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つながれ友達の輪!私のマスターピース⑧|役者・本庄 司の場合

映画、音楽、本、漫画、はたまたお気に入りのグッズなど。それぞれの心をえぐった「自分的最高傑作」をピックアップして紹介していくリレー企画。今回は、石川県出身、数々のCMやテレビドラマに出演する俳優の本庄 司さんにバトンタッチ。

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マスターピース(英: masterpiece、仏: chef d’œuvre、ドイツ語: Meisterwerk)とは、非常に批評的な価値が高いとみなされ、特にある人物のキャリアの中で最も優れていると考えられている創作物、または傑出した創造性や技術、出来栄えからなる作品のこと。

 

と、Wikipediaに意味を伺うところから始まりましたこの企画。

 

こう字面にすると、なんとも尊大で圧倒されますが、この場では僕なりに噛み砕いて「マスターピース」について、思いを巡らせたいと思います。

 

つながれ友達の輪!ということで、既に諸先輩達の記事に続く形になりますが、まずは自己紹介から。

 

石川県能登半島。
その入口に位置する広大なゴルフ場『能登カントリークラブ』。大半を能登CC(能登カントリークラブ)と針葉樹林、荒ぶる日本海に囲まれた地で僕は生まれ育ちました。
現在は遠く東京の地で俳優として活動しておりますが、僕の感性はこの土地で培われたと言って過言は無いです。

 

さて、そんな田舎育ちの僕ですが、遊びと言えば広大なフィールドを舞台にした野外での遊び。そしてある種それとは対極に位置するゲームや漫画。徒歩5分に位置する海辺で初代ポケモンにのめり込む。なんともハイブリッド。遊びに関してはもはや無差別殺法という感じでした。

 

約20年以上前になるのですが、当時はゲーム機等のガジェットが光の速さで進化しており、僕ら世代(ぎりぎり昭和生まれ)はアナログからデジタルに移行する時代の真っ只中で、少年時代を過ごしたんじゃないかと思います。と、まぁ色々と語りたいことはあるのですが、「マスターピース」ですよね。脱線しがちですみません(笑)

 

僕は現在、俳優として活動していることは先程お伝えした訳ですが、今回の「マスターピース」は俳優を志すきっかけのひとつでありました。
僕の家庭では毎晩父が晩酌をしており、僕や兄と会話をしながらTVを観るというのが慣例でした。父のお気に入りはプロ野球中継。根っからの中日ファンで巨人嫌いでしたから、巨人戦で負けようものなら憤慨し、僕ら兄弟は敗色濃厚とみるや、そそくさと自分の部屋へ退散。古き良き昭和の親父的なかんじかもしれないですね。

 

そしてもうひとつ、父と僕が楽しみにしていたのが『金曜ロードショー』です。あえて『金曜ロードショー』って言いますけど、夜9時から始まる地上波で映画を放映する番組の事を僕は総じて『金曜ロードショー』って言ってました(笑)

 

定位置は父のあぐらの上。そこが僕のエグゼクティブシート。
僕と父が夢中になったのはアクション映画。『ターミネーター』、『沈黙シリーズ』、『リーサルウェポン』etc。分かりやすくとにかく熱い展開。巨大な敵に立ち向かっていく主人公達に自己投影し、自分がヒーローになったような気持ちで興奮しっ放しでした。
中でも僕が夢中になった英雄(ヒーロー)。えぇ。今回の「マスターピース」の登場です。

それがこの人。ジャッキー・チェン。

 

もはや説明不要のアジアの活劇王。

 

熱い。とにかく熱い。画面所狭しと飛び回るその姿。ただひたすらに強いヒーローが暴れ回る映画と違い、何度も窮地に立たされその度に不死鳥のごとく復活するジャッキー。僕の中の英雄の概念を完全に破壊してくれました。親にお願いし車で20分程の少し栄えた隣町のビデオ屋さんまで連れてってもらい、なけなしのお小遣いで一気に7本借りしたのは良い思い出です。

 

んで、ジャッキーの何が凄いの?なんてことは周知の事実であり、今更感が半端ないので、僕的なお勧めジャッキー映画を紹介させて頂きます。ネタバレになってしまうのはあまり好きじゃないので、なるべく内容に触れずにお伝えできたらなと。

 

まずはこちら。

 

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『ポリスストーリー香港国際警察』1985年

 

『プロジェクトA』と並ぶ代表作。80年代の香港を舞台にジャッキー扮する刑事チェンが悪の組織を相手に大奮闘します。

 

勿論主演はジャッキー。監督もジャッキー。原案もジャッキー。アクション監督もジャッキー。主題歌は『英雄故事』byジャッキー。もはやジャッキー祭。骨の髄までジャッキー映画です。

 

冒頭から壮絶なカースタントで始まるこの映画。ほぼ全てのシーンをノースタントで、ジャッキー自身が演じています。エンドロールで流れる定番のNG集を見れば分かるんですが、とにかくこの人、忙しいんです。自分の芝居だけで無く、相手にも演出し、カメラアングルもチェック。周りのスタントに対しても細かい指導が入り、何か気になることがあればメガホン片手に全力ダッシュ。一切の妥協を許さないその姿勢が全てのシーンに溢れてるんですよね。その証拠では無いですけど、恋人役の女優(マギー・チャン)もかなり体を張ったシーンがあり、全員がジャッキーismに則って参加してるんだなと感じます。

 

作中のラストにある有名なアクションシーンでは、ジャッキー自身恐怖で中々トライ出来ずに数日間撮影が止まったというエピソードがあります。自ら設置した高い高い反り立つ壁。そこをどう飛び越えて行くのか。それを踏まえて是非ラストシーンまで辿り着いて下さい。「やーーー!!!」と叫びながら挑むその姿に涙すること間違い無しです。

 

続いてはこちら

 

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『スパルタンX』1984年

 

舞台はスペインのバルセロナ。
監督はジャッキーの盟友サモ・ハン・キンポー。相棒役には同じく盟友のユン・ピョウ。この3人は元々同じ戯劇学院で学んだ仲であり、『プロジェクトA』でも揃い踏みしたゴールデントリオなんです。監督がサモということもあり、コメディ色が強いこの作品。日本で言うならばザ・ドリフターズのような笑いがあり、今見てもクスリとしてしまうシーンが散りばめられてます。

 

勿論アクションシーンも凄いんです。徒手格闘に始まり、カーチェイス、そしてエクストリームスポーツの概念まで取り入れているんです。
僕の中でこの『スパルタンX』はジャッキー映画の総合庁舎みたいなイメージがあり、脚本、演出、アクション、ロケーション等々のトータルバランスが秀逸。ジャッキーファンの中でもこれをベストに推す人は多いと思います。

 

ちなみに、作中に滅茶苦茶強い敵役が1人出てくるんですが、この人本当にお強い方でして。それもそのはず元キックボクシング世界王者のベニー・ユキーデというお方。
物語終盤のジャッキーvsベニーのタイマン勝負は、ジャッキーが自身のベストファイティングに挙げる程のバトル。本当に強い人って構えただけで分かる何かが出てるんですよ。ジャッキーの気合いの入り方というか、向かい方もこの時ばかりは全然違うんです(笑)是非ご自身の目で確認してください。

 

と、ここまでだらだらと思いの丈を綴らせていただいた訳ですが「マスターピース」に対する憧れから始まった俳優人生。もう一つのきっかけを与えてくれた人にバトンを渡します。

 

次回は実の兄である本庄 亮。亮と書いて「まこと」と呼びます。多分ストレートに読める方はなかなか居ないと思います。
地元金沢で演出家として活動。国内だけでなく、ロシアや韓国などで海外公演も行っており、盟友星能豊さんと共にロジウラシネマを企画するなど、演劇だけに捉われず様々な形で表現の場を拡げています。僕を演劇の世界に引きこんだ張本人。どんな「マスターピース」を紹介してくれるのか楽しみです。

 

不確定要素の多い不安だらけの世の中ですが、映画も人生も先が読めないから面白いんではないでしょうか?そんな人生にこのコラムリレーが少しだけ寄り添えたら幸いです。僕もジャッキーの様に不死鳥の如く、何度でも人生に立ち向かっていけたらと思います。
御拝読ありがとうございました。

 

今回の執筆者

本庄 司(ホンジョウ ツカサ)
1988年生まれ。石川県出身。
16歳の時に、兄である本庄 亮と共に劇団を立ち上げ初舞台に立つ。
現在は東京でフリーランスの俳優として活動。数々のCMやテレビドラマに出演。主な出演作としてテレビ朝日「仮面ライダービルド」やTBS「アルジャーノンに花束を」等。

 

○つながれ友達の輪!私のマスターピース

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