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キッチンカーと侮るなかれ。至高のあいがけカレー|煩悩を断ぜずして咖喱を得るなり #24

三度の飯より咖喱好き。カレーをこよなく愛するライター吉岡が、煩悩のおもむくままに地元石川のカレーを食べ尽くす!

 

そのネーミングも含めてかねてから気になっていた『旅するスパイスTANE』。昨年秋にオープンしたスパイスカレー専門のキッチンカーなのですが、今回タイミングよく出店現場に遭遇できたので早速カレーハントしてきました。

売り切れ御免!人気のキッチンカー

 

訪れたのは金沢市桜田町にある「カジマート桜田店」。この日は約2週間ぶりの出店ということもあって、筆者が訪れた昼すぎには売り切れ寸前。危うく食べそびれる所でした。

 

キッチンカーでの出店は月に数回ほど。それ以外の日は、鶴来町のスナック「アイリーン」で間借り営業もしています。

 

「旅するスパイスTANE」の詳しい出店スケジュールはこちら

 

 

お店を経営するのは吉田麻衣さん(左)と上野桃子さん(右)。だれもが一度は経験したことのある「大人になったら一緒に店やろうぜ!」を叶えてしまった、高校時代の同級生コンビです。ああいうのって、友だちと夢を語り合うだけで終わるものだと思っていたけど、ちゃんと実現させるなんて素晴らしいですね!

 

ちなみにおふたりは現在子育て真っ只中。店舗ではなくキッチンカーでの営業を選んだのも、自分たちのライフスタイルを考えてのことなのだとか。

 

アースカラーを基調にしたナチュラルな雰囲気が印象的なキッチンカー。装飾や看板など、ふたりのこだわりが随所に隠されている。

 

クラフトドリンクが充実しているのもTANEの魅力のひとつ。

 

提供するのは「スパイスカレー2種がけ」の一択。最近の主流となっている、あいがけスタイルです。

2種のカレーが互いの個性を引き立てる

スパイスカレー2種がけ(味玉付き)1,200円

 

定番のカレーと日替わりのカレー、さらにはアチャールをはじめとする副菜数種とスパイス味玉を盛り付けた充実の内容。彩り豊かな見た目も食欲をそそります。

 

「身体に優しいスパイスカレー」とのぼりに書かれているように、素材へのこだわりは人一倍。添加物、小麦粉は一切使わず、極力自然な形で食材そのものの味わいが引き出されています。油に関してもスパイスの香りを引き出す際にほんの少しだけ。それもサラダ油ではなく、米油やココナッツオイルといった自然由来のものだけを使っているそうです。

 

 

こちらは定番となっている「塩麹チキンのレモントマトカレー」。じっくりと飴色になるまで炒めた玉ねぎのコクと、カレーと一緒に煮込んだレモンの酸味がバランスよく溶け合って美味。よほど研究されたのか、塩麹に漬け込んだチキンの旨味に負けず劣らず、スパイスの風味がしっかりと引き出されています。このふたつの相乗効果によって、カレー全体の味わいが何倍にも膨らんでいるように感じました。

 

 

こちらは日替わりの「コク深牛すじのダールカレー」。イカスミを使ったマイルドな味わいで、爽やかなレモントマトカレーとの相性が抜群。牛すじ特有の臭みもまったく感じさせません。ダールはひよこ豆。乾煎りしたカスリメティのほろ苦さと爽やかも、スパイスの風味を程よく引き立てています。

 

 

ブロッコリーのスプラウト、紫キャベツのアチャール、ニンジンのラペといった、手作りの副菜は全体的に優しい味わい。様々な味覚が楽しめるように、味付けにも工夫が凝らされています。ちなみにスパイスに漬け込んだ味玉ですが、これがかなりの上物。これだけでキングフィッシャー3本はいけそうです。

 

 

食後にクラフトコーラも注文。これがまたスパイス強めでかなり個性的。あくまで筆者の感想ですが、これまで飲んだクラフトコーラの中で一番好きかもしれません。なんでもコーラの実ではなくスパイスを煮込んで作っているそうで。レモンが効いてキリッとした後味で、正直クセになりそうです。

 

「旅するように、さまざまな地域にスパイスの種を撒いていきたい」。そんな想いをキッチンカーで運んでいる『旅するスパイスTANE』。吉田さんと上野さんの楽しいスパイス旅は、まだまだ続きそうです。

 


 

旅するスパイスTANE
営業時間などの詳細はInstagramをチェック!

 

撮影:林 賢一郎

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