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爆裂地方都市⑪|妄言!金沢市小学校改造論

僕らのローカルシティポップ【爆裂地方都市】
爆裂地方都市・金沢の地から、ホコリにまみれた名曲から知られざる新曲までを掘り起こす!石引のカレーマスター・モカさんがカレーの合間にしたためた〈俺だけのディスカバリー〉がここに。

早いもんで我が息子も3月で保育園を卒園して4月からピカピカの1年生になるんですが、成長を喜ぶゆとりもなく早くも小学校生活という恐怖に入学前から打ち震えています。

 

まず僕らは商売柄一般的な家庭と3〜4時間の時差があり、世間から見たら「宵っ張りの朝寝坊」な体質が五臓六腑に染み込んでいるので、朝9時までに保育園に送り届けることさえ至難の業でした。なのに小学校はさらに早くなり、登校タイムリミットは朝8時。逆算したら6時半〜7時には起床しなければならず、最低6時間睡眠を確保するためには24時、閉店後即帰宅してすぐ就寝しなければ間に合わない。あれ?大人の時間って24時からでしょ?(知り合いのパン屋さんは24時には既に起床してパンを捏ね始めてると言ってて卒倒しましたが)。保育園なら多少遅れてもお咎めなしだったのが小学校は遅刻扱い。うーん、早く1人で起きて朝ごはん作って食べて準備して登校してもらうように仕込んでいくしかないですね。

 

学校に行ったらこっちのもんだと思いきや、小学生は3時には帰宅…早い!早すぎる。今の時代3時に帰宅して家に家族が待っている家庭の方が少ないでしょ!世の中まだまだ「お父さんが働いて、お母さんが専業主婦で、もしくはおじいちゃんやおばあちゃんが同居している」ってサザエさん一家みたいな家庭が前提で作られてる社会の仕組みやルールが多い気がするような。学童も預けたら預けたで、夏休みは毎日弁当を作らなきゃいけなかったりで大変とのことなので、例えば小学校を8時〜15時の朝クラスと10時〜18時の昼クラスの二部制にして家庭の事情に合わせて選べるとかできないですかね。わがままかしら?皆さんどうされてるんでしょうか。

 

コロナ禍になって出勤時間をずらせたりテレワークで在宅勤務できるようになったりして「あれ?じゃあ今まで全員同じ時間にとか朝礼とかはなんだったんだ?」てことが起こったように、「そういうもんだから」「みんなやってるから」「決まりだから」と疑いもせず盲信してたことを一旦リセットできてセルフ洗脳が解けたら社会は良くなるのか、それとも混乱するのか。

 

そして僕は他県から移住してきたのと子が小学生になるまで当事者じゃなかったので意識してこなかったけど、金沢市の小学校はほぼ全校制服なんですね。厳密には制服ではなく襟なしブレザー、半ズボンorスカート、黄色い帽子(+白いシャツ、白い靴下)という「標準服」で、市内の54校の小学校のうち51校が採用している共通の型の服。まぁ事実上の制服です。金沢市で私服の小学校は、伏見台小学校、富樫小学校、十一屋小学校の3校のみ。じゃぁこの3校は学校側が標準服に反抗して拒否したのか私服派の保護者からの反対運動があったのか、それとも学生服メーカーとのしがらみがなかったからなのか気になります。誰か教えてください。

 

全国の小学校では登校時に私服が75.7%、制服が20.4%、体操服が3.9%らしいので約8:2の割合で私服なのに対して、金沢では制服51校:私服3校、私服小学校は1割もないんですね。なぜそうなったかを検索してみたら「高度成長期や(前回の)東京オリンピックで子どもたちの服装が華美になって乱れてきたから制服を導入しましょうと保護者からの要望(!!)で昭和38年からから検討されてきた」そうです。てことはまさに森喜朗元総理くらいの世代の親たちが50年前に動いたんですね。金沢の「保守思想と制服志向」って関係あるのかな?

 

【参考】石川県の小学校は、なぜ「制服」のところが多いの?(Jタウンネット)

 

学生服メーカーのKANKOのアンケート調査によると「私服の小学校で困ったことがある」親が約30%、ない親が70%だそうで、7割が私服肯定派。困ったことがある3割の多くが「毎日何を着せるか困る」という親のスタイリスト放棄問題で「私服代にお金が掛かる」「成長期ですぐに着られなくなる」など経済問題が次点。あとは「他の子と差が出る」「服装のことで差別やいじめ・仲間外れが起きる」「公私のケジメがつかない」「服装が派手、だらしなくなる」といった私服性悪説。世の中には私服がない方がいいという親がいるんですね。小学校では生まれた所や皮膚や目の色や服装で差別やいじめが起きない多様性を教えて欲しい。調べたら私服で登校する時もあるみたいで学校から「この日は自由服で登校してください」と連絡があると。ホントに?私服じゃなくて自由服って呼ぶ方も変ね。標準服でも自由服でも選べる「自由」があればいいのにと着道楽の私は思います。服は楽しいですよ。

 

【参考】「制服のない小学校」(KANKO)

 

あと金沢市は(というか日本のほとんどは)登校の際のカバンは全員迷わずランドセル一択のみなんですね。これも何なんでしょうか。そして子どもが背負うものなのに訳分からんくらい重い&高いし。子どもの年齢とランドセルの金額の割合を大人に変換したらエルメスのバーキン買えるぞ!(買えない)。付け加えるならばランドセルは祖父母が孫に買ってあげるしきたりがあるんだなってことがランドセル売り場の売り文句を見てたら分かりました。

 

僕が育った鳥取県米子市(とその他ごく一部の地域)では、ランドセルより軽くてランドセルより激安の5,000円くらいで購入できる「ランドナップ」というリュックが主流なんで、子どもが通う金沢市の小学校にランドナップ通学でも大丈夫か問い合わせてみたら「ランドセルじゃないとダメってことはないけど生徒の100%がランドセルなので前例がない」とのこと。…これじゃ「1人だけ違う」というイジメや仲間外れがなかったとしても子が「みんなと一緒のランドセルがいい」となる可能性が大かなということでランドセルにしましたが。

 

【参考】ランドセルより軽くて安い!ナップランド(ランドナップ)使い心地はどう?(雨の日 demo イイコト)

 

郷に入れば郷に従えで、みんな小学生になると疑いの余地なく標準服とランドセルがセット。逆に小学校が「どんな服装でもカバンでもでもいいですよ〜」ってなったら保護者が困って「どんな服装が目立たず無難か」を申し合わせてしまって結局は「標準自由服」ができたりして。金沢市の事例じゃないですが、最近は行き過ぎた指導もあるようで「体操服の下の肌着の着用を禁止」「高学年でもブラジャー禁止」みたいなとんでもないルールが知らん間に定着してたというニュースがあります。ほら、金沢もシャツや靴下は白じゃないとダメとかいうルールそろそろ変えれませんかね。大坂なおみ選手の生き様がかっこいい時代。黒や黄色がダメとか古いよ〜。時代はズボンもスカートもないレインボーカラー!以上、モンスターペアレント漫談でした。

 

本日の名曲

ぶんけかな「ドキドキドン!一年生」

作詞:伊藤アキラ

作曲・編曲:桜井順

キャニオン・レコード(1986年)

 

 

 

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執筆者プロフィール

モカ
学生街のブラッスリー『JO-HOUSE 石引』2代目カレーマスター/私設公民館『じょーの箱』大家さん。もうすぐ若者ぶらずにおっさんの武器も使えるいちばん旬なとき、さみしさは昔よりも現実味おびてきたね…でも明日はくるSweet Sweet 44 Blues。

URL:JO-HOUSEホームページ
ツイッター:@MoCurry
フェイスブック:@モカ ジョーハウス
インスタグラム:@mocurry

 

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