つながれ友達の輪!私のマスターピース①|ライター吉岡の場合
4月中旬、とあるアーティストから届いた一通のLINEメッセージ。
「家でみたい映画、聞きたい音楽なんかをリレー形式で紹介してもらうのとか、どうすか?今こそウェブメディアの出番。できることを!」
………たしかに!
コロナ感染拡大の影響で緊急事態宣言が発令されたりと、暗い話題ばかりな世の中。ステイホームが世界共通のキーワードになった今、自宅で楽しめるエンタメ情報はどれだけあっても困らない。というか今こそ必要なのかも。
というわけで、映画、音楽、本、漫画などなど。心の深〜い場所に残る「自分的最高傑作」を紹介し、友達へとつなぐリレー企画「私のマスターピース」始めちゃいます。
VIVA!ストップモーション・アニメーション
初コラム…ども。BONNO編集部の吉岡です。僭越ながらトップバッターを務めさせていただきます。僕が紹介するエンタメは「ストップモーション・アニメーション」。写真をつなげてひとつの映像にするアレです。
ますは、ドイツのクレイアニメ「PLONSTER」から。「ひらけ!ポンキッキ」でも放送されていたので、昭和世代なら知ってる人も多いと思います。当時はひとコマずつ撮影するという手間なんて知るよしもなかったけど、被写体となった粘土が動き回る様子がおかしくて。食い入るように見ていたのを覚えています。セリフがないのも想像力をかきたてて、いいっすね。
クレイアニメといえば1994年から放送が始まったEテレ(NHK教育テレビ)の「プチプチ・アニメ」。たしか当時は夕方4時くらいに放送していたと思うんですけど、大人になってからも毎日録画をして見てました。Youtubeを漁ってみると「ニャッキ!」とか「チックンタック」とか懐かしいのが、出るわ出るわ。こりゃいくら時間があっても足りないっす。
そんな僕がもっとも衝撃を受けたのが「ヤン・シュヴァンクマイエル短編集」。当時、美大に通っていた友人が「卒業制作でストップモーション・アニメをつくるから」というので一緒に見たんですが、それまで僕が見てきたファンシーなストップモーションとは一転して、生々しくて、グロテスクで、ファンタジー。ちょうどit’a true wolrd的な中二病を発症していた時期だったので、その独特な世界観に見事にヤラレてしまいました。
ヤン・シュヴァンクマイエルはいわずとしれたストップモーション界の巨匠で、どちらかといえば「アリス」や「ファウスト」とかの長編が有名だけど、僕はこの短編集が一番のお気に入り。視覚的な楽しさの中にも、ひとつひとつの作品にメッセージ性があるというか。「スターリン主義の死」とかいうゴリゴリのプロパガンダ作品とかもあったりして、チェコスロバキアの政治状況に翻弄され続けたシュワンクマイエルの葛藤や、抑制から生まれる芸術のカオスな面が盛り込まれている気がします。シュルレアリズムとか難しいことは抜きにして、単純に視覚的に楽しめるのでぜひ!
シュワンクマイエルじゃないけど、日本のクレイアニメ作家の長尾武奈さんによる「CHAINSAW MAID」も、なかなかグロテスクで秀逸。
最後にいくつか、最近見たYoutubeの面白いストップモーションもご紹介。とくにYoutuberの「omozoc」のクオリティはヤバいっす(語彙力)。
以上、編集部吉岡のマスターピースでした!
次につなぐのは、この企画を発案してくれた、とあるアーティスト。「YOCO ORGAN」の0081さんです。ミュージシャンでありながら、専門学校映像学科の講師を務めるその道のプロ。どんなエンタメを紹介してくれるのか、楽しみです!
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今回の執筆者吉岡大輔 |