いし、百害あって一利なしですもん。でも、ここまで落ちるとはなぁ。
繁華街のBARではまだ喫煙文化が残ってるものの喫茶店でタバコ吸うのはもうNGになりました。近所にある喫煙者のサロン的な空間だったタバコ屋を併設してた喫茶店もタバコ販売をやめて店の入り口に「禁煙推進店」というステッカーが貼ってあります。数少ない喫煙可能な喫茶店は近江町にあるあの店だけかな…ひと昔前までタバコとコーヒーって同じくらいの地位だったような感じだったのにタバコは干されてコーヒーは高貴な存在に出世したような気がするのは私だけでしょうか。嫌われるのを覚悟でカミングアウトすれば私は喫煙者です。平日は1日1〜2本ですが今年亡くなった和田誠先生がデザインされたハイライトを愛好しております。
今月シネモンドで上映してた細野晴臣さんのデビュー50周年ドキュメンタリー映画のタイトルは「NO SMOKING」。細野さんは喫煙者ですが「タバコ吸ってるから嫌い」「喫煙者の音楽は聴きたくない」っていう音楽ファンっているんでしょうか。
喫煙シーンが問題になった映画といえば宮崎駿監督の「風立ちぬ」で「作中に登場する喫煙シーンが喫煙美化ではないか」という抗議がきたニュースありました。2013年でしたっけ。もし「風立ちぬ」が2020年の作品だとしたら圧力で上映しない映画館もあるかも…
「タバコとアニメとナチスの香り 『風立ちぬ』批判への反論と宮崎駿論」(外部リンク:iRONNA)
それ以降か前からか分かりませんが朝の連続テレビ小説とかで昭和が設定のドラマでも当時は大人がほぼみんな所構わずタバコをバカスカ吸ってたはずのに喫煙シーンってひとつも出てこないです。まぁ人が殺されるシーンや手術シーンを見ながらご飯は食べれるけど、喫煙シーンだと食欲無くなりますもんね(マグロの解体ショーは平気だけどニワトリや牛の解体は見れないみたいな?)
歌は世につれ世は歌につれ。喫煙者が絶滅危惧種、嫌煙者ばかりになると曲の歌詞からも「タバコ」は消えるのでしょうか。タバコの名曲いっぱいあります。
煙草の匂いのシャツにそっと寄り添うから…♪
パパのワイシャツ 煙草の香り いつだって思い出すの…♪
俺のあん娘は煙草が好きで〜
さぁ煙草に火をつけて どこへ どこへ 行こう〜♪
煙草をくわえて 窓を上げたら
ようやく自分に戻った気がするぜ〜♪
見つめてると 死にそうだと
くわえ煙草で涙おとした〜♪
歩道橋 キャベツ畑 電話をかけながら煙草を喫む女〜♪
あなたはマッチを吹き消して
煙草を吸う手が決まってる〜♪
煙草を吸いながらいつでもつまらなさそうに〜♪
今あなたは目ざめ 煙草をくわえてる〜♪
ピカピカの靴を脱いで 煙草を消して〜♪
裏街のマリア〜少女の顔には
くわえた煙草は似合わないだろう♪
煙草屋のおばあちゃん お世話になりました〜♪
ボクはひとり煙草ふかし あせってしまう〜♪
好みの煙草 あと一本になり〜♪
一日に二本だけ 煙草を吸わせて〜♪
消し忘れた煙草〜♪
煙草にバーボン 濃い目の化粧で〜♪
白い煙草に手を伸ばす ああ〜♪
はっか煙草ふかしてブルージー♪
最後のキスはタバコのフレイバーがした♪
ちなみに僕の故郷の鳥取県や島根県では「休憩する」という行為を「タバコする」といいます。タバコを吸わなくても「タバコ」。祖母は「車が渋滞する」ことも「車がタバコする」と言ってました。応用編が分からない!
そういえばタバコを吸うことも「一服する」ともいうので皆さんも忙しい日常の中で「タバコ」の時間は作りましょう。
JO-HOUSEは禁煙ですがぜひ「タバコ」しに来てください。
◯僕らのローカルシティポップ【爆裂地方都市】
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執筆者プロフィール
モカ
学生街のブラッスリー『JO-HOUSE 石引』2代目カレーマスター/私設公民館『じょーの箱』大家さん。もうすぐ若者ぶらずにおっさんの武器も使えるいちばん旬なとき、さみしさは昔よりも現実味おびてきたね…でも明日はくるSweet Sweet 43 Blues。
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