つながれ友達の輪！私のマスターピース⑪｜映画監督・廣田正興の場合

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海外盤Blu-rayのデザインを楽しむ

きっかけは2004年にHomeVisionから発売された『仁義なき戦い』5部作の北米盤DVDBOX 『THE YAKUZA PAPERS』を手に入れてからです。

※現在はプレミア価格

日本のバイオレンス映画に影響を受けたクエンティン・タランティーノのインタビューや北野武監督と三池崇史監督などの世界映画祭での活躍により、日本のバイオレンス映画は世界的に再評価され、ひとつのブームとなっていました。そんななか、Home Visionから発売された北米盤DVDBOX 『THE YAKUZA PAPERS』は、高画質のニューリマスターで、特典映像に当時はなかなかお目にかかれない貴重映像『県警対組織暴力』の撮影風景が収録されていたりするなど、日本のファンも欲しがる充実の内容で大きな反響がありました。

僕はそのジャケットデザインとメニュー画面のカッコ良さに魅せられました！もちろん、それは、日本公開時のスチールやポスターデザインのカッコ良さありきのものなのですが、海外の日本映画ファンがそのカッコ良さを再構築したものなので、逆輸入の「COOL!」さが更に新鮮なものとなって僕に直撃したのであります。しかし、リージョン１という日本では専用デッキがないと視聴できない規格だったため、日本のコレクターは激安デッキを手に入れて視聴していました。

時代はBlu-ray時代に突入。

世界同一規格のリージョンフリーのものは、日本のデッキでもそのまま視聴できる時代となりました。『THE YAKUZA PAPERS』もARROW VIDEOからBlu-ray BOXとして新たに再発売されました。旧BOXの写真のデザインから、今回はより大胆なイラストビジュアルとなり、その素敵なセンスに唸ります。

BATTLES WITHOUT HONOR AND HUMANITY: THE COMPLETE COLLECTION [LIMITED EDITION]
仁義なき戦い5部作 Blu-ray BOX ※日本盤は東映ビデオより発売&デジタル配信中。

現在は各サイトで比較的手に入りやすくなったことと、日本国内では未Blu-ray化の作品も多いので、ぜひ皆様にもその魅力を知っていただききたいです。

僕は、『女囚さそり』梶芽衣子主演４作品のBOXや、三池監督の『DEAD OR ALIVE』三部作、『黒社会』シリーズ三部作のBOX、さらに千葉真一主演『ウルフガイ燃えろ狼男』、『ドーベルマン刑事』などのインタビュー取材スタッフとして参加することができました。なので、パッケージを持った時の喜びはひとしおでした。

FEMALE PRISONER SCORPION: THE COMPLETE COLLECTION [LIMITED EDITION] ※日本盤は単品DVDが東映ビデオより発売&デジタル配信中。

DEAD OR ALIVE TRILOGY『DEAD OR ALIVE』三部作Blu-ray BOX ※日本盤は2008年単品DVDが角川エンタテインメントより発売。現在、１作目がデジタル配信中。

TAKASHI MIIKE’S BLACK SOCIETY TRILOGY　三池崇史監督『黒社会』シリーズ三部作Blu-ray BOX ※日本盤は2008年単品DVDが角川エンタテインメントより発売。

さらに、『福福荘の福ちゃん』、『下衆の愛』や『獣道』などの日本映画も製作してきたthird window filmsが北野武監督作品や豊田利晃監督の初期作をはじめ、塚本晋也監督作品など、日本映画の傑作群をBlu-ray化して世界発売をしており、こちらのジャケットデザインもとても洗練されていて、その美しさにうっとりします。

●TAKESHI KITANO FILMS Blu-ray

北野武監督作品Blu-ray third window filmsより発売中 ※日本版はBlu-ray &DVDがバンダイビジュアルより発売。

●Toshiaki Toyoda: The Early Years

豊田利晃監督初期作品Blu-ray BOX third window filmsより発売中 ※2012年日本盤DVDBOXがポニーキャニオンより発売。現在、デジタル配信中。

●Dangan Runner

SUBU監督デビュー作『弾丸ランナー』third window filmsより発売中  ※2000年日本盤DVDがハピネット・ピクチャーズより発売。現在、デジタル配信中。

次にバトンを渡すのは、写真家の井上ユミコさん。現在、世界中の著名なダンサーたちを紹介するサイトAlexandre Magazineを運営されております。どんなお話が聞けるのかとても楽しみです。

廣田正興

映画監督。岩手県盛岡市生まれ。市川準、古厩智之監督作品に助監督として参加。庵野秀明、三木聡、佐藤信介、白石和彌、大根仁、三池崇史監督作品などのメイキング・ドキュメンタリーを手がける。監督した ショートムービーは東京国際ファンタスティック映画祭600秒、仙台短篇映画祭など数多くの映画祭で上映。2020年、永瀬正敏主演映画『ファンシー』で長篇映画監督デビューを果たす。

映画『ファンシー』公式サイト