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ボクの買い物かご|第10回:続・神社仏閣の授与品

雑貨屋オーナー中正彦の【ボクの買い物かご】
職業柄、日々いろいろなモノを見て・買っている雑貨屋『Joiner』のオーナーが、実際に購入したモノや気になっているモノなどを取り上げ、その魅力や背景、そしてデザイン性までを語るコラムです。

 

ボクの買い物かご|第9回:神社仏閣の授与品を読む

 

前回のコラムで書き切れなかった、神社仏閣の授与品について、続けたいと思います。

まずは、中原中也や室生犀星も幼少期にここの境内で遊んでいたという、野町「神明宮」のあぶり餅神事で授与されるあぶりもち。これは、祭毎に供える餅を御幣形に串刺しにしたもので、飾って家守にするもの。食して、身体の災厄から免れるものもあります。

家で半年も飾っておくと、お餅がパキパキと割れてくるのですが、それも何かカッコいいです。そんな様子を見るとまた、次のあぶりもち神事が近いなと感じます。

 

お神明さんのあぶりもち神事は、春季と秋季の年2回開催される例大祭で、三百年以上続く悪事災難厄除伝統特殊神事として、全国的に有名です。このあぶりもち神事に併せて、お神明さんの御神木神明の大欅にあやかり、欅木製の限定特別御朱印も頒布されます。

 

「神明宮」あぶり餅

 

あぶり餅や、前回で紹介した神符など、シブめのモノもイイのですが授与品ではやはり、POPな招き猫やだるまなどの縁起物(郷土玩具)も外せません。

招き猫では世田谷「豪徳寺」や大阪「住吉大社」の初辰さんなど、だるまでは高崎の「少林山達磨寺」のモノでしょうか。ボクもお店をオープンするときには少林山達磨寺さんに、オリジナルのだるまを制作して頂きました。

 

「豪徳寺」の招き猫

 

大阪「住吉大社 楠珺社」 初辰まいりの招福猫

 

「少林山達磨寺」のだるま

 

縁起物や郷土玩具の魅力は、話し始めると尽きることがなく…、本当なら招き猫なら招き猫、だるまならだるまでコラムを1回ずつ設けたいくらいなのですが、大大大ボリュームになってしまうので、ここでは全国の主だったモノを挙げたいと思います。(ますが、詳しくはまた改めて書きたいと思います。)

日本にはまだまだたくさんの縁起物があります。

京都なら伏見稲荷神社前。日本の土人形発祥といわれる、丹嘉の土人形や、奈良「信貴山朝護孫子寺」の虎の張り子、福岡「太宰府天満宮」を始めとする全国の天満宮で行われる、鷽替え(うそかえ)神事の木鷽など。

 

丹嘉の土人形

 

信貴山「朝護孫子寺」虎の張り子

 

幸運を招くとされる鳥、鷽(うそ)の木彫りは、「年におきた悪いことを嘘(鷽)にして今年の良いことに取り(鳥)替える」ことを願うお守り。全国各地の天満宮で人気。

 

縁起物はまだまだありますが、石川県ではやはり「安江八幡宮・金沢水天宮」の加賀八幡起上りでしょうか。

これは八幡大神の誕生時、真紅の錦で包んだという産着姿になぞられて「八幡起き上がり」と名付けられました。今でも「中島めんや」で代々作られ「安江八幡」でご祈祷されたモノが社業繁栄・商売繁盛のお守りとして授与されています。

 

「安江八幡宮」の加賀八幡起上り

 

今では和菓子「金沢 うら田」の加賀八幡起上もなかや、地元金沢のグラフィックデザイナー田中聡美さんがデザインした石川県のゆるキャラ、ひゃくまんさんのモデルとしても知られております。

ちなみに「乙女の金沢」のフライヤー、起上りキャラクターのデザインも田中聡美さんによるものです。話はそれますが「金沢 うら田」の加賀八幡起上もなかは、予約をすると白い起上もなかも作って頂くことができ、紅白の加賀八幡起上もなかセットを作ることができます。北陸新幹線開通時と5周年時には、金沢らしい金色の加賀起上もなかも限定発売されました。

 

北陸新幹線開通5周年を記念して販売された、金色の加賀八幡起上もなか。

 

今では、御朱印ガールとかブームになっている御朱印ですが、ボクが集め出した20年以上前には御朱印帳というと仰々しいモノしかありませんでした。そんな中で「安江八幡宮」から加賀八幡起上りがドカンとデザインされた逆に振り切った御朱印帳が作られました。このカワイイのかコワいのか分からない真っ赤な御朱印帳今でも使っています。(いつも家に置き忘れて出掛けてしまい、書き置きの御朱印ばかりが溜まっていきますが…)。

 

 

「安江八幡宮」の加賀八幡起上り御朱印帳

 

最近では、志村けんのバカ殿様着物柄デザインのモノ、鎮守氷川神社×横尾忠則のコラボレーションものや、グルーヴィジョンズなどのグラフィックデザイナーものなど御朱印帳は世知辛い状態。個人的にはハローキティなどキャラクターものはどうかと思っていますが、この手の意外なアーティストとのコラボレーションものはキライではありません。

 

志村けんのバカ殿様 着物柄デザイン御朱印帳

 

鎮守氷川神社×横尾忠則 西陣織 御朱印帳(画像出典:Begin NEWS

 

 

御朱印帳と御朱印まわりについても色々ありますので、また別の機会で紹介したいと思いますが、地元金沢の珍しいモノをひとつだけ紹介します。

それは近江町市場の前身住吉市場にあった「住吉神社」がスカイビル建設に伴って、当時の名鉄丸越屋上へと遷座された武蔵住吉神社の限定御朱印です。「金沢エムザ」の3階屋上に遷座されたこの「武蔵住吉神社」も半世紀近くが経ち、古くなり去年社殿が大規模改修されました。

それを祝う慶賀祭で、この日の為だけ限定の御朱印が作られ、頒布されました。

 

「武蔵住吉神社」の御朱印

 

「金沢エムザ」には3階屋上のこの「武蔵住吉神社」と、実は9階屋上にも昭和10年の名鉄丸越百貨店創業当時に建立された「武蔵稲荷神社」も鎮座しています。

そして「香林坊 大和」の屋上にも、遊園地プレイランド奥に「大和稲荷神社」が祀られていますし、今は亡きラブロ片町(現片町きらら)の屋上にもお稲荷さんが鎮座していました。意外にも、こういった昔からある商業ビルの屋上や老舗企業の敷地内には、神社があったりします。

金沢の100年企業で、ビーバーでも有名な「北陸製菓 hokka」の工場敷地内にも神社が祀られていますが、こういった意外な場所にある珍しい神社巡りもアリかもしれません。

 

「金沢エムザ」3階屋上、武蔵住吉神社。

 

またまた脱線してしまいましたが、話を戻して最後はやはり授与品といえばこれ、御守りで締めたいと思います。

現在では御守りも御朱印帳と同様に、色々なモノがありとっ散らかっています。そしてとっ散らかっていると言えば、ボクのこのコラム。〆切が過ぎてしまっているのにまだまだ書きたいことが尽きずに、終わりどころが分からなくなっています。ボクのように締め切りを守れない方には、こんな〆切守をご紹介して終わらせて頂こうかと思います。

 

それではまた次回につづく。

 

「武蔵野坐令和神社」の〆切守

 

 

◯雑貨屋オーナー中 正彦の【ボクの買い物かご】

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執筆者プロフィール

中正彦

石川県能美市『Joiner』店主。人のより良い暮らしを周囲のモノから考え、国籍や年代またジェンダーを越えた良品や新旧問わないデザインを世界各地からセレクトし、独自の世界観でミックスして見せることで、トレンドとは一線を画したスタイルを提案する。

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インスタグラム(オーナー):netugetatakan

 

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