カウンターカルチャーにフォーカスした加賀大聖寺のセレクトショップ
1960年代後半、体制や権力による支配からの脱却を目指し、アメリカの若者たちが中心となって世界中を席巻したカウンターカルチャー。これまでの歴史の中で人々が最も「自由」を叫び、謳歌したこの時代には、ロック、ヒッピー、サーフなど、自由という精神性のもと、さまざまなファッションが生まれた。
大聖寺駅前ロータリーの一角にあるセレクトショップ『YELLOW CAKE』
ハットにブーツが推しのスタイル
『YELLOW CAKE』は、1970年代のアメリカンカジュアルに現代的なエッセンスを注入したスタイリングを提案するセレクトショップ。扉を開けた瞬間から目に飛び込んでくる、カウンターカルチャーのイズムを受け継いだ世界観。国内ブランドはもちろん、アメリカ本土にてバイヤー自らが目で見て、手に取り、質や価値、利便性などさまざまな観点から厳選したアイテムを取り揃えている。
古き良きアメリカの街並みを彷彿とさせるネオンサイン。
『YELLOW CAKE』が最も得意とするのが、ハットとブーツを取り入れたスタイリング。「デニム&ブーツはアメカジを象徴するスタイル。ブーツに合うデニムをお好みのシルエットで提案しています。ブーツの魅力はなんといっても足元の存在感。革特有の重厚かつ高級な質感は、スニーカーとは違った雰囲気を演出できます」とスタッフの高澤さん。ハットは「MESHIKA」や「Sam Roberts LA」など、国内ではまだ取り扱いの少ないブランドも充実している。
ブーツは「RED WING」など、1940年〜1990年代に製造されたヴィンテージ物が中心。50,000円〜。
普段からハットを愛用するバイヤーが厳選。ヴィンテージ物のカスタムも行なっている。50,000円〜。
さらにはヴィンテージの魅力を引き出すメンテナンスやアフターケアも充実。ワークブーツのリソールやカスタムのほか、ハットやレザーアイテムなどのリペアも承っている。大聖寺駅前というローカルエリアにありながら客足が途絶えないのは、そうしたディテールを大切にしているからだ。
アメカジは着こなしひとつでダサくなる?
訪れたお客さんをコーヒーでもてなすなど「face-to-face」の接客も『YELLOW CAKE』の特徴のひとつ。「人と服が出会い、服で心が変わる。その瞬間を共有できることに喜びを感じながら、大切に愛されるものを届けたいと思っています」とバイヤーの安斉さん。
「ブランドによってサイズ感や着たときのイメージが変わるから」と、念を押すように試着をすすめるのも、ずっと使えるものを納得のいくまで選んで欲しいから。リアル店舗と通販サイトでの購入の大きな違いは、こうした試着や商品を実際に手にとって見ることができるところにある。
ライダースジャケットの代名詞でもある「SCHOTT」の品揃えが豊富。100,000円〜。
岡山デニムによる上質な生地が魅力の「MINEDENIM」など、現行品できれいめスタイルに落とし込む。20,000円〜。
ヴィンテージならではの色褪せ感が味のあるロックTシャツ。定番からレアな逸品まで充実。5,000円〜。
ヴィンテージの風合いを生かしたアクセサリー
アクセサリーはシルバーが中心。とくにアメリカのオールドコインを職人がひとつひとつハンドメイドによって製作する「PBD」が人気。オールドコインならではのヴィンテージな風合いが『YELLOW CAKE』が提案するスタイルと絶妙にマッチしている。
オールドコインを素材にしたハンドメイドのアクセサリー。バングル21,000円〜、リング9,800円〜。
サングラスはヴィンテージと呼ばれる、ボシュロム社が製造していた頃の「Ray-Ban」。ヘッドウェアにハットを合わせるなど、攻めたスタイリングを提案することも多いため、サングラスはあえて定番の「Ray-Ban」でシンプルにコーディネートするのがイエローケーキ流。
ガラスレンズが特徴的なボシュロム社の「Ray-Ban」。ヴィンテージにしかないモデルやカラーが楽しめる。
現行品(新品)とヴィンテージをバランス良く組み合わせることで、独自のスタイルを確立している『YELLOW CAKE』。最新の情報や注目のスタイリングはオフィシャルサイトで公開中。今回紹介したアイテムは同店が運営するオンラインストアでも販売している。
ストリートカルチャーが生んだ「ICETACHE」のアイスキャンディーも販売。コーヒーと一緒に。400円。
YELLOW CAKE
イエローケーキ
石川県加賀市熊坂町ニ7-5
TEL.0761-75-7476
営業時間/12:00~20:00
定休日/不定休
駐車場/あり
※こちらの情報は取材時のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)