えっ!こんなに違うの?石川県の高級食パン4種を食べくらべ
いまだブームの衰えない高級食パン。
石川県でも今年に入って食パン専門店が相次いでオープン。我が県の食パンといえば〈あづまやのサンドパン〉でしたが、いやはや時代は変わりました。
早朝からお店の前に行列ができるなど、その盛況ぶりは目を見張るものがあります。
ちなみに石川県のパン消費量は意外と多くて、金沢市にいたっては食パンに関する一世帯あたりの支出金額が全国でもトップクラス。そりゃ、行列もできるわけです。
乗るしかない、このビッグウェーブに
というわけで、石川県の高級食パン4種を食べ比べてみました。
わざtoわざ(わざなか)
金澤「生」食パン 756円
地元発の高級食パン専門店として、2020年2月にオープンした『わざなか』。場所は「リフォームヤマキシ 野々市店」のすぐ横。10月には金沢市田上の里に2号店がオープンしました。
看板メニューの〈金澤「生」食パン〉のほか、加賀棒茶や能登大納言などの地元食材を練り込んだ創作食パンも人気です。
乳脂肪分が豊富な北海道産の生クリームをたっぷり使った生地は、ふわふわでもっちり。噛めば噛むほど小麦の甘さが口の中に広がります。
純度の高いハチミツやバターをふんだんに使った、リッチな味わいも特徴的!
トーストにすると、より小麦の旨味が引き立った印象。厚切りにすることで表面はサクッと、中はふわふわな食感が楽しめます。
これでも十分に美味しいですが、焼いたときに香りと旨味が最大限に感じられるよう、独自に小麦粉をブレンドした〈金澤「焼」食パン(756円)〉もおすすめです。
採点
甘さ ★★★★☆
きめ細かさ ★★★☆☆
もちもち感 ★★★★☆
銀座に志かわ(ぎんざにしかわ)
水にこだわる高級食パン 864円
行列のできる食パン店として、全国的な知名度を誇る『銀座に志かわ』。北陸では初となる店舗が、今年5月に金沢市駅西本町に誕生しました。
販売するのは〈水にこだわる高級食パン〉のみ。アルカリイオン水を仕込み水に使うことで、絹のように柔らかく、ほんのりとした甘みのある食パンの味を実現しています。
食べてみて一番に感じたのは食感の素晴らしさ。とくに程よい弾力と噛みごたえを残した耳の部分は衝撃的でした。
中の生地はきめ細かく、しっとりなめらか。オフィシャルの「淡雪のような口どけ」という表現が大袈裟でないことは、食べてみればわかります。
ほんのりとした甘さの中に感じる小麦の風味。これも素材を引き立てるアルカリイオン水の力あってこそなんでしょう!
トーストするとその甘みと風味がさらに強調。耳の部分もサクッとした食感となって、これまた違った美味しさが堪能できます。
採点
甘さ ★★★☆☆
きめ細かさ ★★★★★
もちもち感 ★★★★☆
新出製パン所(しんでせいぱんじょ)
加賀 匠 680円
金沢の高級食パンブームの火付け役ともいえる『新出製パン所』。浅野本町にある本店がオープンしたのは2011年。いまや北陸に数店舗を構える人気の食パン専門店として、広く知られる存在です。
昨年、日テレ系〈行列のできる法律相談所〉で紹介されたことで、話題にもなりました。
〈加賀 匠〉は、創業当初から不動の人気を誇る、お店の看板パン。今回登場するほかの食パンと比べても味わいがシンプルで「毎日食べるには一番かも」というのが率直な感想です。
シンプルとはいえ〈飴の俵屋〉のじろ飴や練乳による上品な甘さも感じられ、リッチな気分にさせてくれます。
食感は絶妙なしっとり&もちもち感を保ちつつ、軽やかな口当たりに仕上げた印象。
焼いても美味しいですが、トーストするならお店で販売する〈くるみ〉や〈ごしゅのちーず〉といった食パンがおすすめです。
採点
甘さ ★★★☆☆
きめ細かさ ★★★☆☆
もちもち感 ★★★☆☆
高匠(たかしょう)
湯種食パンKaga Rich 800円
2019年秋に金沢市藤江にオープンした、大阪発の高級食パン専門店『高匠』も忘れてはいけない存在。
小麦粉を熱湯でこねて低温で熟成させる〈湯種製法〉によって、日本人好みのもっちりとした、柔らかい食感を実現しています。
ほかの食パンと比べてサイズがひと回り大きく、ずっしりと重みがあるのが特徴。
ほんのりと自然な甘さで、時間が経ってもパサつきにく、小麦粉の素材本来の味も存分に感じられます。バターの風味もコクがあってgood!
トーストするとパリふわな食感。これも〈湯種製法〉のたまものなのか、焼いても食感がもちもちなんです。
お店では色んな種類のバターも売っていて、それらを塗っても美味しそうです。
採点
甘さ ★★☆☆☆
きめ細かさ ★★★★☆
もちもち感 ★★★★☆
1本700〜800円と食パンとしては高級ですが、どのパンもずっしりと身が詰まっていて、逆にコスパの良さを感じさせてくれました。
手みやげにも喜ばれるので、ぜひ試してみてください!
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)