続・オリンピックグッズ|中正彦のボクの買い物かご #05
※サムネイル写真出典:ロルバーン20周年特設サイト
前回のコラムでもオリンピックグッズについて語らせていただきましたが、今回もまだまだ続きます。
聖火トーチ
じつは東京2020オリンピックで使われた吉岡徳仁さんデザインの聖火リレートーチ(¥71,940)をスポンサーイベントにて入手する予定だったのですが、イベントがコロナ禍によって中止となり、残念ながら入手できなくなってしまいました。ちなみにメルカリでは、早くも88万円で出品され売れています。
ちなみにボクは、前回の東京オリンピックで使われた柳宗理デザインのものは元箱付きで持っています。吉岡徳仁デザインも購入して2点揃えたかった…残念です。
柳宗理デザインの聖火リレートーチは、何年か前の金沢21世紀美術館での〈柳宗理デザインくらしとかたち展〉でも展示されていましたが、現在の尾張町の柳宗理記念デザイン研究所が谷口吉郎建築の金沢市西町教育研修館(旧石川県繊維会館)に移転後には、聖火筒とセットで常設展示されるようです。
東京2020オリンピック聖火リレートーチ(写真出典:綾瀬市役所)
1964年東京オリンピック聖火トーチ(写真出典:柳工業デザイン研究所)
そしてあまり取り上げられない聖火台にも注目です。今回の東京2020では、佐藤オオキさん率いるnendoが担当していました。
聖火トーチデザインは柳宗理さんから吉岡徳仁さん・佐藤オオキさんと、今のプロダクトデザイン界隈を考えると妥当な選出だったように思います。個人的には、これらに佐野研二郎さんのオリンピックエンブレムが入っているのも見てみたかったなと思います。
東京2020オリンピック聖火台
東京2020グッズ
東京2020オリンピック現行グッズで今回ボクが購入したものといえば、フィリップ・ワイズベッカーさんが新国立競技場を描いた東京2020オリンピック公式アートポスターシリーズと、前回の東京オリンピックの亀倉雄策さんデザインのヘリテージシリーズ、あとはだるまや赤べこの郷土玩具シリーズぐらいです。
ちなみに現在、東京のGALLERY CLASKAにて開催中のフィリップ・ワイズベッカー作品展「PHILIPPE WEISBECKER / in sight」にて、この公式アートポスターの原画が展示されています。
オリンピック公式アートポスター
オリンピック公式ヘリテージシリーズ、オリンピック公式郷土玩具シリーズ(写真出典:東京2020オフィシャルオンラインショップ)
今回ボクがオリンピックグッズについて一番書きたかったネタは、このオリンピックマスコットのグッズについてです。やっと辿り着きました!
オリンピックマスコットグッズ
ボクは現在46歳。記憶にある最初のオリンピックは、ロサンゼルスオリンピックです。
開会式でロケットマンが飛んでいた映像が、うっすらと記憶に残っています。(カール・ルイスの活躍もビートたけしのスポーツ大将のカール君も)
公式マスコットのイーグルサムのアニメーションが放送されていたのも、うっすらですが記憶にあります。この頃からオリンピックの商業化が始まっていきました。
コカ・コーラなどのスポンサーから出たイーグルサムのノベルティグッズは今でもよく目にしますが、ボク個人的には、元ディズニー出身のデザイナーによるできすぎたデザインのキャラクターにはあまり興味がわきません。もしかすると、もっと時間が経てば、懐かしさによるカッコ良さ〈なつカッコいい〉に変わるのかもしれません。
ロサンゼルスオリンピックマスコット イーグルサム
ボク的な〈なつカッコいい〉というのは、自動車で例えると旧車とまではいかないボルボ240あたりでしょうか(より分かりにくい⁈)。そのあたりの今丁度いい〈なつカッコいい〉オリンピックグッズは、ソウルオリンピックのホドリだと思います。
ぬいぐるみやキーホルダーなど今見ると意外にカッコいいし、今なら安価で海外ネットオークションなどに転がっています。ボクはここ2、3年買い漁っています。
ソウルオリンピックマスコット ホドリ
今年のSeoul Art Book Fairに合わせて出版された「88 Seoul アーカイブブック」は、少年時代にソウルオリンピックを体験したデザイナーのチェ・ジウン氏が、自身のコレクションをもとに編集したアーカイブブック。こちらはハングル文字で読めませんが、アート写真集としてもカッコいいのが分かります。
88 Seoul アーカイブブック
あとはベタですが、今も人気のあるモスクワオリンピックのこぐまのミーシャでしょうか。
ボクも20年前には、ロシアから、ロモやスメ8、マトリョーシカと一緒に、社会主義国っぽい匂いが残るミーシャのグッズをよく輸入していました。
現在は一時期の人気も落ち着き定番モノとして価格も定着し、ロシア雑貨の代表的存在として日本の雑貨屋さんにもよく並んでいます。
モスクワオリンピックマスコット ミーシャ
ミーシャの人気が爆発していた頃にはすでにボクのミーシャ熱は冷め、オリンピック初マスコットキャラクターであるミュンヘンオリンピックのヴァルディ(ダックスフンド)とモントリオールオリンピックのアミック(ビーバー)を集めていました。
コレは今も普通にカッコいいですし、オリンピックっぽくないのが魅力。ヴァルディは今でもドイツの蚤の市やミュンヘンの雑貨屋さんで見かけたときには買ってしまいます。
アミックに関しては、元々グッズ展開が少なく、カナダという土地だからなのか今ではなかなか見かけません。
ミュンヘンオリンピックマスコット ヴァルディ
モントリオールオリンピックマスコット アミック(写真出典:オリンピック公式HP)
ボクが今も昔も見つけるとつい買ってしまうのは、冬季オリンピックですがグルノーブル(フランス)のマスコット シュスです。
夏季冬季含め、オリンピック歴代マスコットの中でも1番の秀逸なデザインマスコットだと思っています。
グルノーブルオリンピックマスコット シュス
ボクとシュスの出会いは25年前。初めてのフランスでクリニャンクール蚤の市を訪れた際に、ブルボンキーホルダーをたくさん並べる店で、フレンチキーホルダーに混じって並ぶシュスのキーホルダーを見つけたのが始まりです。
当時まだEUヨーロッパ連合はまだなくて、通貨もユーロではなくフランス フランのとき。シュスのキーホルダーは日本円で2000円弱ぐらいとなかなかに高価でしたが、何か分からないまま自分が思うカッコいいという感覚だけで買いました。
25年前はスマホはもちろんGoogleもまだサーチエンジンすらもない時代。「地球の歩き方」といろいろ調べたメモや雑誌の切り抜きとドキドキだけをトランクに詰めて海外へ行く時代でしたので、シュスについてはその場で調べることもできませんでした。
日本に帰ったあといろいろ調べてオリンピックマスコットと知り、蒐集するようになりました。
この何ともいえない、多分デザイナーも入っていないであろう狙った感がないデザインのマスコットは、今の商業全開のマスコット全般に見習ってほしい趣があります。
のちに生前の柳本浩市さんにこのことを話したら、シュスのいろいろなグッズやオリンピックの紙モノなどのコレクションを見せてくれ、あふれんばかりのオリンピック周辺情報を教えていただきました。
柳本浩市さんが健在で今回のオリンピックを観たらどう思ったのか、どう関わったのか、見てみたかったなとつくづく思います。
2回に渡り長々と続いたオリンピックグッズについてのボクの買い物ですがこれにて
お・わ・り・ま・す
終わります🙏
(滝川クリステル風に)