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石川BMX界の本拠地『A-branch』が移転。なぜ今金沢に?

今年6月から、石川県出身のBMXプロライダーUNO YORK さんによるコラムが始まりました。

BMX熱が高まっているあなたに、新たなニュースです。

 

なんと今年8月、石川のBMXカルチャーをけん引してきたサイクルショップ『A-branch(エーブランチ)』がパワーアップして、金沢に移転したとのこと。

元々小松駅前で本店を、金沢市里見町でカスタムに特化した小さな店舗を営んでいた『A-branch』ですが、この2店舗を閉めて統合し、満を持して金沢の浅野本町に店を構えたそうです。

 

兎にも角にも、百聞は一見に如かず!早速、新しい店舗にお邪魔してきました。

 

 

金沢駅西口から浅野川にかかる七ツ屋大橋を渡ってすぐの場所。

大きく開けたオープンな入口と四角い看板が目印です。

 

広いスペースだからこそできる提案がある

 

店内にはいると、広々とした空間にスタイリッシュな自転車がずらりと並んでいます。

BMXはもちろん、街乗りに最適なクロスバイクやキッズバイクも。

そしてなによりパーツの種類が豊富!店内の1/3ほどはカスタムパーツのスペースとなっていました。

 

今回お話しを伺うのは代表の三滝隆久さん。

BMXライダーでもある三滝さんは、2015年に『A-branch』のオーナーに就任し、小松を中心にBMXの文化を広めてきました。

 

 

オープンおめでとうございます。かなりゆったりとしたスペースですが以前のお店と比べるとどのくらい広くなったんでしょうか?

三滝さん

ありがとうございます!小松にあった店舗の倍以上の面積があると思います。

新しいお店をこれだけ広い空間にしたのはどうしてですか?

三滝さん

そもそもそれが移転の一番の目的でしたからね。以前のお店だと、店舗にこの数のバイクを並べておくことが難しかったんです。在庫として種類を揃えてはあるんですが、お客さんの目の前にあって常に見てもらえるのと、話を聞いてから見てもらうのでは大きな違いがあるので。

実際にこの場で乗ることもできるのでしょうか。

三滝さん

跨って感触を確かめることは店内でもできますし、裏に試乗ロードもあるので乗り心地を体感することもできますよ。

前から「MARIN BIKES」のグラベルロードバイク127,500円、「ALL-CITY」のグラベルロードシングルバイク294,800円、「HOW I ROLL」のピストバイク88,000円。

 

以前からBMXを中心にいろんな自転車を取り扱っていらっしゃいますが、改めてどんな種類があるのかを教えてください。

三滝さん

BMXやキッズバイク、通勤通学などで使いやすいクロスバイクに、グラベルロードと言う未舗装路でも走れるロードバイク。あとは、変速機のないシングルスピードとマウンテンバイクですね。 全体的にスポーツ車というよりはファッションの一部として取り入れるストリートテイストのものを中心にセレクトしています。

一からパーツを組み合わせてオリジナルの自転車をつくることもできる。

 

ファッション性の強いカルチャーだからこそ、店内には洋服も並ぶ。

 

カスタムパーツもかなりの種類がありますよね。

三滝さん

元々うちで取り扱っている自転車はカスタムすることを前提としているものばかりなんです。例えば、キャンプが趣味の方は自転車にキャンプ用品を積んで走ることもあるんですが、それに見合わせたラックなんかを世界各国のいろんなブランドが出しているんですよ。うちの自転車の多くは、そういったラックを取り付けるために自転車本体に穴がいっぱいあいているんです。

本当だ!自分のライフスタイルに合わせた自転車になっていくというのが嬉しいですね。

三滝さん

一見何に使うのか分からないパーツもたくさんあるんですが、小さな細かいパーツにもひとつひとつメーカーのこだわりがあって、僕は自分が使いやすいものをセレクトしています。細かいところまでしっかり選ぶのがカスタムの楽しいところですよね。自転車にもトレンドがあるのでそういったところも押さえつつ、いろんな選択肢を提案していきたいです。

移転によって変化はありましたか?

三滝さん

まだオープンして間もないですが、客層の幅は広がっていると思います。丁度、ここから浅野川沿いを走って内灘方面や湯涌方面、福光の方に抜けるサイクリングロードがあるので、走るついでにフラッと寄っていただければ嬉しいですね。あとは、うちが主催しているBMXスクールの開催場所を今までは小松駅前のみで行っていましたが、今後は別の場所でも行っていく予定です。いろんなスポットを体験することは技術の向上にもつながりますから。

BMXシーンを石川全体でもっと盛り上げるために

 

UNO YORKさんが仲間と立ち上げた「ARES BIKES」のBMX(53,900円~)とキッズバイク(39,600円~)も。

 

今回の移転は広い店舗にすることが目的ということでしたが、BMXカルチャーの根付いた小松ではなく金沢にお店を構えたのはなぜだったのでしょうか?

三滝さん

単純に物件の価格や通勤の面もあるのですが、石川全域でもっとBMX人口を増やしていきたいと思ったときに金沢という選択肢を選ぶのもありだと思ったんです。

小松だけでなく、もっと広く捉えたということですね。

三滝さん

宇野くんの活動を始めとして小松ではストリートカルチャーをまちづくりに取り入れるようになってきましたが、現在の状態がベストかというとそうではないと思っていて。

と言いますと?

三滝さん

例えば今はBMXのできる広場とスケートボードのパークは完全に分かれているんですが、それをまとめてアーバンスポーツが楽しめる大きなパークがあってもいいと思うんです。今後は金沢を拠点として、BMXライディングの環境整備についての働きかけもしていきたいと思っています。

カスタムやメンテナンスを任されているスタッフの久保井清志郎さん。整備士免許を持ち、BMXのライダーでもある。元々小松店に通っていたそう。

 

スケーターの方からも、石川はパークが少ないと聞いたことがあります。

三滝さん

富山には大きい施設があって、そこからスケートボードのオリンピックメダリストも誕生しています。環境が整えば、石川のアーバンスポーツシーンももっと盛り上がると思うんです。今は第一段階として、BMX協会の立ち上げを考えています。そういった面でも金沢に拠点を持ってくることは利点が多いと思っていたんです。

協会の立ち上げですか。それは大きな一歩になりそうですね。

三滝さん

はい、頑張ります。後にも先にも、BMXの協会を立ち上げるならうちしかないと思うので。

 

「ARES BIKES」の直営店として2005年、小松にオープンした『A-branch』。BMXという軸を持ちながらも、オーナーが変わり、新店舗をつくり、今回は統合移転。時代に合わせて形を変えながらパワーアップしていく姿を見ていると、石川のBMXシーンの未来は明るいのだろうなと感じました。

 

但し、三滝さんも話していた環境の整備については、石川のアーバンスポーツシーンにおいて課題のようです。

大きな施設をつくるためには大きな力が必要。

 

昔からストリートカルチャーが根付いている石川だからこそ、アーバンスポーツの競技人口は急増しているそうです。にもかかわらず、環境が伴っていないという話は様々な場所から聞こえてきます。

石川県の各自治体の皆さま!

アーバンスポーツプレーヤーをごそっと集めるパークをつくるなら、今かもしれませんよー!

 

A-branch

石川県金沢市浅野本町ホ141-1第一中田ビル103

TEL. 076-255-1999

公式HP:A-branch

営業時間/12:00~20:00

定休日/無し

駐車場/4台

※こちらの情報は取材時点のものです。

 

(取材・文/西川李央、撮影/林 賢一郎)

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