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DTMブログの人気に火がつき!音楽が仕事になったギグワーカー|Funa先生の音楽室 #05

ここは金沢市内にある隠れ家的音楽スタジオ「MAM」。音楽クリエイターFunaの作業部屋であり、DTM(デスクトップミュージック=パソコンで作曲すること)の教室も開かれているクリエイターの交流の場です。今日もまた「音楽の手作り」を楽しむ人が遊びにやってきました。

 

Funa先生(以下Funa):今回スタジオに来てくれたのはzunx2(ずんずん)さんです。新しい働き方として注目されているギグワークを取り入れ、特定の雇用を受けないことで自由な時間を手にし、音楽を中心にいくつかの仕事をこなしているとのこと。どのように今のライフスタイルになったのか興味深いところです。ようこそ!

 

zunx2さん(以下zunx2):よろしくお願いします!

 

(写真左から)Funa先生、zunx2さん

ギグワークはインディーズ精神に似ている。

Funa:まずはギグワークについて教えてもらってもいいですか?

 

zunx2:はい。ギグワークとは、会社などに雇われずに単発で働き報酬を得るという労働スタイルです。フードデリバリーなんかがまさにソレで、ここ数年、その人口は増加傾向にあります。

 

Funa:なるほど。フードデリバリーはここ数年で一気に増えましたよね。それだけで全然やっていけている人もいると聞きます。

 

zunx2:僕もフードデリバリーなどの音楽とは違う分野の仕事もしつつ、自分の大好きなDTMを活かした音楽の仕事もやっていて、自由な働き方を実現できています。会社などに守ってもらえない厳しさがある一方、ライフスタイルが多様化する中で自由がきくというのは大きな魅力ですね。自分には向いていると実感しています。

 

Funa:まさに事務所やレーベルに所属せずに活動するインディーズミュージシャンに似てますよね!一昔前はメジャー契約をせずにインディーズで「食べていく」というのは難しかったですが、今はインディーズでもうまくいっている例はたくさんありますから。

 

zunx2:確かにそうかもしれません。僕自身、インディーズでバンド活動していた経験がありますし、現在は仕事で地元のインディーズミュージシャンと関わる機会も多いので、そういったインディーズ精神はよくわかります。

ライブが好きで年間出演本数が1位に。

Funa:そんなzunx2さんですが、音楽を始めたのはいつ頃ですか?

 

zunx2:高3の頃です。幼なじみにベースがうまいヤツがいて触発されました。彼がベースだったので僕はギターを始めました。

 

Funa:あえて違う楽器にしたんですね。同じ楽器を選んで教えてもらうではなく、違う楽器を選んでバンドを組むっていうのは、まさに学生バンドあるあるですよね(笑)。それではバンドも始めたんですか?

 

zunx2:はい。その年の高校の文化祭で早速ライブをしたんですが、初ライブはグダグダで大失敗でした(笑)。

 

Funa:それも学生バンドあるある(笑)。微笑ましいです。その後、バンド活動はどうなりました?

 

zunx2:そのときのバンドは高校生までで。その後、地元の大学に進学して軽音部に入りました。それからずっとコピバン(注1)をやっていたのですが、大学4年ではじめてオリジナル曲を作りました。

※注1…コピーバンドの略。オリジナル曲ではなく、有名なバンドの曲を演奏して活動するバンドのこと。

 

Funa:そのときのオリジナル曲はDTMで作ったんですか?

 

zunx2:いえ、そのときはまだDTMをやっていなくて。ひとりで楽器を弾きながらとか、部室などでメンバーと音を合わせて作るといったスタイルでした。

 

Funa:現在のDTMスタイルの確立の前に、生楽器、生演奏を基本としたバンドスタイルもしっかり経験しているわけですね。

 

zunx2:バンド活動にはハマりました。僕がボーカル&ギター、他はギター、ベース、ドラムの4人編成だったのですが、みんなライブが大好きだったので、誘いがあったライブを全部引き受けて出演していたら、その年のvanvan V4(注2)の年間ライブ本数1位になり、記念品としてライブの時にステージのバックに飾る旗を頂きました。

※注2…金沢の老舗ライブハウス。1981年創業で昨年(2021年)40周年を迎えた。

 

Funa:それはスゴイですね!大学卒業後の音楽活動はどうですか?

 

zunx2:卒業後は就職で名古屋に行くことになります。ただ、そこがいわゆるブラック企業で…。1年ほどで退職して、地元に帰ることになりました。

 

Funa:それは大変でしたね。今の働き方に繋がる伏線ですかね。

 

zunx2:はい。ただ、そこからすぐにギグワーカーになったわけではなくて、地元で再就職しました。そして、あらためてバンドも始めたのですが、そのバンドは1年ほどで解散してしまいます。

 

Funa:社会人バンドの継続は学生バンドよりも色々ハードルありますよね。

 

zunx2:そうなんです。

 

バンドを組まずともロックサウンドが作れる。

 

zunx2:それでも音楽を続けたい気持ちがあってどうしようかと悩んでいた時に、石川出身でロック系のボカロP(注3)ダルビッシュPさんの影響を受けてDTMを始めることにしました。バンドを組まずにバンド時代のようなロックサウンドで音楽活動するには「コレだ!」と思ったんです。24才の頃です。

※注3…歌声合成ソフト「ボーカロイド」で作曲活動するクリエイターを意味するボーカロイドプロデューサーの略。

 

 

Funa:ダルビッシュPさんは同郷のDTM系クリエイターということで僕も面識あります。全国的なヒット曲もあってスゴイですよね!その頃、DTMを始めたということは僕のレッスンに来られたのと同時期ですね。

 

zunx2:はい。自力で遠回りするより、専門家に聞いた方が早いと考えて、DTMを始めて間もない段階でFuna先生のDTMレッスンを受けることにしました。

 

Funa:そこから一気にDTM活動が盛んになっていきましたよね。自身の作品をニコニコ動画に投稿したり、学んだ知識や経験を自分なりにまとめたDTMブログを書き始めたり、すごく頑張ってるなと思って感心しました!

 

zunx2:おかげさまで投稿した楽曲が数万回再生されたり、ブログのPV数が伸びてカテゴリランキングで上位になったりと成果を実感できるようになり、もしかしたら音楽を仕事にできるかも!?と考えるようになりました。

 

Funa:そういった目に見える結果を出したことと熱意を買って、僕がDTMレッスンの講師に誘ったんです。DTM業界を盛り上げてくれる仲間が増えたことをありがたく思っています。

 

zunx2:ありがとうございます。それが27才の頃ですね。20代はひたすら音楽に打ち込みました。DTMレッスンは最初は副業でのスタートでしたが、のちに会社を退職しました。

 

Funa:思い切りましたね。

 

zunx2:僕は音楽のスタートが遅く、軽音楽部時代も1番最初に辞めそうと思われてたポジションでした。才能はゼロだと自覚しているのですが、DTMは心から好きだった。今ではフリーランスになって音楽、DTMを柱としていくつかの仕事を兼業しています。音楽一本ではないが音楽で収入を得て、ギグワーカーとして生きる今の生活に満足しています。

 

Funa:今後の展望はどうでしょう?

 

zunx2:これからもDTMの楽しさを発信していき、自分の周りに音楽好きが集まるような生活をしていきたいです。

 

Funa:それは頼もしい!今後ともよろしくお願いします。

 

zunx2:よろしくお願いします!

 

zunx2‘s音楽室

 

■使用DTM機材

OS : Mac
DAWソフト : steinberg / CUBASE PRO 11
オーディオインターフェイス : Universal Audio / APOLLO TWIN MKII QUAD
ダミーロード&キャビネットシミュレーター : Universal Audio / OX
MIDIキーボード : Roland /A-49-BK
スピーカー : YAMAHA / HS5
ヘッドホンアンプ : RUPERT NEVE DESIGNS / RNHP
ヘッドホン : YAMAHA / HPH-MT120
マイク : Lewitt / LCT240 Pro

ギター :D-SOUND GEAR / Motive Custom、Scoop / ST-’62、YAMAHA / FS-TA

アンプ :Peavey / XXX、Mesa Boogie / Triple Rectifier、Marshall / DSL 15H

 

■アーティスト情報

zunx2

ブログ:https://zunx2dtm.com

ホームページ:https://zunx2dtm.wixsite.com/zunx2studio-1

YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC4xJ3JZNPLQBGQqCza1um-A

 

 

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公式HP:MAM – music and more-
Instagram:@funa_music_and_more
Twitter:@funa_man
YouTube:音楽クリエイターFunaのDTMチャンネル

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