つながれ友達の輪！私のマスターピース⑩｜映画監督・中村研太郎の場合

【リレーコラム】つながれ友達の輪！「私のマスターピース」他の記事を読む

TOYOTA ランドクルーザー40系

この古いランドクルーザーを買ったと人に言うと、往年の名車で希少価値がある車への若干の羨望と同時に、30年近く前の古い車なので、管理の困難さと、それなりにかかるであろう維持費に、お前なんぞに扱えるのか？と言った反応が返って来ます。そのような車を、縁あって静岡の知人の知人から昨年の12月に実際に車体も見ずに購入しました。写真で状態の確認をしたところ「それなり」だったため、そのまま静岡の工場で板金、塗装、整備、車検を受ける事になり目下板金中です。

ランドクルーザー40系とは、昭和35年から昭和59年まで、少々の変化はあれどほぼ同じスタイルで販売されたトヨタの四輪駆動車。「ヨンマル」の愛称で呼ばれ、今でも世界に愛好家も多くいる昭和の名車。現在国内にもヨンマル狂とおぼしき愛好家が多数おり、「ヨンマルミーティング」と呼ばれるイベントが関東と関西で毎年開催されています。現在も人気のランドクルーザーですがその元祖ともいうべき車です。

BJ40Vの外観とインパネ部分

僕は特に車マニアでもなく旧車にこだわりがあるわけでもありませんし、むしろ車に関しては不学でエンジンの事等ほとんど分かりません。もうあのスタイルに惚れてしまったから買ってしまった、としか言いようがありません。現在の車には無い角張ったボディと鉄板むき出しのシンプルで無骨な内装。たまりません……。

僕が購入したヨンマルは、S57年製のBJ41Vというヨンマルの後期のタイプで、幸いパワステもクーラーもカーステレオも装備している贅沢な一品！今の車なら当たり前の装備ですね。

しかし、購入してから致命的な事に気付きました。うちのガレージにヨンマルが入らない。ならばガレージを作り替えようじゃありませんか。ライフスタイルさえも変えてしまうヨンマル。家族の人達すみません。理解がある家族で良かった笑。

これが僕が購入したBJ41V。青っぽい色に全塗装してもらう予定です。

しかし、なぜヨンマルにこだわったのか？？
僕の親父は以前、コアな四駆雑誌に記事を書いていた知る人ぞ知る四駆マニアで、ヨンマルはもちろん、パジェロやジムニー等様々な四駆を乗り継いでいて、現在も三菱の軍用ジープとランクル70（ヨンマルの後継のランクル）を乗りまわしているような親父です。今僕が乗っている車も旧型ジムニーのJA11ですしやはり無意識に影響を受けているのかもしれません……てかモロに影響を受けているようです。認めざるを得ません。その親父が車に関して不学の僕に何冊か四駆の書物を貸してくれました。素晴らしいじゃありませんか、親とのコミュニケーションも円滑にしてくれるヨンマル！

そういうわけで、昨年の12月に車体を見ずに購入し、春頃に静岡の工場に車体を見に行く予定でしたが、コロナの影響で断念。県をまたぐ移動も解除されましたし近いうちに一度見に行こうかな。まだ見ぬ愛車に早く会いたいですね。

しかしながら、これから故障等で金銭的に地獄を見るかも知れませんが、諸先輩方に修理方法を仰ぎつつ、故障したらパーツをかき集めて直していきます。そうやって愛着がわいていくでしょう。それが旧車の魅力かもしれません（と自分に言い聞かせる）。

現在静岡でレストア中のBJ41V

マスターピースを紹介するコーナーなのにまだ所有もしていないTOYOTAのランドクルーザー40系を紹介させていただきました。
手元に来るまでガレージでもこしらえて待ってます。

次にバトンを渡すのは、現在公開中の映画「ファンシー」（原作:山本直樹、出演:窪田正孝、永瀬正敏など）を監督した、廣田正興監督。「ファンシー」の北陸での上映を切望します。

中村研太郎

映画監督。富山県高岡市生まれ。映画製作を独学で学ぶ。2000年に8ミリ映画版『フリーキッチン』を初監督（長岡アジア映画祭インディーズコンペティション審査員特別賞受賞）。その後、奥秀太郎監督や福居ショウジン監督作品に助監督として参加。短編映画、舞台映像、MV等を演出。2014年に長編映画として『フリーキッチン』をリメイクし劇場公開。TSUTAYA等でレンタル中。アマゾンプライムなどでも配信中。金沢で開催された第1回ロジウラシネマでも上映。現在富山在住。