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キャンプにも最適!石川県のご当地カップ酒を飲み比べてみた。

こんにちは、ライターの吉岡です。冷やおろしに秋上がりと日本酒が美味しい季節。今週末に開催される「サケマルシェ2022」を心待ちにしている呑兵衛も多いのではないでしょうか。

 

サケマルシェとは?
石川の地酒と美食の祭典と題したお酒をめぐるコミュニティイベント。県内28の酒蔵と、35の飲食店が「しいのき迎賓館」に集結する。

今日のキャンプは、なにを飲もうか。

ところでみなさん、キャンプのときはどんなお酒を飲みますか?おそらくビール派が大半かと思いますが、じつは日本酒(とくにカップ酒)がこれからの時期のキャンプにおすすめなんです。

 

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なぜ、キャンプにカップ酒がおすすめかというと、まずは携帯性の高さが挙げられます。一升瓶や四合瓶だとかさばるけど、カップ酒はコンパクトで持ち運びしやすいんですよね。しかも飲みきりサイズだから1杯目はすっきり系、2杯目はどっしり系といった感じでストーリー仕立てにすることもできる。いかに料理と酒を美味しく楽しむかもキャンプの醍醐味です。

 

 

こんな感じでシェラカップとバーナーで熱燗なんかもできちゃいます。これからの季節にはもってこいですよね。ちなみに僕は飲み終わった瓶をそのままコップにしたり、カトラリー入れとして使ったりもします。

 

さて、ここからは石川県の酒蔵がリリースするカップ酒の中から、気になったものを独断でセレクト。実際にキャンプをしながら飲み比べてみました。

 

HOMARE 佳撰 Hana cup

 

まずは羽咋市の『御祖酒造』から「HOMARE 佳撰 Hana cup」をピックアップ。御祖酒造といえば「遊穂」が有名ですが、こちらはそれよりもずっと前から地元で親しまれてきた銘柄。日々の晩酌に、冷やでも燗でもぐいぐいと呑むことができる日本酒です。梅の花(?)がデザインされたカップも可愛いですね。

 

中身はうっすらと黄色味を帯びた酒色と、鼻につくようなパンチのある香りが特徴。旨味は濃い目ですが、重たさはなくて後味もスッキリとしています。まさにキャンプ飯と一緒に楽しむ、食中酒にぴったりの味。ちなみに佳撰というのは普通酒のランクのことで、特撰、上撰、佳撰と各蔵元が独自の基準で付けているのだそう。佳撰はその中でも最も親しみやすいお酒。海外でいうところのテーブルワイン的な位置付けとなります。

 

商品名:HOMARE 佳撰 Hana cup
生産者:御祖酒造(羽咋市)
購入価格:260円(180ml)
購入したお店:酒の大沢

 

宗玄 隧道蔵カップ 純米酒

 

お次は珠洲市の『宗玄酒造』から、隧道蔵(ずいどうぐら)で熟成されたカップ酒をセレクト。隧道蔵とは、旧のと鉄道能登線にあったトンネルを改装した貯蔵庫のことで、宗玄酒造では十年ほど前からこの場所で日本酒の保管と熟成を行なっています。季節を問わずトンネル内が日本酒の保存に最適な12度前後に保たれることで、よりまろやかで深い味わいとなるのだとか。カップには「奥のとトロッコ鉄道」のキャラクターがデザインされています。

 

隧道蔵カップは、剣山、上撰、純米酒の3種類がラインナップ。剣山は普段から飲む機会も多いので、今回はちょっと贅沢に純米酒を選んでみました。ふむふむ、これは美味しい。剣山と比べてもスッキリとした味わいと喉越しの良さを感じます。クーラーボックスで冷やしてキリッと呑むのもアリかも?

 

商品名:宗玄 隧道蔵カップ 純米酒
生産者:宗玄酒造(珠洲市)
購入価格:550円(180ml)
購入したお店:金丸酒店

 

奥能登の白菊 純米吟醸

 

こちらは純米酒からさらにランクアップ。輪島市に蔵を構える『白藤酒造店』の純米吟醸酒です。精米歩合55%という、もはやカップ酒としてお手軽に呑むのが申し訳なくなるレベルのお酒。山田錦と五百万石の2種の酒米を独自の配合で組み合わせ、長い日数をかけて低温でゆっくりと醸しています。

 

味の感想としては、品のある吟醸香とやさしい甘味が印象的。いわゆる「カーっ」とくるような日本酒らしさはありませんが、旨味があるので辛口派の僕でも十分に楽しめます。これなら日本酒が苦手な人におすすめできるかも。ただし、ほかのカップ酒と比べるとスッキリしているので、濃い味の料理には合わないでしょう。

 

商品名:奥能登の白菊 純米吟醸
生産者:白藤酒造店(輪島市)
購入価格:540円(180ml)
購入したお店:酒の大沢

 

 

 

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長生舞 大吟カップ

 

つづいては津幡町の『久世酒造店』がリリースする長生舞の大吟カップをご紹介。酒米の最高峰である山田錦を硬水で仕込んだこだわりの大吟醸です。兵庫・灘五郷の酒に代表されるように、一般的に硬水で仕込んだ日本酒は輪郭のくっきりした辛口に仕上がるそうですが、一体どんな味なんでしょう。

 

う〜ん、美味い!硬水で仕込まれた日本酒は、その味わいから「男酒」なんて言われるそうですが、飲みにくさは一切なし。コシのある引き締まった味で、後味もスッキリしています。これは酔いが回ったあとに飲むのはもったいないので、アペリティフ的な感じでキャンプの序盤に飲むのがベストかもしれません。

 

商品名:長生舞 大吟カップ
生産者:久世酒造店(津幡町)
購入価格:429円(180ml)
購入したお店:金沢地酒蔵

 

高砂フラワーカップ

 

花柄のデザインが可愛いこちらは、白山市の『金谷酒造』が販売するカップ酒。ほかにもアジサイやアサガオなどがラインナップされているそうですが、地元の酒屋やスーパーのどこに行っても見当たらず。どうしてもこのレトロな瓶が欲しかったので、製造元まで足を運んで蔵の奥から引っ張り出してもらいました。カップ酒って飲み終わった瓶を活用できるのも魅力なんですよね。

 

中に入ってるのは、手取川の伏流水と酒造好適米を使って醸された清酒高砂。地元で長らく愛される同蔵のレギュラー酒になります。強いて言うなら海の幸よりも山の幸が合う印象ですが、スッキリとした味わいはどんな料理にもマッチ。最初に紹介した「HOMARE 佳撰 Hana cup」と並んで、とても親しみを感じる味でした。

 

商品名:高砂 フラワーカップ
生産者:金谷酒造店(白山市)
購入価格:297円(180ml)
購入したお店:金谷酒造店

 

天平 三年古酒 鬼ころし

 

ラベルのイラストが目を引くコチラは、七尾市にある『布施酒造店』の古酒カップ。布施酒造では「天平」という銘柄で3年、5年、7年と熟成させた古酒を販売していますが、こちらは3年物の古酒になります。ちなみにイラストは蔵元の兄で日本画家の布施謹爾氏が描いたものなのだとか。

 

中身は古酒だけあって、山吹色から琥珀色へと移りゆく最中の深い色合い。これまで紹介した日本酒とはまた違った、熟した果実のような甘めの熟成香がふわりと漂ってきます。個人的には氷を入れてロックで飲むと、ウイスキーのように香りが立つのでおすすめ。日本酒度数は19度前後と他よりも高めで、食後酒としても重宝する一杯です。

 

商品名:天平 三年古酒 鬼ころし
生産者:布施酒造店(七尾市)
購入価格:230円(180ml)
購入したお店:能登食祭市場

 

加賀の雪酒 凍結酒

 

最後に紹介するのはデザート感覚で呑める、食べられる凍結酒。金沢市の『中村酒造』が販売する加賀の雪酒です。中村酒造といえば「日榮」でお馴染みですが、こんな変わったカップ酒もあったんですね〜。

 

食べ方としては、水やぬるま湯につけて、ある程度溶けたら瓶ごとシェイク。こうすることで凍った部分が砕けてシャーベット状になるそうです。今回はクーラーボックスに入れて持っていったので、キャンプ場に到着した頃にはいい感じに溶けてました。気になる味はというと、お米の自然な甘さがあって、まさにデザートにぴったり。時間とともに味わいが変化していくので、最後まで飽きずに楽しめました。

 

商品名:加賀の雪酒 凍結酒
生産者:中村酒造(金沢市)
購入価格:460円(180ml)
購入したお店:酒の大沢

 

7種類のカップ酒を飲み終えて…

最後の方はさすがに酔いが回ったけど、想像していた以上に味の違いがあって、それぞれの個性を楽しむことができました。いまやカップ酒はおじさんの飲み物ではなく、若者にも親しまれるブームの最中。みなさんもこれを機会に、ぜひお気に入りの味を探してみてください!

 

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(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

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