ご先祖の屋号を後世に残せるような活躍を目指すクリエイター|Funa先生の音楽室 #09
Funa先生(以下Funa):いつもは僕のスタジオで取材をしている当コラムですが、今回は金沢歌劇座に来ております。こちらでおこなわれる【ほくりくアイドル部5周年記念感謝祭】というコンサートに仕事で関わっており、取材当日(2022年4月23日)は本番前日で仕込みの真っ最中です。というわけで、今回はこちらの現場で僕のアシスタントをしてくれる、じんにょもんサンとDTMトークをしていきたいと思います。
ほくりくアイドル部5周年記念感謝祭@金沢歌劇座 機材ブース
じんにょもん:こんな大規模なコンサートのお手伝いができて光栄です。よろしくお願いします。
Funa:今回、僕達はこのコンサートに音楽マニピュレート(※注)として参加しています。
※注…マニピュレート=操縦。音楽に限らず様々な分野で使われる言葉だが、音楽業界の場合はコンサートの際、生楽器以外のコンピューター制御による音の再生をする仕事。
じんにょもん:コンサートの流れを完璧に把握していたり、機材に熟知していないといけない難しい仕事だと思います。アシスタントを通してFuna先生の仕事ぶりを勉強させてもらいます。
Funa:がんばりましょう!と言いつつも、今現在は空き時間でしてコラムのインタビューをしていこうかと(笑)。早速ですが、じんにょもんって変わった響きですよね。何か由来はあるのですか?
じんにょもん:実は亡くなった祖母の家の屋号なんです。現代では屋号といえば個人事業主の商業上の名を指すことが多いですが、昔は一門や一家の特徴を元に各家に付けられる称号があったんです。
Funa:へえ!そんな歴史的な由来があったんですね。
じんにょもん:そうなんです。今となってはなくなりつつある風習の一つなのかもしれません。じんにょもんという名前も祖母が亡くなってから継手がおらず、なくなりかけていました。そこで僕が音楽活動をする際の名義をじんにょもんにしようと考えたんです。
Funa:それは素晴らしいです。不思議な響きを持つ名前の謎が解けました。
独学で始めたギターに悪戦苦闘した中学時代。
Funa:では、じんにょもんサン自身の音楽の歴史を聞かせてください。音楽をはじめたきっかけは?
じんにょもん:小3の頃、友達がドラムを習っていて、演奏をしているところを見せてもらったらすごく感動したんです。それで、自分も何か楽器をやりたい!と思うようになりました。
Funa:では、その頃から音楽をはじめたんですか?
じんにょもん:いえ、その頃から親に楽器をやりたいと言うようにはなったのですが、実際にはやらせてもらえませんでした。その後、小6の担任の先生がギターをやっていて、教室に持ってきていたギターを触らせてもらうなんてこともあり、憧れが大きくなりつつも始められないままでした。
Funa:その憧れが現実のものとなったのはいつなんですか?
じんにょもん:中1の冬です。小学生の頃からずっと親に楽器をやりたいと訴えていた甲斐があり、ある日、父親が知り合いのギターの先生からギターをもらってきてくれたんです!
Funa:長年の想いが実を結んだんですね。
じんにょもん:嬉しかったです。ただ、その先生にはギターを譲って頂いただけで習ったわけではないので、そこから先は独学で苦労しました。ギターのことが何もわかっていなくて、チューニングのことすら知らずにやっていましたから(笑)。
Funa:その気持ちわかります!僕も音楽を始めたときは独学で楽譜が全く読めなくて、すごく苦労しました。実際の音楽を聴きながら楽譜を眺めて、こういう音が聞こえる時に楽譜にはこんな記号が書かれているからきっとこういう意味なんだろう??なんてカンジで、まるで暗号解読でもするかのようなことをしていました(笑)。
じんにょもん:それはすごいですね(笑)。
Funa:習ったり、調べたりすれば早いものを自力で解読してたなんて…考古学者じゃあるまいしってカンジですよね。本当に無知だったんです。子供ならではかもしれません。
じんにょもん:今思えば独学は大変でしたが、それが大変なことかどうかすらわからず夢中になっていたんだと思います。
Funa:そうですね。子供の頃から音楽やってるけど習ってはいないという人ならではの涙ぐましい努力がお互い垣間見えました(笑)。
じんにょもん:その後、中3ではじめてバンドを結成します。その時のバンドメンバーのドラムが小3の頃に影響を受けた友達なんです。文化祭でライブをしました。
Funa:おお!それは感慨深いですね。素敵な青春の1ページです。
バンドコンテストで結果を出しモチベーションアップ。
じんにょもん:その先は高専に入学しまして、4年生の頃に購入したギター用の機材にDTMソフトがオマケで付いていたというのが、DTMを始めるきっかけになります。
Funa:音楽機材のオマケにDTMソフトが付いているってわりとよくあるんですよね。それがきっかけになったという人も少なくないと思います。スムーズに始められましたか?
じんにょもん:自分はパソコンとか機械が苦手だったのですが、高専にはパソコン、機械が得意な人が比較的多かったので、詳しい人に相談しまくりました。
Funa:ちゃんと周りに相談したんですね。独学で四苦八苦したギターの時より学習してますね(笑)。
じんにょもん:はい(笑)。ただ、パソコンは詳しいけど音楽のことは全然知らない人達だったので、パソコンの設定、使い方は教えてもらえたけど、作曲に関しては手探りでした。
Funa:そうでしたか。はじめての作曲は難しかったですか?
じんにょもん:それが初期の作品でいきなり結果が出たんです。楽器屋主催のバンドコンテストで準優勝しまして。今思えば小さな大会なのですが、勘違いしちゃって作曲に自信がつきました(笑)。
Funa:すごいですね。たとえ小さくても成功体験があるとモチベーションが上がり、成長に繋がっていきます。
じんにょもん:その後、社会人2年目の頃に参加したバンドのメンバーがDTMをガッツリやっていて、Funa先生にDTMを習っていたんです。彼の影響で僕もFuna先生のDTMスクールに通うことにしました。
Funa:独学→友人に相談→プロに師事する。音楽の学び方もステップアップしていきましたね!
じんにょもん:おかげさまで、それまではバンド演奏をするためのデモ制作程度だったDTMが、習い始めてからは自分の楽曲を作品としてそれなりの形に仕上げられるようになりました。
Funa:独学だと作品として呼べるまでに仕上げられず、デモ止まりになってしまうことが悩みという人は多いです。
じんにょもん:他にもDTMスクール通うことで、DTM関連の仲間が増えたこともよかったです。良い刺激をもらいます。
Funa:切磋琢磨できますよね。
じんにょもん:頑張っている周りのみなさんを見て、僕も何か結果を出したいと思っていた時、TikTokで自分の曲を使って動画を上げたら、再生1.6M(160万回)以上、いいね7万以上でバズりしました!
Funa:それはすごい!
じんにょもん:バズったきっかけは正直、曲がいいとかではなく、動画の内容が面白かったんだと思います。ただ、コメント欄で作曲していますというアピールをしていたところ、音楽プロデューサーからDMがきて、アイドルグループの楽曲提供の依頼受けたんです!
Funa:やった!音楽活動がより本格的になってきたんですね。
じんにょもん:現在は関東中心に活躍するグループ数組に楽曲を提供できるようになり、少しづつ実績を積み上げていっているところです。
Funa:素晴らしいです!今後の夢はどうですか?
じんにょもん:自分が楽曲提供をしているグループがブレイクして、ドームクラスの大きな会場で自分の曲が流れることですね。
Funa:じんにょもんの屋号を後世に繋いでいくためにもその夢の実現できるといいですね。
じんにょもん:はい!がんばります。
■じんにょもん’s 音楽室
■使用DTM機材
OS : Mac
DAWソフト : steinberg / CUBASE PRO 12
オーディオインターフェイス : RME / Fireface 802
ギターアンプ: Kemper
MIDIキーボード : M-AUDIO / Keystation88
スピーカー : YAMAHA / MS5
ヘッドホン : SONY/ MDR-CD900ST
マイク : AKG / C414 XLII
ギター:Paul Reed Smith / Ikebe Original Custom24 White Tiger Limited
Edwards / E-HR7-FX/BM
Edwards / potbelly
■アーティスト情報
https://jinnyomo.jimdosite.com/