【爆裂地方都市】第4話：究極のレペゼンソング2020！
爆裂地方都市・金沢の地から、ホコリにまみれた名曲から知られざる新曲までを掘り起こす！石引のカレーマスター・モカさんがカレーの合間にしたためた〈俺だけのディスカバリー〉がここに。
年末年始は鳥取県米子市の実家に帰郷してたのですが、「Official髭男dism 紅白歌合戦初出場おめでとう」と書かれたポスターが街じゅうあちこちに貼られていてビックリ。彼らが同郷だということを初めて知りました。正確にはボーカルとピアノで作詞作曲をしている藤原さんとドラムの松浦さんが米子市出身で、ギターの小笹さんが島根県松江市、ベースの楢崎さんが広島県福山市出身で島根大学の軽音で結成されたとか。バンド名は知ってたけど受け狙いクサいふざけた名前なので聴かず嫌い、僕の人生には縁のない音楽だろうなと決めつけていました。しかし不思議なもんで同郷っていうだけで「おお！地元のバンドが紅白！良かったな！」ってなるのはどうしてでしょうか。芸能人やアスリートでも同郷ってだけで少し距離が縮まった気になってしまいますが鳥取県民の場合は全国で最も人口が少ない少数民族なので他の都道府県民より特にそんな気持ちが湧くのかもしれません。人口が少ないってことは鳥取県外で鳥取県民に遭遇する可能性も低いので見つけたら少し感激します。そして鳥取県民は他県を見下したりしませんし偉そうにもしませんよ！
ちなみに数少ない鳥取県出身の著名ミュージシャンといえばドンキーカルテットの小野ヤスシキャップ、
サックス奏者で80年代はタレントとしてもブレイクしていたMALTAさん、
いまだ現役ロックンロールバンド、ザ・プライベーツのドラムの森原さん
ピラニアンズのピアニカ前田さん
あとコーネリアスやくるりのサポートドラムとして活躍されているあらきゆうこさんは高校の先輩になります。僕が高1のときあらきさんは高3だったみたいですが面識は全くありません。
…と金沢市民に向けた情報サイトで鳥取県の事を書いても仕方ないですね。Official髭男dismのことは知らなかったものの大ヒット曲「Pretender」、めっちゃ聞いたことありました。っていうか去年どこに行っても有線で流れてたんで耳にこびりついてイヤーワームになってた曲でした。君はキレイだ〜。
Official髭男dismは特に鳥取県出身であることを前面に出してない、というか地域性を前面に出してるロックバンドって少ないのかな？ヒップホップは生まれ育った街と密接なような気がします。
川崎のBAD HOPとか
とか山梨県一宮町のstillichimiyaとか。
石川県野々市市で育ったラップデュオのYOCO ORGANも野々市に本店のある金沢カレーの代表格「チャンピオンカレー」とコラボレーションした「CD 付き青春カレー」を発売していますね。
【参照】2020.1.11 新曲リリース「一から – 1の1 NONOICHI校歌」（YOCO ORGAN オフィシャルサイトより）
しかし今年地元から金沢に戻ってきて早々にロックバンドによる究極のレペゼンソングに出会って衝撃を受けてしまいました。キュウソネコカミというバンドの「Welcome to 西宮」という曲…なんだこれ！
関西学院大学軽音出身で今も西宮在住の彼らがタイトルの通り兵庫県西宮市を称賛してる曲なんですが、歌詞が
『住みやすい 俺の街 キレイだし 便利だし Welcome to 西宮』
だけ！もっと西宮の特徴や名物や名所とかあるでしょ！とツッコミたくなりませんか。そしてメンバーに西宮出身者が1人もいないのも面白すぎます。
それなら東洋経済が毎年やってる「全国住みよさランキング」の基準【A安心度、B利便度、C快適度、D富裕度】を満たして2019年ナンバーワンの住みやすい街に認定された石川県白山市こそこの歌にふさわしいんじゃないでしょうか。『住みやすい 俺の街 キレイだし 便利だし 日本一だし Welcome to 白山！』どーですか白山市で活動してるバンドの皆さん。ん？でもこの歌詞なら日本中どこでも当てはまる？どこにでもあるどこか街のレペゼンソング？！まぁ、なんだかんだいってもみんな住みやすくてキレイで便利な街に住みたいんですよ。あと何か要ります？っていう2020年代の若者たちの意識を代表しているようでドキドキしてきました。
【参照】｢住みよさランキング2019｣全国総合トップ50（東洋経済 ONLINE）
でも、こういう曲って安易に政治やプロパガンダに利用され易いのでご用心なんですよね…打首獄門同好会「日本の米は世界一」みたいに。
【参照】「首相がYouTube見ていて驚いた」ロックバンド“打首獄門同好会”が官邸を表敬訪問（FNN PRIME）
◯僕らのローカルシティポップ【爆裂地方都市】
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執筆者プロフィール
モカ
学生街のブラッスリー『JO-HOUSE 石引』2代目カレーマスター／私設公民館『じょーの箱』大家さん。もうすぐ若者ぶらずにおっさんの武器も使えるいちばん旬なとき、さみしさは昔よりも現実味おびてきたね…でも明日はくるSweet Sweet 43 Blues。
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